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zoom RSS 京都市美術館で「ルーブル美術館展」と「マルグリット展」を観てきた

<<   作成日時 : 2015/08/12 17:26   >>

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 昨日はもう10日以上猛暑日続きの京都の京都市美術館まで、「ルーブル美術館展」と「マルグリット展」を観てきました。付近の白川にはサギの姿が。
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 暑い中、京都市美術館の前で行列が長々と続いていたらどうしようかと思いましたが、そういうことは全然無く(やっぱ世間のお盆休みは今日からのところが多いからかしら、こちらもそれをあてにして昨日行ったんだけど)、予め両展のペア券を購入していたワタシはすんなり会場に入れました。
 まずは「ルーブル美術館展」へ。普通の音声ガイドと、名探偵コナンの声のガイドがあったけど、普通のを選択(550円)。コナンの声があるってことは子供の来場も期待してるのよね、と思いつつ中へ進むと、まずは石片(オストラコン)に描かれた絵日記の絵のような風俗画。この展覧会、「日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」ということで、風俗画を中心に展示している。風俗画の中にはニコラ・レニエ《女占い師》のような絵もあって、子供に見せていいんだろうか、親子で、この裕福そうな女性客の手相をみているロマの占い師と女性客のスキをみて財布を掏ろうとしているオバさんはグルなんだよー、悪いやつらだね〜。でも上には上がいて、そのロマ達の鶏をロマ達が女性客に集中している間に掏りとろうとしているオトコが占い師の後ろにいるねぇ、面白いね〜。って会話しながら見るんだろうか。ワタシがその絵を見ている間に親子連れは2組ほどいたけど、あんまり反応してなかったみたい。彼らは絵のどこをみているんだろう?
 オランダではプロテスタント革命のあと、教会に飾る宗教画が描かれなくなって、風俗画の中に宗教画っぽい意味付けを加えたものが描かれるようになったそうな。レンブラントの 《聖家族》、または《指物師の家族》はそういう類の絵。大工道具満載の親方一家のカミさんがマリアでその一人息子がキリストだ。
 絵画にはジャンル別のランクがあって、歴史画(宗教画?)>肖像画>風景画>静物画>風俗画の順で、風俗画は評価が低いらしい。本展には、それを表すためにそれぞれのジャンルから数枚ずつ展示して並べたゾーンも作ってあった。歴史画の代表としてシャルル・ル・ブランの《キリストのエルサレム入城》が展示してあった。馬上の青衣のキリストの入場を大喜びで民衆が迎えている。この付近に展示されている風俗画ではジョゼフ=マリー・ヴィアン《アモルを売る女》が面白かった。まるで鶏でも売るみたいに天使を羽根をひょいとつかんで売りさばく様が滑稽だ。あと、このゾーンの風俗画ではル・ナン兄弟. 《農民の食事》が皆の表情が豊かに描かれている。静物画のリュバン・ボージャン《チェス盤のある静物》のガラス瓶に映りこむチェス盤の様や、何も映さない鏡なども印象深かった。
 他に印象深かった風俗画は、マルタン・ドロリング 《台所の情景》の奥の窓からさす光線の具合や、フランソワ・ミレーの 《箕をふるう男》の男の腰の動きが見えるような様や、ヘリット・ファン・ホントホルスト《抜歯屋》も先に挙げた《女占い師》と似たいかがわしさ、アブラハム・ブルーマールト《冬の寓意》の男の表情と衣服の温かみ、フェルメール《天文学者》のやわらかな光線、意味ありげなジャン=バティスト・グルーズ 《割れた水瓶》と ピーテル・デ・ホーホ. 《酒を飲む女》などを挙げられるだろうか。
 風景画では、トーマス・ゲインズバラ 《庭園での会話》はカップルの衣装も庭の風景も豪華だったし、ペーテル・パウル・ルーベンス《満月、鳥刺しのいる夜の風景》の明るい月夜の広大な風景、ジャン=オノレ・フラゴナール《嵐》、または《ぬかるみにはまった荷車》 や ジョゼフ・ヴェルネ《風景、雷鳴》の嵐の空模様とそれから逃れようとする人々の様、フロマンタン《アルジェリアの鷹狩り》とジャン=バティスト・カミーユ・コロー《水汲み場のブルターニュの女たち》の美しい草原と人々が印象に残った。
 室内の女性を描いた絵では、ジュゼッペ・マリア・クレスピ《蚤を取る女性》、ジャン=バティスト・カミーユ・コロー《コローのアトリエ》、アトリエの芸術家というゾーンでは、ニコラ=ベルナール・レピシエ《素描する少年》や レオン=マチュー・コシュロー《コレージュ・デ・カトル・ナシオンにおけるダヴィッドのアトリエの情景》の描かれている人物の真面目な感じが気に入った。
 評価点は5点満点の3点。なんとなく全体的に地味ィ〜な感じがなんかね。

