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zoom RSS 開館40周年記念展 「トラベラー:まだ見ぬ地を踏むために」展覧会を観てきた。

<<   作成日時 : 2018/05/04 01:44   >>

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 5月1日、もうあと5日で期間終了ってタイミングで中之島の国立国際美術館へ、開館40周年記念展 「トラベラー:まだ見ぬ地を踏むために」展覧会を観に行ってきました。この日は14時から地下一階の講堂でオーストラリアからお見えになった、弁護士にしてキュレーターのアラナ・クシュニール氏(オレンジ色の唇がいっぱいプリントされた白地の半袖ブラウスを着た妙齢の女性、初来日とのことで夫ショウ氏を同伴してご来場)の講演もあり、これも聴いてきました。

 アラナ・クシュニール氏の講演タイトルは「An Unknown Presence: The Law in Performance Art」。1回こっきり、1公演期間中のみ、一期一会、みたいな観覧者とアーティストがその場で生み出してその場で消費(鑑賞)されておしまい、みたいなパフォーマンスアートの権利をどうやって守るのか、というお話でした。例えばユーゴスラビア出身のマリーナ・アブラモヴィッチの場合、自身を有名にしたパフォーマンス「Lips of Thomas(1975)」が勝手に多方面で引用・借用されていることに抗議して2005年に「Lips of Thomas(2005)」再演しています。著作権法はパフォーマンス自体は非対象で、それを撮影した映像や写真も撮った写真家の方に権利があるのだそうです。また、マイクロソフト社はキネクトを使ってシステムに対し命令を発する特定のジェスチャーを特許法で守っており、逆言えば、パフォーマンス内にそのジェスチャーが入っていると特許に抵触する、という考え方もあるとかで、とにかくパフォーマンスアートのオリジナリティを保つ法律っていうのが整備されていないんだなぁ、と思いました。ただ、YouTuberの跋扈する現在は、自前のパフォーマンスも自身で撮影してネット上にエビデンスとして残っているので、マネしてもすぐ観覧者にチェックされるし、昔よりはいい時代になった気はしますけどね。
 
 さて展示の方ですが、ロバート・ラウシェンバーグの《至点》も整理券取って、ちゃんとカラフルな自動ドアを体験して来ましたが、一番面白かったのはカリン・ザンダー《見せる:国立国際美術館のコレクションを巡るオーディオ・ツアー》(2018)ですかね。知ってるアーティストも何人も参加していて、各々の個性が良く出ていたと思います。しかし、みんながヘッドフォンして白い壁に対峙する様ははたから見ていても面白いです。私は Tony Cragg、Jim Dine、O JUN、Eewin Wurm、張大力、やなぎみわ、荒木悠、棚田康司、塩見允枝子、あたりが楽しめました。
オーディオ・ツアー参加作家はこちら↓のURLで確認できます。
http://nmao40.com/files/file/artistList.pdf

 絵画や写真では米田知子の住居のヒーターから出る暖気によるシミや壁紙のめくれを記録した《熱》や《壁紙》のシリーズ、大竹伸朗の壁紙を剥がした壁みたいに見える《時憶》シリーズ、畠山直哉の渋谷の排水用の地下トンネルを撮影した《アンダーグラウンド》シリーズが良かったです。シアスター・ゲイツのタールペインティングを観ていたら松谷武判を思い出しました。
 映像やインスタレーションでは、笹本晃の《Yield Point(降伏点)》(メーカー勤務の人間としてはオートグラフによる試験にしか見えないけど)、関川航平《あの(独奏)》(彼の見る風景がこちらからも見えるようでよかった)、マリーナ・アブラモヴィッチに影響を受けた塩田千春の《トライ アンド ゴーホーム》、《私の死はまだ見たことがない》、テリーサ・ハバード/アレクサンダー・ビルヒラーの《フローラ》(表裏で音声は共有し映像は異なるのが面白い)が良かったです。
 アラナ・クシュニール氏の講演でも紹介されていたアーティスト達からは、J・チュンとQ・タケキ・マエダの共作から《scrapbook》、ヴィト・アコンチのパフォーマンスの記録(特に《苗床》が面白い)、学芸員に扮したパフォーマーが一定期間おきに突然唄い出すティノ・セーガルの《これはプロパガンダ》(その日の晩はこれが耳についちゃって脳内ヘビロテ状態だったわ)、マリーナ・アブラモヴィッチの《アートは美しくなければならない、アーティストは美しくなければならない》(彼女が美人だから様になるのよね)、が良かったです。

 評価点は5点満点の4点。いろんな日時に別々に行われるパフォーマンスや参加型作品や講演やらを全部見たかったら、何回来なきゃいけないんですか! というところがちょっと。

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