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zoom RSS 日独デザインシンポジウムに行ってきた。

<<   作成日時 : 2016/04/23 23:01   >>

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 4月20日にベルリン日独センターおよび Quo Vadis Design 実行委員会(DDI)が主催する日独デザインシンポジウム「Quo Vadis Design――デザイン、何処にか行き給う――ディーター・ラムス、日本のデザイナーや学生と語る」を観に京都造形芸術大学春秋座(京都芸術劇場)へ行ってきた。初めて叡山電車に乗りました。ワンマン電車だったのね、知らんかった。春秋座って立派なホールだねぇ、京都だからか提灯まで下がってるし。
 まずはFritz Frenkler氏が、「10 Principles for Good Design Poster by Dieter Rams」を説明しながら、Dieter Rams の業績を振り返った。
 次にパネリストの1人、建築家の黒川雅之氏が「Dymaxion map」を示しながら太古のヒトや文化の往来を説明した後、日本にあるのは自然の恵み《生》と自然の驚異《死》という二律背反するものを合わせ飲む美意識だけで哲学観は無い、と述べた。

 
 パネリスト2人目、デザイナーの深沢直人氏は師匠であるDieter Ramsに、整えること、角のRの意味、表示・目盛りの意匠、使いやすさ、面の張り、簡素な形、手触り、グリッド、やさしい形、線、生活の質を高めること、を学んだと述べた。

 パネリスト3人目、ソニー(株)クリエイティブセンター長の長谷川豊氏はソニーのインハウスデザイナーとしてのDieter Ramsのデザインの解釈として、Standard & Consistency、Context & Redefine、Open Creation と述べ、その取り組みの形として以下の2つをあげた。

「Life Space UX」
http://www.sony.jp/life-space-ux/

ロボット・プログラミング教育分野に向けて新たなコンセプトに基づく教育キット「KOOV(クーブ)」
https://www.koov.io/

そしてDieter Ramsとパネリストとのやりとりがあった。
 黒川氏には、かつて建仁寺で行った展覧会について述べ、日本のわび・さびが素晴らしい、簡素さはデザインの未来、整えることはやさしいこと、盆栽も好きだと述べた。
 深沢氏のなんでデザインを辞めたのか、という問いには、ブラウンは辞めたけど、今も家具のデザインは続けている。と回答した。次のアップル製品のクールさと違って、Dieter Ramsのデザインは合理性の中に優しさがあると思う、というコメントにDieter Ramsは、「私のデザインも当初は『やさしくない、冷たい、病院で使う製品みたいだ』と言われてた。そんな中でもブラウン兄弟が辛抱強く私を使い続けてくれたおかげだ。」と述べた。
 長谷川氏のソニーデザインをどう思うか?との問いには、難問だ、最近のソニー商品をウォッチしていない。長谷川氏のプレゼンを見るに、ソニーは戻りつつあるのではないか?と述べた。

 そして、この混沌とした世界にこそシンプルな思考が欠かせない。ISMが嫌いなのだ、機能性はいいが、機能主義は嫌いだ。デザインには今、他社との差別化手段というマイナスのイメージが付きまとうが、将来はエコロジーの観点からももっとデザインは重要になる。使う資源を少なくて済むデザインとか、捨てられて無駄にならない、古びないデザインが必要だ。デザインの正当性は我々がこの惑星で生き延びるのに有用か、環境保全に役立つデザインかどうかではかる。と述べた。

 若手デザイナーとの対話では、1人目の男性がDieter Ramsのプロダクトデザイン以外にグラフィックデザインが好きなのだが、現在のプロダクト、グラフィック、と細分化される今のデザイナー事情をどう思うか。と質問した。
 Dieter Ramsはタイポグラフィに興味がある。スイスのそれは良い。ハンブルクで興味で教鞭をとっていたときにグラフィック、建築、インダストリアルデザインの融合を目指したが理解を得られなかった。今度は環境造形の学科を作って人材を養成したい、と述べた。また、かつてはコンピュータもなく、製品を作るとき、タイプの表示、目盛りの表示をしっかり検討したかったが、外部のデザイナーが嫌がったので社内で人材を養成した。
 2人目の女性(任天堂のインハウス)は、「innovative」と「long-lasting」は相反しないか?と質問した。Dieter Ramsは、大変な課題だ。今売れていてもすぐに新しいものに置き換わってしまう。私のデザインが幸運だったのは、今私の製品がコレクションアイテムになっている点だ。真摯に休まず努力し続けなくてはならない。

 最後にFritz Frenkler氏のサマリーがあった。
黒川氏 :日本には哲学が無い、という意見には検証が必要だ。
長谷川氏:ソニーデザインは復活しつつあると思う。
深沢氏 :いつも彼の後ろからDieter Ramsが見ているかのようだ。
日本はかつての方が簡素で豊かだったと思う。


最後のFritz Frenkler氏の意見こそ、日本の大きな課題だと思う。
はるばる京都の北の方まで行ったかいがありました。良かったです。

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