映画「ルパン三世 THE FIRST」を観て来た

 昨日、天皇杯サッカーの準決勝、ヴィッセル神戸VS清水エスパルス戦(3-1で神戸が勝って新国立で鹿島アントラーズと元日決戦へ。ビジャがでてなかったのが残念だったが)をノエスタで観た後、腹減ったのでHAT神戸に寄って、晩飯食いがてら、109シネマズHAT神戸で映画「ルパン三世 THE FIRST」を観て来た。私はスターウォーズが観たかったんだが、現在サンテレビで再放送中の ルパン三世 PART4に夢中のカミさんに負けて、「ルパン三世 THE FIRST」を観ることになった。しっかし、土曜の晩なのに、ブルメールHAT神戸はガラガラだね。大丈夫かしら。なんかかつてのMOVIX六甲を思い出しちゃったよ。カミさんは、ババ混みの西宮ガーデンズより、ガラ空きのこっちがお気に召したみたいだが。そういえば、MOVIX六甲も好んで来てたな、カミさん。
 さて、私がルパンを避けてた理由は、3Dアニメ。なんか気味悪いのよね。まぁ、アメリカンなアニメ見ると割り切って観ることにした。声優陣はヒロインのレティシアに広瀬すず、レティシアの養祖父ランベール博士に吉田鋼太郎、ランベールの仲間というか雇い主ゲラルトに藤原竜也という豪華なゲスト。レギュラー陣はこないだ井上真樹夫さんが亡くなったばかりだけど、石川五右衛門には浪川大輔、次元大介に小林清志、峰不二子に沢城みゆき、ルパン三世は栗田貫一、銭形警部に山寺宏一、といういつものメンバー。監督は映画「海賊と呼ばれた男」の山崎貴。
 第二次世界大戦中の“ブレッソンダイアリー”の争奪戦から始まって、その時の遺児である赤ちゃんだったヒロインが高校生くらいに成長したところから本格化するんだけど、まぁ、最初は広瀬すずの下手さというか初々しさ(いまさら?)が耳についたり、ルパンの口元と声がなんか一致しなくて、気になったりして、不気味の谷に落ちた気がして困ってたんだけど、そのうち慣れちゃって(慣れって怖いわ)、レティシアとルパンがゲラルトの飛行艇に乗り込む頃にはすっかり3Dアニメでもいいかも、と思えてきたんだけど、銭形の「ルパーン!」って叫んでる時の顔だけはどうも気持ち悪くて慣れんかったわ。逆に言うと、レティシア・ランベール・ゲラルトの3人は3Dしか無いから違和感無いんだけど、レギュラーメンバーは2Dのイメージの積み重ねがあってなかなか慣れないのよね。
 さて、3Dになってもストーリー展開は2Dの頃と全然変わらないので、ルパンが飛行艇から落ちて不二子の複葉機の上の羽根に取りついても違和感無いんだけど、さすがにレティシアまで同じように振舞えるってのはもうギャグだわ。いいんだけど、ルパンだし。その辺の気遣いに欠けてるところがやっぱ「カリオストロの城」には劣るとこなのよね。エンディングに銭形ズに敬礼させるとこなんか、意識してるんだろうけど。PART4のレベッカ・ロッセリーニともPART5のアミ・エナンとも異なるヒロインなんだけど、なんとなくもう、ルパンを活かすにはこんな小娘と絡ませるしかないのかしらん? ヒロインを出すなら、とうとうルパンが峰不二子以外のオンナに惚れたか?ぐらいのいいオンナ出して、峰不二子に焼餅焼かせるようなストーリーを期待したいですわん。
 まぁ、エクリプスの生み出すマイクロダークホールのシーンはなんか、ラピュタっぽかったし、このシーンを作りたいがためだけに3Dにしたのかしらん?とか思いながら観てたけど、3D化はモンキーパンチ氏の希望だったみたいね。まぁ、3Dになろうが2Dだろうが、ルパン三世のテイストが今回みたいに維持されていれば、どっちでもいいけど、次も3Dでやるなら、桟橋でレティシアがルパンの方にちょっと横に一歩動く演技より、表情の違和感をなんとかしてほしいです。
 評価点は5点満点の3点。普通に面白かったけど、先が読め過ぎるとつまんないよ~。もう少し見る人の対象年齢を上げてください。

SIRUP「channel 01」を観て来た。

 一昨日12月12日にZeppなんば大阪で行われたSIRUP初のZeppワンマンライブ「channel 01」を観に行ってきた。初のワンマンだって聞いて7月にチケット購入した時は完全に1人で演るんだと思ってた。そしたらすごいゲストの数。会場入ってみたら(知らん間にドリンクが600円に値上げしてて驚いたワ)YonYonがDJ演ってて選曲がなかなか良い。(後で apple.co/36DA97Z でしっかり復習した)
 ライブはいきなりテンション高くスタート! ゲストはまずBIMが登場。551の豚まん食べてたら、「Slow dance」のイントロがかかってるのに気が付いて上着も脱がずに慌てて出て来たって言ってた。次がYonYonで、寒空の下渋谷のカフェで屋外の席で二人ミーティングして書いたという「Mirror」。最後に彼女が放った「最高ダゼ!」がその後耳に残って離れないってSIRUPが言ってた。そいで TENDRE 登場で「LOOP」、カッコ良かったね。その後、SIRUPがWebの告知に大阪だけ and more ってちっちゃく書いてたの気が付いた? って言ってガキの頃SIRUPの通学路で遊んでたという WILYWNKA が登場して「STAY」、これも中々良かった。その後、SIRUP自身も属するSoulflex の皆さんと掛け合いやって(12/18の梅田Shangri-laでの『Free Ya Mind』も行きたかったな)、最後は showmore の根津まなみに井上・SIRUPがまとめて怒られる、という展開。「now」もリキ入っててなかなか良かったです。
 SIRUPによれば「channel 01」はただのワンマンではなく波長(channel)の合う仲間を呼んで観客も巻き込んで一緒に遊ぶお祭りなんだそうだ。評価点は5点満点の5点。来年もまたやりたいって言ってたから来年も「channel 02?」にぜひ遊びに行きたいと思う。今年から始まった韻シストの『OSAKA GOOD VIBES』といい、この「channel 01」といい、大阪に楽しい「お祭り」が増えると嬉しいわ。すでに来年の『OSAKA GOOD VIBES 2020』にはSIRUPの出演が決定。こちらも楽しみ。

【GOOD DESIGN TALK】グッドデザイン連続講座「コミュニティを育むモビリティのデザイン」「「共振する力」で人を動かすデザイン」を聴いてきた

 11月22日から12月8日までグッドデザイン神戸展2019がデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)でやっていて、今回毎日のように何かの講演等のイベントがやっていたので、そのうちの【GOOD DESIGN TALK】グッドデザイン連続講座の中の2つに行ってきた。

1個目は11/23(土)14:00-15:30「コミュニティを育むモビリティのデザイン」。
 「今年度の「グッドデザイン・ベスト100」では、喫緊の社会課題の一つとして「モビリティ」(人やものの移動とそのための手法)の取り組みが目立ちました。これからの都市においてどのような移動の可能性があって、それらはコミュニティにどのような恩恵をもたらすのでしょうか。モビリティジャーナリストとして国内外の交通事例に詳しい森口将之氏(審査委員/モビリティジャーナリスト、株式会社モビリシティ(http://www.mobilicity.co.jp/)代表取締役)と、グッドフォーカス賞[新ビジネスデザイン]を受賞したデマンド型交通「チョイソコ」プロジェクトリーダーの加藤博巳氏(アイシン精機株式会社イノベーションセンター部長)にお話をうかがいます。」ということで聴きに行ってきた。
 森口氏はヘルシンキのMaasの先進事例「Whim」(公共交通機関のサブスクリプション化を10年がかりで実現)や、八戸市に乗り入れる3社のバス会社の路線を顧客目線で整合した事例や、多摩プラーザの超小型モビリティによるオンデマンドバス、トヨタとソフトバンクが作ったMaaSの新会社「MONET」のAIオンデマンドバス、京丹後市で展開するUberの事例、富山市のおでかけ定期券、道の駅「ソレーネ周南」を基点にヤマト運輸の宅急便の往きは配達で帰りが農産物の集荷と農家の住民の見守りを行うシステム、などを紹介した。
 加藤氏の所属するイノベーションセンターは70名の陣容で9割がエンジニア、部長だけが営業マンだそうで、豊明市でコミュニティバスを止めてオンデマンド型の「チョイソコ」を使ってもらっている。高齢者の外出機会の創出に効果を上げており、バスやタクシー等既存の交通機関ともうまく棲み分けができているそう(バスはチョイソコのおかげで赤字路線を整理でき、チョイソコは9~16時(アイシンの勤務時間しか営業しない)しか動かないため、出かけるのはチョイソコでも帰りはタクシーを使うなど)。公立はこだて未来大学の未来シェアやMONETとの違いは面倒見の良さ。外出機会創出のため、自治体主催の麻雀大会を企画したり、高齢者の情報に強いスギ薬局と組んだりと、独自性が見て取れる。サービス施行後も2か月に1回、チョイソコ会員と懇談会を開き、意見聴取を欠かさないとのこと。

