2020年の振り返りをやりまする。

 今年2020年(令和2年)は新型コロナウイルス(COVID-19)のおかげでとんでもないことになってしまいました。特に3月から緊急事態宣言の明ける5月終盤まではほとんどのイベントが延期か中止になりましたし、映画も旧作の再映ばかりになってしまいましたものね。そんな中でも果敢に映画鑑賞に観劇にライブに行ってきた記録を残すため、恒例の「ふりかえり」をやるまする。ブログで付けた評価点を★で表記しています。【中止】【延期】はチケットは買ったけど、コロナ禍で行けなかったイベントです。

【映画】
1.スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け ★★★
2.フォードvsフェラーリ ★★★★
3.パラサイト 半地下の家族 ★★★★
4.三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 ★★★
5.ANNA/アナ ★★★★
6.コンフィデンスマンJP プリンセス編 ★★★
7.海辺の映画館 キネマの玉手箱 ★★★
8.劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン ★★★★★
9.TENET ★★★★
10.建築と時間と妹島和世 ★★
11.博士と狂人 ★★★★★
12.スパイの妻 ★★★★
13.音響ハウス Melody-Go-Round ★★★★
14.燃ゆる女の肖像 ★★★★

 映画はなんと去年と同じ14本でした。他の娯楽が軒並み延期や中止になる中、映画ぐらいは、ということなんでしょうね、きっと。でも歴代日本一の興行収入を上げた「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」は観に行ってません。いくらミーハーなワタシでも、鬼もののアニメはもう食傷気味でしたので、この漫画も避けて見てなかったら、あれよあれよの人気急上昇。絵柄もあんまり好みでは無かったので、乗り遅れた今となっては多分今後も観ないでしょうね。アニメは今回は邦画1本(8)だけです。実写の邦画は6本(4,6,7,10,12,13)でした。さて、邦画の一番は頑張れ京都アニメーションということで唯一5点の「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」です。
 一方の洋画は7本(1,2,3,5,9,11,14)、スターウォーズ最終作にはがっかりしました。韓国映画初のカンヌ国際映画祭パルムドールと米アカデミー初の外国語映画による作品賞、監督賞、脚本賞と国際(長編)映画賞の4部門制覇という輝かしい受賞歴を誇る(3)は貧乏人が観ると身につまされて辛いです。今年はコロナ禍で大作の日本公開本数が減ってます。その中でも「TENET」はちょっと難解なところもあったけど良かったです。そして洋画の一番も唯一5点のショーン・ペンとメル・ギブソンの名演が光る「博士と狂人」です。


【舞台】
1.シス・カンパニー公演 日本文学シアターVol.6 【坂口安吾】 『風博士』森ノ宮ピロティホール 1月8日18:30の回 ★★★★
2.『キレイ―神様と待ち合わせした女―』森ノ宮ピロティホール 1月28日18:30の回 ★★★★
3.『大地(Social Distancing Version)』サンケイホールブリーゼ 8月13日 ★★★★
4.『三谷幸喜のショーガール~告白しちゃいなよ、you(Social Distancing version)』サンケイホールブリーゼ 8月15日 ★★★★★
【中止】「ねじまき鳥クロニクル」シアター・ドラマシティ 3月7日
【中止】「ヘンリー八世」シアター・ドラマシティ 3月19日
【中止】地球ゴージャス二十五周年祝祭公演「星の大地に降る涙 The Musical」フェスティバルホール 5月13日
【中止】ミュージカル「ヘアスプレー」梅田芸術劇場メインホール 7月10日
【中止】COCOON PRODUCTION 2020「フリムンシスターズ」オリックス劇場 12月1日
【中止】志の輔らくご in OSAKA サンケイホールブリーゼ 12月18日

 舞台の方は今年は4公演でした。昨年より5つ減りました。中止になったチケットの分を足せば10公演分ありますので、つくづくCOVID-19のバカヤロー!、です。4本のうち2本はコロナ禍の影響を受ける前の1月の公演ですし、コロナ禍のもと再開してからは三谷幸喜の2作しか行っていません。特に「フリムンシスターズ」と「志の輔らくご」は会場まで行ったところで、関係者に陽性反応が出て先ほど急きょ中止を決定した、と紙1枚もらってとぼとぼ帰る破目になり、ホントに悲しいです。来年こそは、入り口でCOCOAのインストールやら大阪のコロナのサイトの登録やら検温やら何やらとまだろっこしいチェック無しで会場入りできるようになりますように(まぁ、来年は無理だろな)。さて、今年の一番は川平慈英とシルビア・グラブの素晴らしいレビューと、コロナ禍を皮肉った演出が面白かった『三谷幸喜のショーガール~告白しちゃいなよ、you(Social Distancing version)』です。


