映画「PLAN75」を観て来た。

 昨日はMovixあまがさきで映画「PLAN75」を観て来た。倍賞千恵子の主演映画を映画館で観るのは多分初めて。オープニングの高齢者を襲った若者がその猟銃で自殺するシーンって要るかしら? それだったら、せっかく長編映画化したんだし、大勢の高齢者と若者がデモで街頭で衝突しているシーンを撮るなり、もっと社会が高齢者への社会負担で殺伐としている感じを出したらいいのに、高齢者を襲う事件が頻発してPLAN75法案が可決したなんて、動機付けが弱い。最近一人で自殺できなくて公共機関で無関係の人々を道連れにする事件が起きているけど、そんな若者に手を差し伸べる法律なんて1つも起案も成立もしてないじゃん。PLAN75の動機付けなんてナレ死みたいにニュースアナウンサーに語らせたら済んじゃうじゃん。ってことでオープニングでちょっと盛り下がったのよね。
 倍賞千恵子演じる角谷ミチはホテルの清掃係。同僚の女性高齢者4名で仕事上がりはつるんでいる模様。そこにもそっとPLAN75が忍び込んでくる。磯村勇斗が演じる岡部ヒロムは市役所のPLAN75申請の受付係。なのに、公園のベンチにホームレスのヒトが寝られないようにベンチの真ん中に付ける手すりのデザインを決める係もしている。公園や緑地の管理とPLAN75のような福祉制度の係は別の課のような気がするが、何かの効果を狙ってか、岡部ヒロムにやらせている。オープニングに続いてこれも謎のシーンの1つ。河合優実が演じる成宮瑶子はPLAN75に申し込んだ高齢者に措置が施されるまでの期間、対象者からの問い合わせや1日15分以内で対象者のお話しに付き合うコールセンターの係。対象者の不安を取り払い「やっぱ死ぬの止める」と言い出さないように導くのが役目だ。コールセンターの係は対象者に直接会ってはならない、との決まりを破ってミチと会ってしまい、心が揺れる。ヒロムも20年以上生き別れていた叔父がPLAN75の申し込みに来たことで心が揺れる。その結果瑶子は行動しないが、ヒロムは行動してしまう。対象者と血がつながっているかどうかの差かしらね。
 さて、この未来版「楢山節考」、システマティックでよくできている。対象者の身に着けていた身の回りの物や貴金属などの処分シーン(ステファニー・アリアンと串田和美が好演)観てたらアウシュビッツを連想しちゃったわ。ステファニー・アリアンが演じるマリアは本国(多分フィリピン)の子どもの心臓病治療費を稼ぐために、PLAN75の措置院に勤務し、やはり心が揺れて、ヒロムの行動に手を貸す。
 映画を観ていると、こちらにとっての過去の年代を生きるヒロムや瑶子やマリアよりも、こちらの近い将来(映画のニュースでは65歳まで前倒しする予定って言ってたしな)を生きるミチや稲子やヒロムの叔父(たかお鷹)の方に肩入れしてしまう。だからこの映画、観てると怖い。さて、私が75歳になる頃にはせめて安楽死の選択権ぐらいは手にすることができるでしょうかね?
 評価点は5点満点の3点。コンセプトは面白いし、倍賞千恵子は好演してるけど、もうひと工夫欲しかったわ。

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