2個目は12/7(土)14:00-15:30 「共振する力」で人を動かすデザイン」。
 「まるで身にまとうかのように人の感覚にはたらきかけ、感動をもたらす。そんな新たなテクノロジーとデザインの相関について、先駆的な視点でファッションの可能性を切り拓く、デザイナーで審査委員の廣川玉枝氏と、グッドデザイン金賞を受賞した、音を身体で感じるインターフェイス「Ontenna」プロジェクトリーダーの本多達也氏(富士通株式会社Ontennaプロジェクトリーダー)のトークを聴きに行ってきた。
 すいません、廣川玉枝さんてかなり活躍されているデザイナーなんですね、全然知りませんでした。ハハハ。Ontennaも2016年の特別賞受賞の時はノーマークでした。本多氏は大学1年の時に学祭の露店でクレープを売ってたら、ろう者のお客に出会って、それがはこだて未来大の教授で、そこから手話を学びながら、何かできないか考え続けて出来たモノがOntennaだそうで、大学院で最初にキヤノンに入社してOntennaやりたいって言ったら、ウチじゃむりっていうことで富士通の偉い人を紹介されて、富士通に転職、3年がかりで製品化に漕ぎつけた、という8ねんがかりの執念が実を結んだ製品。爽やかな外見や語り口からは想像もつかないガッツを感じますわ。廣川氏が跡見学園の制服の85年振りの更新を請け負った時の話で、「環境」がデザインを決めている、変化を嫌う「伝統の圧力」と環境の変化のせめぎ合いの話が面白かったです。あとはプレゼン2分、質疑応答1分のグッドデザイン賞の対面審査ってどんなんか見てみたいと思いましたね。

どうやら、現在の良いデザインとはインクルーシブデザインの観点に立った製品とかサービスってことなんでしょうね。チョイソコも高齢者の使い勝手(スマホだけでなく、普通の電話予約も可)を重視しているし、一方でOntennaはスポーツ観戦や4D映画の鑑賞、ゲームなど、健常者も身障者も一緒になって、触覚を使った新しいライブ体験が簡単にできるツールとして提供しようとしているし、きっと身体や感覚の拡張を促すツールやサービスが求められているんでしょう。ただ、キーとなるのは国の助成金に頼らずとも売れ続ける商品、持続可能なサービスの域までブラッシュアップできるかどうかで、ここが突出した普遍性を製品・サービスに持たせることなのか、きめ細やかにユーザーの思いをくみ取る仕組みなのか、いろいろ思案のしどころみたいですね。もちろん、持ってて使っててカッコいいことも重要ですよ。
ま、どちらも面白かったです。

矢野顕子 さとがえるコンサート 2019 を観て来た

 12月2日(月)サンケイホールブリーゼ で19:00開演の公演を観て来た。今年も無事大阪で矢野顕子 さとがえるコンサートが見られて良かったよ。バンドメンバーは「Abbey Road」のGeorge Harrisonっぽい衣装で決めてきましたとおっしゃる小原礼(Ba)、昨日まで山下達郎のツアーから駆け付けた佐橋佳幸(Gt)、TIN PAN とのツアーから引き続いての林立夫(Ds)の3名。はっきり言って、TIN PAN よりこっちのメンバーの方が好き。TIN PAN が悪いってわけじゃないのよ。今年、六本木ヒルズまで細野観光してきたし。矢野顕子にはこっちの方が合ってるんじゃないかなって思っているだけ。
 さて、オープニングはピンク色の、中国の王様にかしづいている女性のような姫様のような衣装で矢野顕子登場して「電話線」から。いい感じで入ってそのまま「東京は夜の7時」へ。この後、MCが入って「welcome to Jupyter」。そうか、木星から来た姫だったか。その後「クリームシチュー」、新曲「愛を告げる小鳥」、「春咲小紅」と糸井重里作詞の曲が続く。やっぱ渋谷PARCOでやってる展覧会「アッコちゃんとイトイ。」の影響かしら。12月8日で閉じた後、全国を巡回するって言ってたけど、大阪はやっぱ茶屋町のLOFTあたりでやるのかしらん?前半のシメは奥田民生作詞の「素晴らしき日々」。やっぱ次が休憩ってことで演奏にリキ入ってて大変良かったです。
 20分の休憩の後は、矢野顕子はローズピンクのぶかっとした服にピッチピチのスパッツで登場。もっとふくよかなイメージだったのに、意外にスマート。後半1曲目はピアノソロで原曲とは全然違う雰囲気で松崎ナオの「川ベリの家」でスタート。これはなかなか良かったです。
 そして今年も「さとがえる」はゲストを呼んでます。今年、大阪は田島貴男。ピチカート・ファイヴの時から知ってるんだけど、ナマで彼を観るのは初めて。やっぱ濃い~わ。お互いの出逢いを語った後、矢野・貴男で「気球にのって」。男女デュオでこれ聴くとヤノカミのレイ・ハラカミのことを思い出してしまうちょっとつらいワ。その後はオリジナル・ラヴの「のすたるぢや」を演った。濃い~のは苦手じゃ。
 田島貴男が引っ込んだ後は「DAVID」。この曲は私の一番好きな曲。アンケートでもいつも演って欲しい曲に書いているくらい。なので、すっかり気分も直りました~~。その後は再び糸井重里作詞「SUPER FOLK SONG」を演って(ここで、矢野顕子のライブでは珍しく「ハッピーエンドにしてください」と「ハッピーエンドにしておくれ」のかけ合いを観客に参加させるという珍しい演出。他にどの曲ならできるんだろ?)、今年も達郎がワタシに書いたと言ってはばからない「PAPER DOLL」、そして「GREENFIELDS」。この3曲は矢野バンド、むっちゃリキ入ってて、もう歌い終わったら矢野顕子ヘロヘロ。ここで「ごはんができたよ」で一息付いて、本編最後の「ひとつだけ」に入ったんだけど、しんどそう。なんとか本編を終えました。ちょっとアンコールの拍手どうしよっかと思ったんだけど、大阪のお客さんは容赦ないです。きっちりテンポの揃った大音響のアンコールの拍手がサンケイホールブリーゼに鳴り響きます。若い客が多いライブに行くと、この時間皆スマホ覗いたりして、全然アンコールの拍手がそろわなくてパラパラで、こんな拍手でよくアーティストの方も出てくるよなぁ、って呆れることもあるんだけど、やっぱ40代以上が中心の矢野顕子ファンは違います。頑強な拍手。全然乱れません。これだと歌えなくても挨拶ぐらいしないと、アーティストも帰れません。
 アンコールは矢野顕子、再び田島貴男を引き連れて二人で登場。オリジナル・ラヴの「朝日があたる道」を演ってくれました。こっちはなかなか良かったです。最後は矢野バンド勢揃いで「ラーメンたべたい」。大団円での終了となりました。
 ちょっと疲れも見えたし、田島貴男は濃いかったけど、やっぱ古い曲中心の構成が私のハートわしづかみ、ということで評価点は5点満点の5点。小原礼(Ba)・佐橋佳幸(Gt)・林立夫(Ds)の構成は、50代のころのMarc Ribot (Gt)・Jay Bellerose (Ds)・Jennifer Condos (Ba)、に負けない60代の矢野顕子を上手く引き出せていたんじゃないでしょうかね。来年もこのバンドでお願いします。