【コンサート】
1.東京大学音楽部管弦楽団第105回定期演奏会の関西公演 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール 1月26日 ★★★
  指揮:三石精一 
2.Ezra Collective ビルボードライブ大阪 2月27日18:30の回 ★★★★★
3.OSAKA GENKi PARK 1日目 大阪万博記念公園 10月10日 ★★★★
4.竹内アンナ 1st ALBUM Release BAND Tour 『MATOUSIC』 umeda TRAD 11月12日(5月から延期) ★★★★★
5.SOIL & "PIMP"SESSIONS Live 2020 "New Day" ビルボードライブ大阪 11月15日18:30の回 ★★★
6.iri Presents “Five Zepp Tour 2020” Zepp Namba Osaka 12月16日 ★★★
【中止】SAKANAQUARIUM 2020 “834.194 光”神戸国際会館こくさいホール 3月→4月→7月15日
【延期】SIRUP「Playlist TOUR 2020」Zepp Namba Osaka 10月10日
【中止】韻シストpresents 『OSAKA GOOD VIBES 2020』4月29日→8月10日
【中止】藤井風 Zepp Namba Osaka 6月5日
【中止】ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」兵庫県立芸術文化センター 7月5日
【延期】オペラ「ラ・ボエーム」兵庫県立芸術文化センター 7月24日
【延期】MISIA 星空のライヴ Across The Universe 兵庫県立芸術文化センター 9月25日

 今年は6本観に行けました。去年より3本減。一昨年より7本減です。外タレはコロナ禍前の1本(2)のみです。こればかりはしょうがないですが。それより、これまでずっと皆勤賞だった矢野顕子のさとがえるコンサートに行けていません。というか、東京でしかやってなくて、他の地域のヒトはライブ配信観てね、というスタイルでした。実は私、無料配信のライブは何個か観ましたが、有料配信のライブは誰のも1個も観てません。よって今年は初の「さとがえる」欠席です。そんな中、今年初めて秋フェスに行って来ました。「大阪文化芸術フェス presents OSAKA GENKi PARK」です。これは結構良かったです。あちこち会場を移動するにも夏より楽ですし。
さて、今年の一番ですが、5点は Ezra Collective と竹内アンナですが、ここは唄もギターもイケてる竹内アンナにします。


【美術展など】
1.「生誕130年記念 山下摩起をめぐる画家たち」 西宮市大谷記念美術館 1月5日 ★★★★
2.「in number, new world / 四海の数」 芦屋市立美術博物館 1月12日 ★★★★
3.「インポッシブル・アーキテクチャー ―建築家たちの夢」 国立国際美術館 2月9日 ★★★★★
4.「コレクション―現代日本の美意識」 国立国際美術館 2月9日 ★★★★
5.「ゴッホ展」 兵庫県立美術館 2月24日 ★★★
6.特別展「建築と社会の年代記―竹中工務店400年の歩み―」 神戸市立博物館 3月1日 ★★★★
7.「メスキータ展」西宮市大谷記念美術館 4月5日 ★★★★
8.「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」 兵庫県立美術館 7月25日 ★★★★
9.「動く!美術―動きはどう表現されてきたか―」 兵庫県立美術館 8月9日 ★★★★
10.西宮市大谷記念美術館の<展覧会とコレクション>2 ひろがる美術館ヒストリー 9月27日 ★★★★
11.「芦屋の時間 大コレクション展」 芦屋市立美術博物館 10月25日 ★★★★★
12.「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」 国立国際美術館 11月23日 ★★★★★
13.コレクション2「米・仏・独・英の現代美術を中心に」 国立国際美術館 11月23日 ★★★★
【中止】「コートールド美術館展」 神戸市立博物館

 今年は講演なし(昨年4本)で美術展13本(昨年より3本減)。コロナ禍で中止が相次ぎ、行動も自粛気味で神戸三宮より西にも大阪中之島より東にも行っていない割にはいっぱい行きました。来年はせめてリニューアルオープンした京都市京セラ美術館ぐらいは行きたいなぁと思います。(1年通して京都へ行かなかったのは今年が初めてかも)去年は東京遠征までしたのにね~。
 今年は大きな企画展が中止になる中、西宮市大谷記念美術館も芦屋市立美術博物館も所蔵品展に力を入れているみたいで、(10)と(11)は面白かったです。でも今年の一番は、そんな中実現した大型の企画展「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」にします。


