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zoom RSS 京都で「ダリ展」と「ダリ版画展」を観てきた。

<<   作成日時 : 2016/08/10 22:31   >>

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 6月に「川村悦子展 ありふれた季節」のアーティストトークを聴きに行った時に、川村悦子画伯がダリに影響を受けた、というので、そのダリを観に灼熱の京都に行って参りました。そして暑さに参りました。阪急烏丸から岡崎公園までは市バスで移動したんだけど、観光客で一杯で、全然冷房が効かない、おまけに戻りは京都大学のオープンキャンパス帰りの母子連れまで加わって(やっぱ、京大受けようって娘さんは見るからに利発そうですな、でもオープンキャンパスでくれるらしい小さめの手提げ袋のデザインがもひとつ。なんかミッション系の小学校の通学時の補助袋みたいなデザイン。どっかに付属小学校とか書いてあるんじゃないかと思ったよ。)、祇園祭の時期が終わっても京都は人が多いですなぁ。

 さて、まずは京都市美術館のダリ展へ。ダリの絵はいろんな展示会(昨年の神戸の「チューリヒ美術館展」とか)でちょっとずつ観たことあったけど、回顧展は初めて。見てみて、青色がキレイだなぁ、と思った。《縫い物をする祖母アナの肖像》や《ラファエロの聖母の最高速度》(←下図、丸みを帯びた円錐状のものは「犀の角」というらしいです)、《ウラニウムと原子による憂鬱な牧歌》(←原爆投下に触発されて描いてた頃の作品)、《子ども、女への壮大な記念碑》(←シンゴジラの尻尾の先を思い出したよ)、あたりは構図もさることながら、色使いに惹かれた。
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 他には白基調だけど《オーケストラの皮を持った3人の若いシュルレアリストの女たち》、明るい色調の《ピュリズム風の静物》、彼の原風景《カダケス》(←今度スペインに行った時は行ってみたい)、《アス・リャネーの浴女たち》、《アルウカン》、妙に女子ウケしていた《皿のない二つの目玉焼きを背に乗せ、ポルトガルパンのかけらを犯そうとしている平凡なフランスパン》、赤い見世物小屋が妖しい《奇妙なものたち》、構図や見せ方も意義深いがガラの着る虎柄のジャケットが良かった《雲の中の戦い(立体鏡絵画)》、彼の絵に時々性的シンボルとして現れる手押し車がいっぱい出てくる《手押し車》あたりが良かった。
 彼は、絵画以外に、ブニュエルと映画を撮ったり(「アンダルシアの犬」を館内で上映)、舞台美術も手掛けている。なかでもジュエリーの《記憶の固執(ピン)》と《トリスタンとイゾルデ》は持って帰りたいくらいだった。もちろん本の挿絵もやっていて、《ドン・キホーテ》(←これを観た時には亜人の分身(IBM)を思い出してしまった、風車が「×」で表現されているのもよかった)や、《不思議の国のアリス》(←アリスは縄跳びをする少女として各絵にテーマ的に描きこまれている)も良かったが、一番だったのは、日本語版発売の噂もあるレシピ本『ガラの晩餐(Les Diners de Gala)』の挿絵が12枚一挙に観られたこと。これはずっと観ていても飽きないわ。評価点は5点満点の4点。大回顧展というからには、ジュエリーでなく絵画で「やわらかい時計」や「宇宙像」が見たかったので。

 この後、バス移動で(岡崎→三条高倉は歩けない距離では全然ないんだけど、暑くてダリ〜んだもん)京都文化博物館の「ダリ版画展 −もうひとつの顔−」 へ。ダリは版画もやってます、なんと1500点以上も作品が残ってるんだとか。なんて多作なアイティストなんざんしょ。館内入ると、なんといきなりダンテの『神曲』の挿絵が100点続きます。神曲読んだことないのでキツイわー。ここでは「貪欲の罪」、「黄金時代」、「浄められたダンテ」「ダンテ」「神の中にダンテの追放を見るカッチャグイダ」、「神の計りがたさ」、「マリアを賛美する」、「マリアを讃える聖ベルナールの祈り」が良かったかな。『15の版画集』ではゴッホ、レンブラントやシャガールなど著名な画家のポートレートが並ぶ。ダリ自信はベラスケスになぞらえたポートレートになっている。他は『毛皮を着たヴィーナス』や『トリスタンとイズー』の挿絵が続き、その後は旧約聖書の『雅歌』を版画に表した作品が並ぶ。実は旧約聖書に雅歌というものがあることをこの場で知りました。万葉集の歌のようにも見えますな。興味深い。さらに、『シュルレアリスムの思い出』の版画が続きますが、ここはフォトリトグラフの作品が多く、結構好きな作品がありました。顔がバラの《シュルレアリスムの花嫁》、妻ガラの肖像が描きこまれた《ウルトラ・シュルレアリスム的微粒子のガルツカ》、ここで見られましたよ《天空の象》、《シュルレアリスム的時間の目》が良かったです。他にもバルトロメオ・ヴェネト《フローラ》を下敷きにした《蟻に囲まれたダリのシュルレアリスム的肖像》や、ジョルジュ・ド・ラ・トゥール《生誕》を下敷きにした《シュルレアリスム的時計への思いやり》(←ここでやわらかい時計も登場)が良かったです。『パンタグリュエルの滑稽な夢』の版画は2つとも面白かったです。『不死のための10の処方』では《リスのホログラフィーによって復活した人間》が良かったかな。あとは日本の民話の挿絵もやってたのは驚きましたな。「湖山が長者」なんて話、スウェーデンの誰が見つけてきたんでしょ?
 この展示会、版画以外に彫像等が6点展示されてます。『不死のための10の処方』のメタクリル樹脂のごっつい装丁にも驚きましたが、《ニュートンに捧ぐ》、《記憶の持続》、ダリ展のよりここの小さい方が好きですな《引き出しを持つミロのヴィーナス》、象ではなく《天空の犀》とほとんどどれも良かったです。それと、『15の版画集』で各画家のポートレートが展示されている所に、ダリが思う画家の評価点の表も展示されていて、こちらも面白かったです。やっぱレンブラントにラブなんですね。評価点は5点満点の4点。前半の木口木版がしんどかったので。

 もうしばらく、ダリはいいです。

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