bird ” 20th Anniversary Best ” Live ! を観て来た。

 11/11の独身の日に、ビルボードライブ大阪で「bird ” 20th Anniversary Best ” Live ! 」を観て来た。観たのは18:30開演の回。今回のライブは 1st(18:30の回)と2nd(21:00の回)でだいぶセトリが異なるらしい。とはいえ、2回続けて観る時間もお金もありません、残念。
 なんと、自称 bird ファンのくせに、彼女のライブを観るのは2007年12月の心斎橋クラブクアトロでのJUJUとの2本立てのライブで観て以来なので、なんと、12年振り。昔はもっと観てたんだが、なんと12年もご無沙汰だったとわね。今回もデビュー20年と銘打ってなければ行ったかどうか怪しい。なかなか財布の中身がbirdまで回らない。とはいえ、AppleMusicでアルバム「波形」も「bird ” 20th Anniversary Best ” 」もちゃんと聴いておりまする。
 で、久々に行ってみると、1曲目が“SOULS”! いやぁ、知ってる曲で良かったよ。すんなりbirdの世界に没入。2曲目が聞いたことあるけど、落ち着いたテンポの曲名がわかんない曲で、今夜は曲をいっぱいやるからこれが本編最後のMCよ、って断った後の3曲目が”空の瞳”。もうこれでテンションMAX。この後、“雨の優しさを”やら“髪をほどいて”やら“ファーストブレス”やら演ってくれるんだけど、どの曲も懐かしくて、どれも良かったです。ただ、2007年と違うのはハイトーンの声出すときの眉間の皺と首の筋が深くなったことかしら。あんまり前の席取らん方がよかったかなwwww。バンド・メンバーは、ゲンタ(ドラムス、スゴかったけど、なんかタコが踊っとるように見えました~。)、澤田浩史(ベース、なんかえーかっこしぃな感じ。)、樋口直彦(ギター、なかなかやね。)、渡辺貴浩(キーボード、こちらもなかなか。)、Meg(バックグランド・ヴォーカル、よかったです。)、Hanah Spring(バックグランド・ヴォーカル、このヒトむっちゃ良かったね、帰ってすぐAppleMusicでオリジナルのアルバム聞きました。)の6人。アンコールの今まで2回ぐらいしかライブで唄ったことがないという”約束”まで全部楽しめました。
 ビルボードライブ大阪のセットグルメプランの牛タンの赤ワイン煮込みやら椎茸とゴルゴンゾーラの天ぷらも美味しかったし、音楽も料理も堪能できて、むっちゃ幸せな2時間弱でしたわ。ただできれば”ハイビスカス”も聴きたかったなっと。でもまたbirdのライブがあったら今度は12年も間あけずに行きます。だって、30周年は自信ないって言ってたし。評価点は5点満点の5点で。

映画「ターミネーター:ニュー・フェイト」を観て来た。

 今日は西宮ガーデンズで映画「ターミネーター:ニュー・フェイト(Terminator: Dark Fate)」を観て来た。映画館でターミネーターを観るのは2009年の4作目「Terminator Salvation」以来(5作目は観てない)。「ターミネーター:ニュー・フェイト」は製作総指揮がジェームズ・キャメロン、監督はティム・ミラーで、かつてジェームズ・キャメロンが監督した「ターミネーター2(Terminator 2: Judgment Day)」の正統な続編ということらしい。3~5作目はジョン・コナー3部作ってことで別シリーズ扱いになるのかしら。4作目は1作目と結構リンクしてて面白かったんですけど。
 で、T2の正統な続編という本作ですが、出だしから、バトルモード全開ですな。メキシコシティに現れたマッケンジー・デイヴィスが演じる機能拡張された(augmented)人間の女性兵士グレースが警官をノックアウトする場面が速すぎて目が付いていかなかったよ。ぉぉ、この勢いで来るのか~ってんで、次のバトルシーンからはちゃんと置いていかれないように観てたけど。次は自動車工場に ガブリエル・ルナ演じる最新型ターミネーター「REV-9」が現れて、ナタリア・レイエス演じるダニー・ラモスをさらいに来る場面。REV-9をプレス機で圧し潰すところは1作目の復習かしら。工場から車で逃げるラモス姉弟とグレースをREV-9が大型の前にブレードの付いた車で追いかけてくるところは2作目の復習。強化人間のグレースがクスリが切れちゃうと動けなくなっちゃうところが彼女は人間なんですよ、っていうエクスキューズになっているところがまたいい。そしていよいよ動けなくなったところでサラ・コナー登場! なんか、いよっ待ってました真打ち登場!って感じでしたな。老けてもやっぱ、リンダ・ハミルトンのサラ・コナーはカッコいいわ。その後、サラ・グレース・ダニーのチーム結成。なんと3世代のオンナばっかりのチーム。なんか時代の流れを感じますな。T2の後、20世紀の内に本作が企画されていれば、こういうチームにはならなかったような気がします。3人はなんとか越境してアメリカ入りするも、国境警備隊に捕まり、ここでもREV-9の魔の手が。ヘリで逃げるところはT2の影響?この映画、エドワード・ファーロングのT2時代のジョン・コナーの姿をCGで作って登場させ、映画の冒頭、あっさりT-800に殺されます(第3~5作を切り離すにはいい効果だったね)。3人が越境までして支援を求めた先にいたのが、シュワちゃん演じるカーテン屋のカールこと先のT-800。こっから先はT2のリバイバル~。違うのは、ジョンがいないため、T-800に情がわかないところ。グレースが任務に忠実なのは分かるけど、ターミネーター憎し・ターミネーターが居る世界を良しとせず、の心意気だけでサラとカールが同行するのは、すごいわ。普通じゃない。サラに電磁パルス兵器を譲ってくれた少佐の関係が謎だけど、そのおかげで今度は大型軍用輸送機がバトルの舞台に。おもわす「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」かよ!ってツッコミ入れてしまいましたわ。最後のダムの発電施設が決戦の地になったんだけど、エンディングもT2のジョンがダニーに入れ替わっただけの感じ。
 館内のお客さんも結構中高年ばっかりで、昔映画館でT2観た人達なんだろうな、という感じの客層。オールドファンにはいろいろ懐かしいシーン、I'll be backとかあって楽しめた(自宅の武器庫でシュワちゃんが「ここはテキサスだ」ってのたまったところは別の意味で噴いたわ)と思うけど、人間模様が単純でストーリーに深みは全然無かったね。だって4名はREV-9抹殺という目的のために純粋に行動するチームだもん。女3人に強くて性的に安全な漢が守護神みたく付いてくるなんて、ますます今時のチーム構成。なんかゲーム的というかバーチャルというか。T2はサラのモノローグが結構効果的だった気がするけど、今回はT-800に対する感情の整理が付かないところがちょっと現れるくらいで、ダニーはやたら優秀で物分かりがいいし、発電所のシーンではもうすっかり戦士の顔になっているし。「チーム」とREV-9による連続するスピード感あふれるアクションシーンの展開は新しい若い層の集客も意識してのことなんだろうけど、REV-9はマイクロロボット的なワームの集まりに見えるけど、液体金属製のT-1000と振舞い的に大差無いように見えるし、オールドファンにしかウケない映画におさまっちゃってる気がします。そういう意味で面白かったけど、評価点は5点満点の4点。できますれば、本作がヒットして、次回作でターミネーターも人間側もアップデートされていることを期待しますわ。