 去年は海外旅行やらラグビーワールドカップやらで浮かれてたなぁ、今年も東京オリンピックで浮かれ続けるのかなぁ、と心配してたら、この事態。おまけに在宅勤務モードの中、猛暑の8月にエアコンはぶっ壊れるし、9月には離婚しました(これには驚いた)。来年は今年よりよい年だといいなぁ。みなさんも良い年をお迎えください。

iri Presents “Five Zepp Tour 2020” に行ってきた

 昨日は Zepp Namba で iri のライブを見てきた。コロナ禍以降ライブ見に行くのは先月の竹内アンナ、SOIL & "PIMP"SESSIONS に続き3本目。またまた感染防止の締め付けも強くなって来し、今年最後のライブになりそう。感染対策下のZepp Namba は1階も椅子が並んでた。Zepp Namba の1階に椅子があるのは初めて見た。こりゃドリンクもノンアル縛りかと思ったら、缶ビールが出てきた。よかった、アルコール出てきたよ。でも自分の席は2階席。Zepp Namba の2階席も初めて。思ったよりステージが遠く感じますな。iri の声も低音だし、なんかあんまり2階まで音が届かない感じ。ちょっとがっかり。
 iri のライブに行くのは初めて。アルバム「Sparkle」が秀逸だったので、どんなヤツが歌っているのか、全然予習もなく興味津々で見に来た次第。いい感じの曲ばっかりのアルバムだし、ジャケットの写真も美人さんだし、女性版SIRUPみたいなヤツがカッコよくステージに颯爽と現れるのを期待していたんだが、びっくり! 首か腰でも痛めているのかというくらい、そろりそろりとご入場。歌い手の口から繰り出す音楽と肩から下の体の動きの乖離に違和感増しましで見ていて吹き出しそうになった。聴衆が総立ちでノリノリなのに、ステージ上の歌い手がそろりそろりって、狂言役者でももっと軽やかに動くだろ~~って思ってしまった。iri がギター提げて歌いだしたところから、動きの無さにようやく慣れてきて、本編後半からアンコールにかけてはこちらもノリノリで見させていただきました。MCもほとんどなく、歌いまくりの90分。セットリストには満足してます。
 しかし、もう少し跳ねようぜ、衣装も軽やかなのにした方がいいって、と思いましたので、評価点は5点満点の3点で。