 続いて、「マルグリット展」へ。こっちは普通の音声ガイドだけ。リーフレットを見ると、なんと、「ルーブル美術館展」はN0.83までしかないのに、「マルグリット展」は13年ぶりの大回顧展ということもあって、No.131まである上に、資料の展示が17点。すごい量だ。
 初期の頃から画風を変えながら晩年に至るまでの絵があるため、もちろん、これもマルグリット?ていう絵も展示されている。ワタシは回顧展としてマルグリットを見るのは初めてなので、大変勉強になりました。
 初期の方では、キュビズムの影響のある《女たち》、《心臓の代わりに薔薇を持つ女》、ポスターのようにサラっとした《水浴の女》、石膏の人頭の背後に顔が半分隠れた女性が配置された《彼は語らない》、譜面のデザインが印象的な《無題》、白布を被ったカップルが面白い2作の《恋人たち》、影を◆で縁取りしたような《出現》、2つの窓が印象的な《恋人たちの散歩道》、旗に映りこむ青空がすがすがしい《夏》が良かった。
 次のゾーンでは、顔が胸から下腹部で出来ている《凌辱》、女性の「パーツ」を小さい絵に取り分けて縦に配置した、なんともイヤらしい《永遠の明証》、彼の妻を描いた《ジョルジェット》(←姫路市立美術館所蔵!)、上半身が青い色で染められた女性の裸体画《生命線》、大砲が印象的な《自由の入口で》、浮遊した感じがなんともいえない《旅人》が良かった。
 その次のゾーンでは、葉脈が美しい《空気の平原》と《絶対の探求》、2作間で女性が年齢を重ねてたりバラがなかったりの変化も楽しめる2枚の《夢》、空は昼なのに下の街は夜なのが面白い《光の帝国U》、色合いが気に入っている《オルメイヤーの阿房宮》、山高帽にコートの個性のない男が無数に浮遊する《ゴルコンダ》、頭が魚で下半身がヒトの逆人魚な《自然の驚異》、山高帽にコートの個性のない男3人の上にそれぞれ三日月を頂く《傑作あるいは地平線の神秘》、330cmにわたる横長な《無知な妖精》、傘の上にコップを置き、水を容れるものと避けるものの二律背反を表す《ヘーゲルの休日》(カントじゃないのね)、タイトルから尾根に岩を置いた不安定さを連想したという《ガラスの鍵》、部屋いっぱいの巨大な岩が印象的な《記念日》、北海の荒れた海に晴れた空、そこに城を頂く巨岩を浮かべた《ピレネーの城》、依頼主の希望する北海でなくマルグリットが当初希望した田園に三日月を頂くちょっと角の取れた巨岩を浮かべた《現実の感覚》、森の木々と乗馬する女性の隠し絵になっている《白紙委任状》、羽ばたく鳥を模った青空が印象的な《大家族》と《空の鳥》、山高帽のシルエットが新開地を思い出させる《王様の美術館》が良かった。第2次大戦中の印象派っぽい画風や戦後すぐの野獣派に対抗した画風の絵は好きになれなかった。
 評価点は5点満点の4点。《野の鍵》とか東京展にあるのに京都展に無い絵があったのが不満ですわ。

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