映画「ジョーカー」を観て来た。

 昨日はファーストデーだったので、第79回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門で金獅子賞を受賞した「ジョーカー(原題:Joker)」を観て来た。まぁ、賞獲ってなくても私はプリンスの主題歌でジャック・ニコルソンがジョーカーやってるシリーズからほとんど(「バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲」、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」以降は観てない)映画館で観ているので、元々これも観に行くつもりだった。これまでのベストはもちろん「ダークナイト」。ヒース・レジャーのジョーカー以上のジョーカーは今後も出てこないと思っている。
 そんな私が観て来たこの映画の感想は、誰かのツイートに
>嫁がジョーカーのこと「フランダースの犬のネロが最終話でブチ切れて狂人になるみたいな話」って言ってて笑った。
というのがあったけど、まさしくそのとおりかと。あんまり共感できないのよね、不幸で不運な境遇がこれでもかこれでもかと主人公に襲いかかってくる話。その結果、生まれるべくしてジョーカーが生まれたって語られてもね~
 芝居自体は良かった。古いアメリカ映画っぽく作ってあって、マレー·フランクリン役のロバート·デ·ニーロも、アーサー(ジョーカー)の母ペニー·フレック役のフランセス·コンロイも、トーマス·ウェイン役のブレット·カレンもベテランの脇役陣はいい演技だったよ。でも、主人公のジョーカー役のホアキン·フェニックスを見た時、ジョーカーっても少し若い設定だと思ってたよ、こんなオッサンだったとは!と心の中で叫んじゃったよ、脇役の年齢に釣り合わせたのか、ヒース・レジャーのジョーカーが若かっただけにこれはショックだった。共感できなかった一番の理由はこれかも。
 評価点は5点満点の3点。「ヒース・レジャーのジョーカー以上のジョーカーは今後も出てこないと思っている」を再確認しただけだったね。

ラウル・デュフィ展を観て来た

 今回の東京遠征の最後は パナソニック汐留美術館で「ラウル・デュフィ展」を観て来た。パナソニック汐留美術館に来るのは初めて。思ったより小さい。大きさは岩屋のBBプラザ美術館ぐらいじゃないかしら。でも、130点ほど展示されているから展示物が少ないことはない。狭いエリアに展示物をぎゅっと引っ付けて展示しているから巡回しやすいけど混んでたら何も見えないね、これは。面白いのは、床にスポットライト型プロジェクター「スペースプレイヤー」で、デュフィのデザインイメージを投影しているところかな。自社製品を上手く使ってる。でも、来ている人たち気付いているのかしら、あまり反応がないようだけど。それともこのぐらいの演出は当然と受け止められているのかしら?
 良かったのは《モーツァルトに捧ぐ》、《赤いバイオリン》、《黄色いコンソール》、やはり1色のベースに線画で描いていく独特の画法は興味深いです。あとは音楽が聞こえてきそうな《五重奏》、絵画がテキスタイルデザインやドレスの展示の合間にもアクセントとしてポツンポツンと展示されていて面白い。織物では緑色の《オルフェウスの行列》、《ジャングル》、《マリー・ローズ》、《アラム》、《サテンの葉》、《バイオリン》、《ダンスホール》が良かった。ドレスに仕立てたものでは《象とチーター》、《ペルシア》、《薔薇》、《様式化された花、葉飾りと果物》、《星空の花》、《アラベスク》、《うろこ》が良かったです。
 評価点は5点満点の3点。マリメッコ展を観た時ほどのときめきはなかったなと。

「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」を観て来た。

 塩田千春を観た後は、同じ券で観られる「細野観光」を満喫し、もう一度六本木ヒルズの外に出て、今度は30分待ちの表示がでている「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」の列に並んで森アーツセンターギャラリーへ行って見て来た。隣のフロアなのに面倒くさいことよ。ま、こっちも塩田千春ほどではないけど、十分に混んでたからね~。
 本展はバスキア研究の世界的権威ディーター・ブッフハート氏による日本との繋がりに重点を置いた日本独自の日本初の本格的なバスキア展(だからメイド・イン・ジャパンらしいのですが)ということで、こちらも観たかったんですわ。本展のポスターの作品はZOZOTOWNの前澤氏が購入した作品《無題》(ほとんどが無題なんで区別しづらい)。なかなかパワフルな作品。でも、ワタシがはじめてバスキアに魅入られた作品は大阪市立近代美術館の準備のために集められた《無題》(ABORIGINAL GENERATIVE、みたいな書き込みがある黄色い作品)。それからバスキアが出ている展示を気にするようになった。だからまとめて観られる本展はホントに楽しみにしていた。この大阪の作品左にはSOLAR RADIATION STREAMの書き込みがある福岡の《無題》、右には世田谷の《シー》と大作が3枚並んでいるところはなかなか壮観。ホント、日本人はバスキア好きなのね。
 ほかに気に入った《無題》は、赤鬼みたいなヤツ、亜鉛めっき鋼板に描かれてたヤツ、紺色の「胸/耳」、オレンジの「フライドチキン」、《対メディチ家》、黒い《中心人物の帰還》、《横たわるヌード》、《トーテム》、ピンク地の猿の《バレンタイン》、金色で屏風絵っぽい《387》、展示動画《ロデオ》の左下3枚の《無題》と右下2枚の《自画像》、木製の電話台みたいなハコを2段重ねた《無題》、「残酷なアステカの神々」、大作の《生魚》かな。バスキアのノートも1枚1枚壁に貼って掲示してたけど、一番気になったのは「E」を「三」で書いているところかな。あとは「ORIGIN OF COTTON」と「TAR」と王冠マーク。
 バスキアって生きてたころ、今のバンクシーみたいな感じだったかな? とか思ってたけど、今回の展示を観ると、活動は公だし、ウォーホルみたいな大物ともコラボしているし、やっぱちょっと違うかな? と思う。評価点は5点満点の5点。入場料が高いと思ったら音声ガイドがただだった。こういうのもありかも。土曜日だからか、子ども連れがいっぱい来ていて、こんなの落書きじゃん、とか壁に描いていいの? とか素直に親に訊いていて、落書きじゃん、にはお前も何か描いてみろよ、って返してるんだけど、壁に描いていいの? には家の壁にはダメよ、って返しているのが面白かった。下の絵は《炭素/酸素》
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「塩田千春展:魂がふるえる」を観て来た

 会期もあと1日で終了という昨日(10/26)に森美術館で「塩田千春展:魂がふるえる」を観て来た。人気の展覧会ということで、あさイチから事前にチケット買って並んだよ。塩田千春っていうと、ドロドロに埋まってるか、糸ぐちゃぐちゃなイメージしかなくて、面白いとは思うけど、大規模個展で会期中ずっと大人気のアーティストだとは思っていなかったよ。インスタグラムとか見ると《不確かな旅》の黒いワイヤーの船と赤い糸の大きなインスタレーションの写真があふれてて、へぇ~、時代が塩田千春に追い付いたのか、塩田千春がマルくなったのか、どっちだろうと思って、東京まで遠征してきた次第。昼過ぎには50分待ち、夕方には70分待ちになってたから、会期中にもう1回とか2回とかっていうリピーターもいるんだろうけど、ホントにすごい人気ですな。11年前の大阪の個展とはえらい違いな気がしますな。
 さてエントランスの《どこへ向かって》をくぐって入ってみるとやっぱ観たことある作品や同じようなテーマで拡張した作品が多いです。《不確かな旅》は初めて見ました。やっぱり写真とは違います。赤い糸の絡まりを観ていると吸い込まれそうになります。《皮膚からの記憶》とか過去の巨大なインスタレーションは写真のパネルや動画で展示しています。《眠りの間に》とかも生で観てみたい作品ですが。黒い糸はここでは焼けたピアノと椅子に絡まっている《静けさのなかで》、大阪の国立国際美術館にある《トラウマ/日常》のドレスが2着になった《時空の反射》、に出てきてます。こっちのAlcantaraの黒糸の方がぞわぞわするかな。額縁に納まった絵画作品では《赤いコート》、《窓の中》、《会話する》の3枚が良かった。木の窓枠を壁のように組上げて空間を仕切った《内と外》は昔の学校に来た気分になる。数多くの《行くべき場所、あるべきもの》のトランクが赤い糸に吊られて遠くに旅立っていくような展示《集積―目的地を求めて》も印象深かった。動くトランクだけ、糸が2本でトランクの中にモータが仕掛けてあるのね。何個か動かないのもあったけど。数々の作品の中で一番気に入ったのは新作の映像作品《魂について》だ。塩田が10歳のドイツの子どもたちに「魂(ゼーレ)」について質問し、それについて各自の考えを語る様子を映している。他人の魂を感じるなんて気持ち悪いとか、植物に魂があるとか無いとか、植物にとっての魂は根だとか、魂と身体があって、身体は身体が欲することだけをしようとするが、魂は善いことをしようとするとか、ひたすら10歳の子どもたちの考えの深さに驚かされたわ。黒髪の東洋人の男の子は塩田の息子かしらね。舞台芸術の方も結構時間をかけて観て回りましたよ。
 評価点は5点満点の5点。いやぁ、東京まで観に来たかいがありました。大阪出身なんだから、大阪にも巡回してくれれば東京まで来なくて済むんですが。
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「富野由悠季の世界」神戸展を観て来た。