映画「燃ゆる女の肖像」を観て来た。

 昨夜TOHOシネマズ西宮OSでレイトショー(「密」を避けるため、今年はレイトショー鑑賞が多いかも。お得だしね)で「燃ゆる女の肖像」を観て来た。2019年・第72回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィアパルム賞を受賞したラブストーリー。この類のフランス映画を観るのは「アデル、ブルーは熱い色」以来、6年振り。あの映画は現代の学生が大人になるまでの10年くらいの時の流れがあるけど、この映画はブルターニュの離れ小島での2週間ほどの物語。島の館には画家のマリアンヌ(ノエミ・メルラン)、その雇い主の伯爵夫人(バレリア・ゴリノ)と婚礼準備のための肖像画の対象となる娘エロイーズ(アデル・エネル)、館に勤めるメイドのソフィ(ルアナ・バイラミ)という女性4人だけが出てくる。監督もセリーヌ・シアマという女性。なかなか濃密な122分だった。
 マリアンヌは舟から落ちてしまった荷物を取り戻すために海に飛び込んで荷物を確保するほどのガッツと意志の強さが視線に現れている。その強い視線でエロイーズをキャンバスに写し取ろうとするのだけど、彼女の表面的な特徴しか表せておらず、エロイーズに自分に似ていないと言われてしまう。映画でエロイーズに似ているけどちょっと違う、っていう肖像画がちゃんと用意されていて、映画を観ている者にも「これは違うでしょ」と思わせるあたり、芸が細かいわ。最後に仕上がった方の絵を観た時、確かにエロイーズがそこにいる、と思えたもの。でもリアルにエロイーズが描き表わされ過ぎてて、婚礼用の肖像画としては生々し過ぎかと思ったほど。
 館の中のシーンでは絵を書いているマリアンヌも、マリアンヌに観られているエロイーズも胸から上のカットが多くて、画家の目線で画面を決めてるんだなぁ、と思いながら観ていた。前半意思疎通がうまくいかない2人の媒介としてメイドのソフィがいるのかと思ってみていたら、後半2枚目の絵にとりかかってから、一気に面白さが増す。後半メイドは画家とモデルの媒介から共犯者のような同志になっていく。とはいえ、2人の仲を壊すようなことはなく、上手い関係性が描かれていたように思う。後半の6日間に3人がどんどん変わっていくのが観ていてホントに面白かった。カードゲームのシーンも秀逸だったけど、オルフェが黄泉の国からようやく出られそうな瞬間に振り返ってしまう話に、真剣に怒るソフィ、エロイーズ、マリアンヌそれぞれのオルフェと妻に対する解釈が3人の考え方の違いを表していて、これも面白かった。あと堕胎のシーンをソフィとエロイーズで再現して、マリアンヌにそれを描かせるシーンも良かった。
 舞台となった島の映像は美しく、なぜかアニメの「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を思い出してしまった。海の波は結構荒くて、彼女たちをはね返す何かを表しているようにも見える。結婚を選択するしかない、エロイーズが自らそれを決心したのもこの海。一見自由に画家稼業をやっているように見えるマリアンヌも女性であるというハンデを抱えて自由に画題を選べないジレンマを感じさせるのもこの海。この島には伯爵夫人の館以外にも村人の営みがあるようで、その祭りで里の女性たちによって唄が唄われるシーンがクライマックス(ここにも男性はほとんど出てこない)。エンドロールにも披露されるこの里謡がすごく良かった。この祭りで薪の炎がマリアンヌと見つめ合うエロイーズのドレスの裾に燃え移るのだけど、これが映画の最初の「燃ゆる女の肖像」という絵に表されているんだけど、映画の最初、この絵をちゃんと見ていなかったので、もう1回観たいです。それだけが心残り。
 評価点は5点満点の4点。エンディングが、マリアンヌの焼きもちで終わってしまったのが、釈然としなかったので。
 

映画「音響ハウス Melody-Go-Round」を観て来た。

 今日12月1日はシネリーブル梅田で映画「音響ハウス Melody-Go-Round」を観て来た。「1970~80年代に勃興したシティ・ポップの総本山として近年再注目を集める東京・銀座のレコーディングスタジオ「音響ハウス」にスポットを当てたドキュメンタリー」ということで、ワタシの年代にはどストライクの映画。クリエイターのドキュメンタリーとしては10月に観た映画「建築と時間と妹島和世」以来。本作はギタリストの佐橋佳幸とレコーディングエンジニアの飯尾芳史がこの映画のために、「Melody-Go-Round」という曲をこのスタジオ「音響ハウス」で作っていく過程に、このスタジオゆかりのアーティスト(滝瀬茂、坂本龍一、矢野顕子、佐野元春、鈴木慶一)や、このスタジオのエンジニア(遠藤誠、河野恵実、須田淳也)達のインタビューが織り交ぜられていく。プロデューサー陣の話も出てきて、関口直人詩の大森昭男リスペクトもすごかったな。あと「い・け・な・いルージュマジック」誕生秘話も面白かった。ミスターミュージックの吉江一男氏、渡辺秀文氏、東京スカパラダイスオーケストラの沖祐市、 川上つよしの話も良かった。矢野顕子は子連れでレコーディングに来て、子供たちが眠くなったらバスドラムの中に入れておく毛布で寝させてたらしいが、毛布臭くないのかしら?
 この映画のもう1つの柱、「Melody-Go-Round」を作る側にも作詞とコーラスに大貫妙子、作曲とギターが佐橋佳幸、ストリングスに葉加瀬太郎、ドラムスが高橋幸宏、キーボードに井上鑑、ブラスセクションには村田陽一とSOLID BRASS、ボーカルはYellow Magic Childrenで「CUE」を唄ったHANA(唄えばまだ13歳とか14歳には思えない存在感だが、しゃべりはおぼこい)。という豪華メンバー。もう80年代ポップスやテクノ大好き世代にはまるで同窓会でも見るような映画。逆に言うと、その世代以外のヒトが見てもつまんないかも。
 評価点は5点満点の4点。ここまでいろんなヒトのインタビューが撮れたのなら、山下達郎・竹内まりあ夫妻の( 下河辺晴三とユーミン夫妻のインタビューも良かったよ)インタビューも欲しかったなぁ、と思います。贅沢かしら。

