舞台「子午線の祀り」を観て来た

 今日は兵庫県立芸術文化センターで舞台「子午線の祀り」の17:00の回を観て来た。木下順二が「平家物語」を題材に作った戯曲を、2017年に野村萬斎の新演出で上演した名作の再演。能狂言の舞台以外の野村萬斎の舞台を観るのは初めて(この間TVドラマ『死との約束』での「勝呂武尊」役を観たところだけど)。
 芝居は開演前から始まります。よって、5分前のチャイムも無く、その頃にはもう若村麻由美演じる影身の内侍は静かに現れて舞台に立ってます。さらに黒シャツと黒ズボンに身を包んだ他の共演者も三日月型が斜めに横たわった感じの回り舞台の周りにどんどん集まってきています。なのにみんなスマホやパンフレットやら観ていて気付かない(笑)。おまけに、コロナ禍で開演時間が1時間早まったことを知らされていなかったのか、開演後もどんどんお客さんが入ってくる。もっとちゃんと周知すべきじゃなかったんでしょうかね?>主催者。会場が暗くなって非常灯が消えてようやくみんな、舞台に目を移すって感じ。なんか演出の失敗なのか、今時のお客さんには通じない演出なのか、なんか効果半減って感じのスタートでした。ナレーションっぽく月の角速度や潮の干満の説明がきちんと数字で成されるのだけど、なまじ知識があると、潮の干満が1日2回起こらないところもあるし、角速度も軌道上のどこにあるかで一定ではないし、その辺が気になってしょうがない(笑)。衣装はシンプルで、船の雰囲気もヒトの配置や動きで表現されていて、舞台も三日月型のセットと波飛沫が描かれた3段くらいの踏み台だけ。あとは上空に瞬く星々(休憩後の2幕の開始時に北斗七星の一部をなんか一生懸命手で動かしているシーンがあったのだけど、何の目的なのか全然分からなかった。これも気になってしょうがなかった)。
 合戦のシーンは壇ノ浦で少し出て来たけど、他の合戦は台詞での結果だけ。ほとんどが源平両陣営の陣屋での会話劇。なんか目をつむって聴いていると、多声の講談を聴いているような芝居。会話のテンポはよく、野村萬斎演じる新中納言知盛が長台詞を話し出すと、その美しさに眠たくなるくらい。
 個人的には村田雄浩演じる阿波民部重能が一番印象深かったかな。大河ドラマ『麒麟がくる』での稲葉良通役といい、こういう含みのある役にはうってつけですな。成河演じる九郎判官義経も甲高い声で威勢が合って良かったけど、吉見一豊演じる梶原平三景時のイヤラシサには負けてたかも。
 さて、本作は出演者の力量の高さが活きるいい芝居だと思いますが、鵯越の逆落としも那須与一の「扇の的」も無く、八艘飛びも無く、星智也演じる弁慶は義経を諭す妙に小賢しい参謀みたいだし、なんかワタシの好みの平家物語ではありませんね。ということで評価点は5点満点の4点です。

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