 今日は兵庫県立美術館で「富野由悠季の世界」を観て来た。全国6か所の巡回展なのに東京・名古屋・大阪ではやらないという珍しいイベント。第1部は子供の頃の自由研究や大学の時のフォトコラージュや自分で撮った8ミリ映画やらよくもまぁ、そんなに自分の資料が残ってんなぁ、と感心するほどの展示物からスタート。第1部の立体の展示物で目を惹いたのは実物大の与圧服。潜水用じゃなく航空機用なのね。お父さんの職業の関係らしいですな。子供の頃から宇宙へのあこがれを抱いていたことはよくわかりました。
 その後は虫プロ時代のお仕事の紹介。いやぁ、富野氏が鉄腕アトムの演出やってたなんて知りませんでしたわ。手塚治虫に買われていたとか。でも虫プロは多作過ぎて、鉄腕アトムは後半外注してたとは意外。あと赤毛のアンで高畑勲に絵コンテ徹底的に直されてるのは面白かった。海のトリトンも懐かしかったけど、なんといってもこの部屋では勇者ライディーンかな。でもやり過ぎて途中で監督降ろされてるとは知らんかった。sその次はいよいよ安彦良和・大河原邦男も参加しての無敵超人ザンボット3。ロマンアルバムってこのころからあったのね。あたしゃガンダムのロマンアルバムは全部持ってるけど。
 第2部はいよいよガンダム。はっきり言って、富野氏の資料は企画資料と絵コンテばっかで、あとは安彦良和・大河原邦男・中村光毅の作品。ま、そりゃそうだ。第2部後半はイデオン。富野氏は企画には途中参加なのね。でもガンダムやってる間にイデオンやらエルガイムやら他の企画考えてるんだからすごいわ。音声ガイドには暇なんかってツッコまれてたけど。イデオンは発動篇の展示に力入れてました。ラストシーン11分もプロジェクタで上映してたし。ガンダムもファーストの第1回をまるまる上映してます。
 第3部はダイターン3とザブングル。この2本は知ってるんだけど、「OVERMAN キングゲイナー」って全然知りませんでした。ラ・セーヌの星もラスト2話を監督してたとは知りませんでしたわ。「闇夜の時代劇 正体を見る」という作品も初めて知りました。
 第4部はまずダンバイン。この作品結構好きです。その後、バイストン・ウェルものの「ガーゼィの翼」、「リーンの翼」と続き、後半はエルガイム。富野ワールド全開です。
 第5部はZ、ZZ、逆シャア、F91、V とガンダムが5作続きます。Zの企画時のタイトルは「ゼーター・ガンダム 逆襲のシャア」だったとは知りませんでした。Z、ZZ、逆シャアで1シリーズととらえるらしいです。あと私の知らない「ブレンパワード」というのが展示されてました。
 第6部は∀、G-レコ、そして私の知らない「リング・オブ・ガンダム」。富野氏の展示物の割合が多いのはこの第6部ではないですかね。企画書が初期は原稿用紙、後期はワープロやパソコンソフトで書いてるのを見ると時代の流れを感じます。しかし、企画書とイメージイラスト数枚と絵コンテでスタッフ全員にこれだけの己の世界観を皆に徹底させる力量はスゴイです。恐れ入りました。
 評価点は5点満点の4点。最後までスゴイ資料の量でまともに見たら4時間はかかるんじゃないでしょうかね。私はちょこちょこ端折って見たのに3時間かかりました。疲れました。ところで音声ガイドはあの内容で600円は高いです。不要ではないかと。

劇団☆新感線39興行・夏秋公演いのうえ歌舞伎〈亞〉alternative「けむりの軍団」を観て来た

 10月8日の晩、フェスティバルホールで2019年劇団☆新感線39興行・夏秋公演いのうえ歌舞伎〈亞〉alternative「けむりの軍団」の大阪公演の初日を観て来た。今年は2019年劇団☆新感線39(サンキュー)興行・春公演 いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)』も観ている。年に2回もいのうえ歌舞伎観るのは初めて。いや、今年はアニメ映画「プロメア」も観てるから、いのうえひでのりは3発目だね、ハマってんね、私。
 さて、開演前にホワイエでビール飲んでたら、中年男と男よりちょっと若い女性のカップルが隣のテーブルで飲食していて、「劇団☆新感線なんて、今WOWOWで飽きるほど見られるのに、高いチケット代出して劇場で観る必要あんの?」って男が女に訊いてるんだけど(ホワイエまで来て言うセリフかね、ソレ。)、女性の方、多分怒ったのか、「私、先に席着いておくから、コレ飲んでいいし。」って自分の飲み物を男に押し付けて、テーブル離れて行ったのには、ビール噴きそうになったわ。ま、後で2人が席着いて芝居観たら、男は質問の回答が得られたろうし、女の方は先に席に着いたこと、水に流せたと思うけど。
 脚本は倉持裕。「乱鶯」が気に入っているので、この「けむりの軍団」も期待してました。でもどちらかというと、いつものドタバタ色の方が強い芝居で、フツーの時代劇でしたね。ストーリーは上手く捻ってあって、裏切って裏切られて、あっちについてこっちについて、の人間模様が面白かったです。主役は古田新太演じるかつては軍配師、今は素浪人の真中十兵衛、いいかげんで素直じゃないけど憎めないし頼れるヤツを気合いの入った殺陣もやりながら、上手く演じていたと思います。でも、今回主役より目立っていたのは池田成志演じる美山輝親。上手にキャラクター作れていたと思うのですが、なんか映画『のぼうの城』で野村萬斎が演じる成田長親みたいに見えました。脚本のせいかもしれませんが。まぁ、池田成志も野村萬斎並みにカッコ良かったっスよ。そしてカッコ良かったといえば、飛沢莉左衛門。早乙女太一は見る度にいいオトコになっていきますな。殺陣のシーンは清々しいくらいですわ。でも、最後に油の牛鉄が見られるかと思いきや、先に乗り込んだ莉左衛門に斬られちゃってたのは、ちょっと残念。その代わり、真中との一騎打ちが存分に見られましたが。
 この芝居、人質同然の目良家の正室、紗々姫が城を抜け出して、美山を追う真中と合流して、実家を目指す旅としてスタートするため、あぁ、紗々姫≒雪姫(隠し砦の三悪人)なのね~、とか思いながら見始めたのだけど、紗々姫一行とそれ追う目良家家臣団、目良家に苦しめられつつも一向一揆の僧兵軍団を有する夭願寺の三派による騙し合いとしのぎ合いから目が離せない。浄土真宗のはずなのにプロテスタント系の音楽集会やったり、粟根まこと演じる僧侶、残照もなかなか面白い。お互いの疑心暗鬼を上手く利用した軍配師真中が生み出す「けむりの軍団」の雰囲気はTV画面じゃ味わえないんじゃないかしらね。当主がたよりない目良家の統領、当主の母親嵐蔵院を演じる高田聖子の迫力も相変わらずで、宮下今日子演じる長雨との絡みはいいアクセントになってて、長雨は莉左衛門が裏切り者指定された殺陣のシーンまで目良家の中で良く盛り上げていたと思います。一方、紗々姫演じる清野菜名の元気のよさも物語を最初から最後まで紡いでいく上でキーマンとして効果的で、総じて良かったと思います。
 評価点は5点満点の4点。楽しかったけど、それでも「乱鶯」の方が好きなので。

