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zoom RSS 「田嶋悦子展 Records of Clay and Glass」を観てきた。

<<   作成日時 : 2017/06/25 19:12   >>

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 昨日、西宮市大谷記念美術館で「田嶋悦子展 Records of Clay and Glass」を観てきた。昨日は14時からアーティストトークがあったので、これも観てきた。
 料金が500円だったので、もしやと思ったが、展示作品数は少なかった。いや、初期のインスタレーションの復刻《HIP ISLAND》など大物の展示が多かったので、部品点数(《HIP ISLAND》で部品点数400超、《RECORDS》で120個体)からすると相当な数かもしれない。
 田嶋悦子氏は大阪芸術大学の出身で今も同大学で教鞭をとっているそう。高校生の時に、大芸大に見学に行って、女学生がろくろでひいた壺のようなものを床に叩きつけて見事に割っているのを見て、陶芸を専攻しようと決めたらしい。卒業制作は、自らの股を開いた脚の様を石膏型に取って、年齢と同じ22体の焼き物にして、センセーションを呼んだそうだが、1980年代の大阪アートは、大きいもの、色彩の鮮やかもの(要はデカくて派手ってことか?)が好まれて制作されたらしい。《HIP ISLAND》はその頃、「アート・ナウ」に出品されたインスタレーション作品の一部。岐阜県現代陶芸美術館に保管されていたものに、田嶋家の倉庫に眠っていたものを足して組み立てた田嶋氏曰く「抽象形態のあっけらかんとした作品」。艶やかに輝く黒や金の配色が印象的で(この輝きが焼き物の釉薬の成せる業らしい)私はこれを見て赤坂不二夫の漫画みたいだと思った。同じ部屋には2013年制作の《FLOWERS》。床からつま先立ちで立っているような花々はどうやって立っているのかと思ったら、三輪一組で三本足で立っているのだった。鮮やかな黄色ベースの焼き物に上方に細く長く柔らかく引き伸ばしたガラス管が立ち上がる様が面白い。アーティストトークの質疑応答で、同室に新旧2作品が並ぶ展示について訊かれていたが、田嶋氏曰く「今も昔も思いは変わらないなぁ」とのこと。確かに2作品並んでての違和感はない。この2作品が1階の展示で、他は2階。2階でまずお目にかかるのが、《CORNUCOPIA》シリーズ。釉薬の色鮮やかな大型作品の後、釉薬を付けない白い土の素材感が出た作品《SANCTUARY》(家紋みたいなデザインだった)を生み出したが、色合いが地味。そこに高校で美術の非常勤講師をしていた際に、ステンドグラスを砕いて型に入れて鋳造ガラスを作る方法を知り、釉薬を使わない焼き物の面と鋳造ガラスのマット質の面がマッチした《CORNUCOPIA》が生まれたらしい。《CORNUCOPIA 97-T》の桃色のめしべのようなガラス部分や《CORNUCOPIA 00-]》の緑色の部分が抑え気味の色合いが綺麗で、上品な和菓子を連想した。焼き物の部分に比べてガラスの部分の方が重いため、バランスのとり方が難しいらしい。大きな作品もあるが、基本、田嶋夫妻で抱え上げることができる重さ・大きさが1部品の最大サイズらしい。焼き物や鋳造ガラスは自宅の電気炉で焼くようだが、透明なガラス部品は他での制作を依頼している模様。《FLOWERS》のガラス部分や、《RECORDS》の板ガラス部品がそれに当たるらしい。
 新作《RECORDS》では、場の空気を一変できたら、忘れられない感動と記憶を刻めたら、という意図があるようだが、他の作品と比べて鮮やかだ。展示室に入った瞬間”わぁ〜っ”て声が上がる感じ。ワクワクする。よく似た形状のものが3行5列ずつ整列して8台のテーブルに載っている。なんかサワサワと風で葉っぱがこすれる音が聞こえてきそうだ。まっすぐに立つレモン型の板ガラスを真ん中に付けた双葉のような形の焼き物の連続。双葉の部分には、アジサイの葉を1枚1枚ローラーで押し付けてあるので、葉脈もクッキリ見える。展示が終わったら1個買って帰りたいくらいの品質。1つ1つ手ひねりで制作したもので型は使っていないそう。本展の提案を受けた後、2年がかりで1つ1つ作ったというから驚きだ。焼き物は焼きあがるまで出来上がりがわからず、時間もかかるし、田嶋氏によると「コツコツやることが大事」なのはよくわかる。今回は作業台より少し低いぐらいの高さのテーブルに整列させたが、次は床置きなど、いろいろな展示をやってみたいそうだ。それを聞いたら、去年芦屋で観た河口龍夫 《杖までの距離》を思い出した。部品の1つ1つのクオリティは《RECORDS》の方が高そうだが。また、どこかで《RECORDS》の新しい形態の展示を見てみたい。
 評価点は5点満点の4点。新作が観られたのはありがたいが、できればもっといろいろ見たかった。
 
 「田嶋悦子展」と同時開催の「生誕120年 伊藤慶之助展」も観てきました。この人は全然知りませんでした。《ノルマンディーの礼拝堂》、《窓》、《二人のアイヌの娘》、《靴下をはく女》、《巴里の娘》が気に入りました。評価点は5点満点の3点です。

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