新作ミュージカル 「怪人と探偵」を観て来た。

 KAAT(神奈川芸術劇場)の新作ミュージカル 「怪人と探偵」を10月3日(木)18:30の兵庫公演の初日に兵庫県立芸術文化センターの阪急中ホールで観た。今年はなるべく再演とかを選ばないようにしているので、今回も森雪之丞が構想5年を経て作・作詞・楽曲プロデュースをし、白井晃が演出の新作を観て来た。KAAT(神奈川芸術劇場)プロデュースの芝居は昨年末の『セールスマンの死』以来。
 主役は怪人二十面相役の中川晃教。彼のミュージカルは1月の『SOMETHING ROTTEN! 』以来(←あんまりよくなかったのよね、コレ)。好敵手の探偵明智小五郎役は加藤和樹。彼の舞台を観るのは初めてだ。ヒロインの令嬢リリカ役は大原櫻子。こちらも初めて。キャストで面白かったのは中村警部役の六角精児。初ミュージカルだそうで、仮面舞踏会のシーンで、唄って踊り終えて「できたー」と声を発したときは思わず拍手してしまった。ま、他のシーンでもコミカルな踊りで良かったです。この舞台で一番目立ってたんではないかしら? あとは女中やらネコ夫人やらやってた高橋由美子。こちらも貫禄の演技でしたね。没落貴族の夫妻を演じる今拓哉と樹里咲穂の歌と踊りも良かったです。それと明智の助手を務めるフランク莉奈の明智への入れあげ具合も楽しめました。やっぱり、森雪之丞の曲が良かったからでしょうか、どの曲も楽しめました。個人的には怪人が唄う「世界で一番綺麗な宝石」よりも、明智が唄う「真実の鏡」 の方が好きですね。セットはこれっていうのは無かったです。
 評価点は5点満点の4点。エンディングは見えてましたね。もうひとひねり欲しかったかな。


大阪フィルハーモニー交響楽団 第531回定期演奏会に行ってきた。

 フェスティバルホールへ大阪フィルハーモニー交響楽団 第531回定期演奏会の28日(土)15:00開演の回を観に行ってきた。大フィルの公演は今年3月の第526回定期演奏会以来です。指揮は著名なオーボエ奏者で、これまで日本のオーケストラをいくつか指揮したことがあるハインツ・ホリガー。なんと御年80歳。あんまり器楽出身の指揮者って知らないです。なんか、ぺって外に掃き出すように指揮棒を振る方ですね。あんまり好きになれない棒の振り方でオーボエの雰囲気と結構違うな~、と思いながら見てました。
 演目は、まず、ラヴェル/組曲「マ・メール・ロワ」。「マ・メール・ロワ」って「マザーグース」の仏語読みなんですね。知らんかった。優しいお話調の曲調がすごい良かったです。
 その後、楽器を結構増援させて、ホリガー自身の曲、オーストリアの詩人ゲオルク・トラークルの詩「エリス」に触発されて作曲した「エリス -3つの夜想曲-」を、まずは自身でピアノ独奏版を弾いてみせてくれました。ピアノがステージの向かって左端にセットされていたため、向かって右側の前の方の席だった我々からは全然弾いているところが見えず、音色だけ。結構激しい曲調で、ペダルの共鳴音というか残響を多用しているとこが印象的。この演奏の後、ホリガーは指揮台に戻って「エリス」の管弦楽版を演奏。なんと管弦楽版は1973年の改訂版の方で日本初演だそうですな。ピアノの時の残響をいかにオーケストラで表現するかを考え抜いた結果が、弦も金管も木管も追加してパーカッションまでいろいろ追加した大編成による表現、ということのようで、その割には大仰でなく、あっさりした印象の演奏でした。残響を表現するための編成なら、もっと鳴らしても良かったんじゃないでしょうか? 聴いた結果はカミさんは管弦楽版が、ワタシはピアノ版の方が良かったなぁ、という感想になりました。前編最後は再びラヴェルで「ラ・ヴァルス」。こちらはワルツの仏語読み。ちょーっと聴いてて眠たかったです。
 休憩を挟んで後半は、シューベルトの未完成断片を2曲続けて演奏することで、なんか3楽章からなる1つの曲として聴けるんじゃないかしらん的な趣向の演目。シューベルト(R.モーゼル編曲)/アンダンテ ロ短調 D936A と シューベルト/交響曲 第7番 ロ短調 D759 「未完成」 を続けて演奏してくれました。アンダンテ ロ短調の方は、ピチカートの演奏が清冽な印象で心地よく、カルテットで演奏しているパートが良かった(あ、崔文洙氏はソロ・コンサートマスターに就任したそうですな)。
 評価点は5点満点の3点。前回の観に来た時の演奏の方が私は好きでしたね。できれば、ホリガーのオーボエも聴きたかったです。

「MISIA SOUL JAZZ SWEET & TENDER」を観て来た

 9月18日(水)の晩はZeppなんば大阪で「MISIA SOUL JAZZ SWEET & TENDER」を観て来た。Zeppなんばで演る黒田卓也バンドとのライブは「MISIA SUMMER SOUL JAZZ 2017」以来で、MISIAのライブは昨年11月のフェスティバルホールでの「20th Anniversary MISIA 星空のライヴX Life is going on and on」以来。ここ3年は年一でMISIA観てますな。
 この日のライブはTVカメラに収録されて11月にWOWOWで放映されるらしく、ステージ中央の真ん前にカメラマン付きのカメラ(今回、結構前で観ていたので、カメラがちょっと邪魔)、両脇はロボットアームに載ったカメラ(そんなに気にならない)が動き回っていた。
 まずは黒田卓也バンドが登場。ほとんどのメンバーは同じだったけど、ドラムスはAdam JacksonからTomo Kannnoに変わってた(MISIAの影であんあり見えなかった)。他のメンバーは、Tp. 黒田卓也(「MISIA」より「卓ちゃん」の掛け声が圧倒的に多くて、黒田は「ご近所かよ」ってツッコんでたけど、声のかからないMISIAはちょっと不満そう)、Ts. Craig Hill(赤坂で失くしたスマホ見つかってよかったね)、Tb. Corey King(今回はニホンゴ一言だけ発したよ)、Key. 大林武司(アメリカに帰化するんスか?)、Ba. Rashaan Carter(相変わらずのグルーブ感サイコー)で今回もいい演奏聴かせてもらいました。しかぁし、ここにMISIAの声が乗ると、スピーカから出てくる音はキャパオーバーな感じ。ワタシの耳は悲鳴を上げてました。次からは音楽ライブ用の耳栓が必要ですな。翌朝も耳が低くシャーと鳴ってました。しょうがないので、途中からは五月蠅いスピーカー音を我慢して、MISIAの生の声に神経を集中させて聴くようにしてました。ライブ終わってみれば耳がヘトヘトでした。
 曲は「BELIEVE」でスタート。結構いい感じ。2曲めはやっとちょっと慣れて来た「来るぞスリリング」。もうすっかり序盤で観客を盛り上げるナンバーに定着しちゃったみたいですな。「めくばせのブルース」、「変わりゆくこの街で」、「LADY FUNKY」と続いたところで、内池秀和氏の思い出をMCで語った後に「AMAZING LIFE」。この夜のナンバーの中ではこの後の「オルフェンズの涙」が最高でした。そして「陽のあたる場所」、「つつみ込むように…」となだれ込んで、本編最後は「MAWARE MAWARE」(このへんのセトリは代わり映えしませんな。「Royal Chocolate Flush」とかやらないかな?)。アンコールも最近のお約束「アイノカタチ」1曲のみ。まぁ、あの「オルフェンズの涙」が聴けたので十分ですが。評価点は5点満点の3点。耳がしんどかったので。

映画「プライベート・ウォー」を観て来た。

 3連休の最終日、カミさんがなんか映画観たいというので、自由に選ばせたら「プライベート・ウォー」だった。「記憶にございません」あたりを選ぶかと思ったら意外な展開。ということで好天の下、西宮ガーデンズへ。
 この映画、隻眼の戦争ジャーナリスト、メリー・キャサリン・コルヴィン(Marie Catherine Colvin)の伝記的映画。全然彼女のこともこの映画のことも知らないで観に行きました。それでもオープニングのコメントや瓦解して廃墟と化した、シリアのホムスの街の空撮から始まり、取材地に赴く際にホムスまであと何年って画面に文字が出てくれば、ぁぁ、ホムスで”戦死”したんだろうなって分ります。映画は内戦中のスリランカでLTTEへの同行取材を行い、片目を失うところからスタート。常に戦争に巻き込まれて往生している一般市民、特に母子に寄り添う視線が貫かれていて、すばらしいジャーナリストだと思います。この一徹さは最後のホムスでのネットによる現場中継レポートまで続きます。その一方で、「アンタはネタには鼻が利くが...」と、イラクで湾岸戦争のクウェート侵攻時にサダム・フセインによって殺された多くのクウェート人の埋葬地探しから一緒に行動するようになったカメラマン、ポール・コンロイに突っ込まれているように、戦場に急かされるように向かう彼女はworkaholicでAlcoholismでNicotine dependenceでPTSDでdaredevilです。オトコならこんなヤツもチョコチョコいそうですが、オンナには珍しい。でもその戦場においての女性視線の彼女の文章がサンデー・タイムズの読者の注意を引き、編集者のショーンも手を焼きながらも手放せない逸材となり、British Press Awardsなどの賞に適う活躍をするに至ったんでしょうな。カダフィ大佐との会見のシーンもカッコ良かったですが、その前の晩の高級下着のくだりや、殴られてもないのに咳こんで奥歯を吐き出すシーンはもうどうしたらそこまで仕事一筋に生きれるねん!ってツッコミ入れるしかないです。日本人がここまでやったらまた「自己責任」って言われるんでしょうね。せっかく我々の代わりに目となり耳となって戦地の状況を伝えてくれるというのに。そんな遠くの災害には興味がない、ということなんでしょうかね? しかし、伝えても伝え続けても一向に戦乱が無くならないのが悲しいです。評価点は5点満点の5点。メリー役のロザムンド・パイクの名演は必見です。ポール・コンロイ役のジェイミー・ドーナンもショーン役のトム・ホランダーも良かったです。いやぁ、3連休の最後にこんな硬派な映画観るとはおもわんかった。

山村コレクション展を観て来た。

今日は兵庫県立美術館へ「集めた!日本の前衛-山村德太郎の眼 山村コレクション展」を観に行ってきた。企画展示室と隣のギャラリー棟3階も使っての展示。となると展示点数が多いのかというと、全部で138点と普通。実は山村コレクションは大作が多いのだ。いつも芦屋市立美術博物館や大阪へ「具体美術協会」の作品を観に行っているワタシとしては、山村コレクションほど観たい展示は無い! でも長らくいろんな展示でチョコチョコと見ているので、今回の展示物もすでに見たことある作品が結構ある。ただ、まとまって一気に見られるのと、全部が兵庫県立美術館の収蔵品なので撮影可なのがうれしい。この手の作品を観るのは去年BBプラザ美術館のコレクションから「デモクラート美術家協会」の作品を観て以来ですな。
 さて、作品ですが、入場すると第一ゾーンではまず津高和一《母子像》がめに飛び込んできますが、私は津高和一は《雷神》の方が好きですね。その後、須田剋太《縄文記号》《曼荼羅》というぶっといイメージの大作が目を惹きますが、彼の作品としては主流ではないですよね。「具体」といえば吉原治良。本展でも5点ほど出ていますが、やっぱり筆で○を描いたような《作品》が一番好きですかね。斎藤義重で1コーナーできてましたが、ここでは赤が印象的な《作品3》と藍が印象的な《作品Q》、本展ポスターの《ペンチ》ですかね。オノサト・トシノブ《分割-1260》は先週観たルート・ブリュックを思い出してしまいました。隣に架かっていた宇佐美圭司《作品No.5》も良かったです。白髪一雄と富士子の作品がまとまって観られたのも良かった。白髪一雄は《天異星赤髪鬼》と《超現代三番叟》、白髪富士子は《作品》と《白い板》が良かったです。田中敦子はまた《作品<ベル>》を押してしまいました。元永定正もまとまって展示されてましたが、《ヘランヘラン》も《ポンポンポン》も《黄色の中で》も《いちにさん》もどれも良かったです。
 第二ゾーンの絵画は四宮金一の変形キャンバスの3枚が目を惹きます。《Room(25)椅子なき静座》が一番好きですかね。あとは篠原有司男《女の祭》、朝比奈逸人《無題》が気に入りました。
 第二ゾーンの彫刻では、高田洋一《翼 for Y、翼 for N》、内田晴之の磁石を用いてバランスしている《静止82-1》、《異・空間84-5》、山口牧生 《くびれるかたち》が面白かったです。
 その次の部屋では、堂本尚郎《絵画1》、《1959-No.34》、向井修二《作品》、吉原通雄《作品A》が良かったです。
 第三ゾーンでは山崎つる子という画家は初めて知りました。村上三郎と上前智祐と鷲見康夫(いずれも《作品》)も良かったです。
 最後のゾーン(80年代のニュー・ウェイブ~)はどの作品も大好きですが、一番好きなのは大作、杉山知子《"THE START - a man and mamorigami"》これ見るとわくわくします。堀浩哉《水の肌へ-83.4》、高松次郎《無題(#1090)》、岡田露愁《REVELATION-1》も良かったです。吉村益信の《豚・pig lib;》は何度も見ているのでね。
 評価点は5点満点の4点。やっぱ、常設展示やコレクション展で何度も見ている作品も多いので、こんなもんでしょ。

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「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」を観て来た。

 今日は伊丹市立美術館と伊丹市立工芸センターにまたがって開催中のフィンランドのアーティスト、ルート・ブリュックの死後20年記念の回顧展を観に行ってきた。フィンランド関連の展示を観に行くのは3年前の秋に西宮市大谷記念美術館で「マリメッコ展」を観て以来ですな。回顧展というだけあって、初期から晩年までの彼女の作品が一通り、なんと200点以上(もちろん灰皿1枚・蝶の陶磁器1個も1点として数えるので、当然多くなるんですが)も展示されています。これで入館料大人800円/人はお得です。おまけに伊丹市立美術館2階の1930~1950年代の展示と、1階の彼女の娘でありアーティストのマーリア・ヴィルカラが母親の遺した陶板のピースを並べて作ったインスタレーション《心のモザイク》は撮影可でこれもお得です。
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でも撮影対象が平置きの陶板だとスマホを被写体に平行にしようと作品の上に被さる格好で撮影しようとする観覧者が多いのですが、もしスマホを取り落としたら、スマホの衝撃で作品が割れますので、誰かが覆いかぶさってスマホを構える度に会場係の方が注意をしに飛んできます。これは入り口に注意書きを書いて掲示しておくか、券を販売する際に撮影エリアを伝えているのですから、もう一言申し添えるべきでしょうね。
 さて、作品ですが、初期の水彩画のイメージがそのままリノカットになって、アラビア製陶所に入った後、陶板へと表現方法が変わっていく様はみていて興味深かったです。しかし、水彩から釉薬に表現手段が変わることで、イメージに艶や深みが出て、《魚の皿》なんかとても美味しそうです。
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彼女の作品は後期のも含めて美味しそうなのが多いです。本展のホームページを見ると和菓子店「HIGASHIYA」による和三盆糖の特製落雁「食べられるブリュック作品」があるとあったのですが、伊丹のミュージアムショップには見当たりませんでしたな。訊けば出て来たんでしょうか?私は地下1階に展示されていたNo.186の《レリーフ》が目玉焼きの乗ったモーニングプレートみたいでしたし、No.183《無題》はチョコレートブロックの詰め合わせみたいでした。いやぁ、これらにそっくりのお菓子食べたかったなぁ。
 ハナシは作品にもどって、2階の展示ではポスターにもなっている《ライオンに化けたロバ》(ロバがくじらに飲み込まれたピノキオみたいにライオンの中に居るのが面白いです)、
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青の配色とファザードの構図が美しい《子羊の扉》、こちらも構図が印象的な《ヴェネチアの宮殿:柱廊》、釉薬の照りが美しい《鳥とりんご》、食卓の周りに集う13人の表情が印象的な《最後の晩餐》、
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正方形の陶板2枚を上下に配した縦長の作品《聖体祭》、なんかシャガールっぽい《結婚式》が良かったです。鋳込み成型(予め絵の線を彫りこんだ石膏型に泥漿(でいしょう)を流し込み、石膏が泥の水分を吸って、形から取り出せるくらいに固まったところで取り出すと、石膏で溝だったところが盛り上がった線になり、ここに釉薬を流し込んで焼く。アニメで説明がされているのが良かった)による創作が彼女に合ってたんでしょうな。どんどん表現力が上がって、地下の第2会場の展示にある一連の《蝶》の作品なんて惚れ惚れします。数々の《アッシュ・トレイ》もタバコを押し付けるにはもったいな過ぎます。
 このエリアではかつて幼少時代を過ごした思い出の《牛》から自分と我が子をモデルにした《母子》、《聖母》、《ダンス》(左から右へどんどん抽象化がすすむのがおもしろい)、大好きな蝶学者だった父親の出棺を描いた《お葬式》(←わたしこれが本展のベストです)の並びの展示が良かったです。
 もちろん、別室の黄金のイコンの《レリーフ》も美しかったですし、大作《都市》も良かったです。でもこの部屋は先に書いた美味しそうな作品の方が興味深かったです。あとはレゴブロックっぽい《赤い太陽》やカッコいいと思った《忘れな草》とか。この部屋は子連れ客の子どもたちの反応が良かったように思います。
 そして、工芸センターの地下を間借りした第3会場は大作揃い。先の別室からこの第3会場の作品、後期の作品印象は、焼き物という、偶然に任せて出来上がった陶板のピースを抽象化した構図にブロックを組むように並べていくところが「アナログなのにデジタル」という感じでしょうか? 特に白い「>>>」や「<<<」な形のタイルを空に見立てたところに配して《鳥》とするのは、2階に展示されている叙情的な《鳥》からは同じ陶板を使った作品なのに、遥か遠くまで来たなぁ、という感じです。《ジャイブル》という作品が2点出ていますが、第3会場のNo.206の方が好きですかね。白いDやCIの形がデジタルに配されています。《春の雲》なんかIT企業のチラシに出てきそうです。このエリアで一番気に入ったのは入って正面に配された《ソーホー》とその壁の裏に展示された《水辺の摩天楼》ですかね。なんかニューヨークの表と裏なんでしょうかね?《泥炭地の湖》も艶消しされた黒タイルと釉薬で艶っぽい黒タイルの配置が印象的でした。
 評価点は5点満点の5点。タイルを1つ1つ観ていたら何時間でも観ていられます。楽しかったです。

舞台「お気に召すまま」を観て来た。

 水曜日(9/4)の兵庫芸術文化センター阪急 中ホールで18:30からの兵庫の初演を観て来た。ご存じウィリアム・シェイクスピアの劇で、『ハムレット』とかの悲劇の方じゃなく、『じゃじゃ馬馴らし』とかと並ぶ喜劇の方。私は四大悲劇よりも『から騒ぎ』みたいな恋愛絡みの喜劇の方が好き。ということで、『お気に召すまま』は観に行きたい芝居の1つ。おまけに大好きな満島ひかりがロザリンドを演るってことで喜んで観に行きました。ここの舞台で満島ひかりを観るのは一昨年の 百鬼オペラ「羅生門」 以来。あの芝居も良かったね。
 この間観た映画「火口のふたり」も女性客が多かったけど、この芝居も女性客多いわぁ、みなさん、こういうのが好きなのかしら。場内案内の女性の方が1列目の客に客席に立てかけられた傘を片付けたり、一人一人に何か注意を申し入れているのが見えて、ぁぁ、客席に演者が下りてくるシーンがあるのかな?と思っていたら、場内が暗くなる前から、芝居は客席後方から坂口健太郎がパンフレットを売りながらスタート。こちらは2階席で観ていたのだけど、1列目には客がいるのに、2列目中央の客席には踏み台みたいなのがあって、客がいない。おやぁ?と思っていたら、ここにも演者が乗って後方に向けて芝居を始める。1列目の客見えないじゃん、とか最初は思っていたんだけど、しょっちゅう演者は客席に降りてくる。1列目の客なんか、間近で何度も満島ひかりが観れていいなぁ、とうらやましくなってしまった。
 この芝居、ロザリンドが男装したギャニミードがアーデンの森の中で語るシーンがむっちゃ多いので、満島ひかりファンにはたまりません。オーランド役の坂口健太郎の演技とプロレスのシーンや羽織っただけのシャツの間から見える胸板も話題になっていましたし、オーランドの兄役での満島ひかりの弟の満島真之介や彼と結ばれる新公爵の娘シーリア役の中嶋朋子も良かったですが、やっぱり満島ひかりが輝いてましたわ。しかし道化タッチストーン役の温水洋一は良くも悪くも目立ってましたな。小林勝也演じるオードリーとタッチストーンのカップルは中々毒のある演技で面白かったです。しかし、ギャニミードは男なのに、なんで途中からズボンを履かずにどう見たって美しい御御足を魅せたままだったんでしょうか? サービスにしてはうれしすぎます。でも、だから全然ギャニミードが男に見えません。最後の婚礼のシーンの前に満島ひかりが「ちょっと着替えてきま~す、着替えないとこの芝居終わらないので」と言ったところや、婚礼のシーンの際に最前列の客に「あなた高校生?高校生にはちょっときつい芝居だったかしら?変な芝居だったでしょ~」とか、時々素に戻ったようなアドリブも入れながら楽しく進行した「大人の悪ふざけ」はあっという間に終わってしまった。やっぱマシンガンのように連打される長ゼリフといい、下品で毒もあるけど悪気のない筋書きといい、シェークスピアの喜劇は面白いわ。もちろんいい役者がそろってのことだけど。評価点は5点満点の4点。現場の足場組んだだけの侯爵邸や、大量の古着をぶちまけただけのアーデンの森など、セットが不満。まぁ、面白かったとはいっても5点ではないわ。次は『十二夜』を見てみたいなぁ。

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を観て来た

 今日はTOHOシネマズ西宮OSで映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を観て来た。西宮ガーデンズのステージではKissBeeWESTとやらがライブを演ってた。わりとよさげ。
 映画の方は、クエンティン・タランティーノの9作目となる長編監督作。レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという2大スターが初共演!、もうこれだけで観に行くしかないってんで早速行ってきた次第。封切りしてすぐの映画観るの久しぶりじゃないかしら。さすがこれだけビッグネームが揃ってたら、どんな駄作でも観に行かないわけには行かないもんね。それにタランティーノ監督作品って日本では興行が伸びないらしいので、早く行かないと、いつ打ち切りになるか分からないしね。今日も夫婦でコレを観に行くってカミさんがLINEした義理姉からはタランティーノって惨い暴力シーンがあるから気を付けて、とか返事が来るし。いやいや、ウチら「キル・ビル」だって観に行ってますって。
 しかし「キル・ビル」の衣装があんなだったから、ブルース・リーにはリスペクトしてるのかと思ったら、大口叩くブルース・リーがブラッド・ピットが演じるスタントマンのクリス・ブースにあっさり片付けられちゃう。このシーンなかなかカッコいい。というか、終始クリフ・ブースはカッコよかった。この映画でのカッコよさNo.1。そのクリフ・ブースがスタントだけでなく運転手も便利屋も引き受ける雇い主にして相棒が我らがレオナルド・ディカプリオが演じるリック・ダルトン様。主演TVシリーズを打ち切られて落ち目の中、映画への転身をはかりつつも本場ハリウッドからマカロニ・ウエスタンへ身を投じる決心がつかず悶々としたり、翌日の収録のためのセリフ覚えなきゃいけないのに、飲みすぎでトチって楽屋でむっちゃ荒れて落ち込んだり、共演する子役の役者魂に感動したり、落ち込んで反省した後のアドリブを含めた名演に自分で感極まって涙ぐんだり、喜怒哀楽の1つ1つが素晴らしい。おもわずよしよしヾ(・ω・`)したくなる。この映画での可愛いさNo.1。
 画面に時々日付や時間が入るのでなんでかと思ったら、フィクションながらベースとなる実話があったのね。リックの隣家に時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と、その妻で新進女優のシャロン・テートが越してくるんだけど、1969年8月9日に「シャロン・テート殺害事件」というのが起こって、胎児共々殺害されてしまったのね。もちろん、映画はフィクションなので、クリフとクリフの愛犬ブランディとリックの活躍で大団円を迎えるのだけど。だからクリフは映画牧場に行ったし、並行してシャロン・テートに映画館で自身の出演映画「サイレンサー 破壊部隊」を観させたわけね。161分という長い上映時間でこのシーンがなんであるのか謎だったのよね。ま、この辺、分かってなくても十分面白いけど。
 今回暴力シーンは控えめです。オープニングを観なければタランティーノ作品とは分からないかも(いやいや、火炎放射器でカリカリにしちゃう監督ほかにはあんまりいませんって)。ビッグネームが揃ってるだけのことはありますが、こちらの予習不足のため評価点は5点満点の4点。あとエンドロールでおまけがあるので、最後まで席を立たないようにお願いしますわ。