コレクション2「米・仏・独・英の現代美術を中心に」を観て来た。

 ロンドン・ナショナル・ギャラリー展に続いて、国立国際美術館の所蔵品展コレクション2「米・仏・独・英の現代美術を中心に」を観て来た。
 アメリカからは、マーク・トビー《Night》、モーリス・ルイス《Num》、アド・ラインハート《版画集「10のスクリーン・プリント」》、ドナルド・ジャド《無題》、リチャード・セラ《My Curves are not Mud》、ジャスパー・ジョーンズ《時計とベッドの間》が良かった。
 フランスからは、ニキ・ド・サンファール《アダムとイヴ》、ルイ・カーヌ《No.79-180「君か」》が良かった。
 ドイツからは、ゲルハルト・リヒター《STRIP(926-6)》、ジグマー・ボルケ《恋人たち》、ヨルク・インメンドルフ《絵が呼んでいる(最後の自画像Ⅱ)》が良かった
 イギリスの部屋はどれも良かった。上げればリチャード・ハミルトン《鏡の送り返しA》などインクジェットプリンターで出した3枚、ブリジッド・ライリー《カラード・グレー》の3枚、サイコロで作ったトニー・クラッグ《分泌物》、ジュリアン・オビー《ファイルを持つヒロフミ》、サイモン・パターソン《おおぐま座》かな。
 その隣が他の国々、としてひとまとめにされているんだけど、そこではピエロ・マンゾーニ《非色》の2点、ヴィック・ムニーズ《おもちゃの兵隊》、ヴァルタ・カイヴァーノ《無題》がよかった。まぁ、ジャコメッティ《ヤナイハラⅠ》とかおなじみのは上げてないです。
 評価点は5点満点の4点。満点ってほどじゃないです。

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展を観て来た

 今日は、連日COVID19の感染者数が増大し、「我慢の3連休」と言われている中なれど、事前にこの日で予約しちゃってたものはしょうがない(「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」の時も同じ言い訳してた気がする)、ということで、「インポッシブル・アーキテクチャー ―建築家たちの夢」以来、9か月ぶりの国立国際美術館に行ってロンドン・ナショナル・ギャラリー展を観て来ました。隣接する工事現場では、大阪新美術館(仮称)の姿も立ち上がってきて、来年の完成が待ち遠しいです。
 入場料1,700円の割には舶来作品だからか展示作品は61点とちょっと少な目です。ソーシャルディスタンスを意識してか、結構絵と絵の間隔も広めで、ゴッホの《ひまわり》だけで1室割り当てられてます。完全に別格扱いですな。確かにいろいろな黄色を厚く塗り重ねた輝くような美しい絵ではありますが。でも、ワタシは隣室(Ⅶイギリスにおける フランス近代美術受容)のゴーガンの《花瓶の花》の方も好きですね。あと、この部屋ではセザンヌの《プロバンスの丘》、モネ《睡蓮の池》、ドガ《バレエの踊り子》、ルノワール《劇場にて(初めてのお出かけ)》、ピサロ《シデナムの並木道》など好きな絵が並んでます。さすが、コートールドが集めた絵画たち。ぁ~ぁ、今春のコートールド美術館展神戸展の中止が悔しいです~。
 最初の部屋(Ⅰイタリア・ルネサンス絵画 の収集)に戻って、気に入った作品を上げていくと、カルロ・クリヴェッサ《聖エミディウスを伴う受胎告知》(天からマリアに届く光線の構図はどうやっても無理があるけど)、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《ノリ・メ・タンゲレ》(行かないでアンタ、みたいな台詞が聞こえてきそう)、2つめ(Ⅱオランダ絵画の黄金時代)の部屋では、やっぱりフェルメール《ヴァージナルの前に座る若い女性》とレンブラント《34歳の自画像》が圧巻。他ではウィレム・クラースゾーン・ヘーダ《ロブスターのある静物》の光沢の美しさかな。3つ目の部屋(Ⅲヴァン・ダイクと イギリス肖像画)こそが、本展の神髄のような気がします。どれも良かったですが、上げるとすれば、アンソニー・ヴァン・ダイク《レディ・エリザベス・シンベビーと アンドーヴァー子爵夫人ドロシー》、トマス・ゲインズバラ《シドンズ夫人》、特にトマス・ローレンスという画家は初めて知りました。《シャーロット王妃》も《55歳頃のジョン・ジュリアス・アンガースタイン》も良かったです。
 第4室(Ⅳグランド・ツアー)では巨大な絵葉書とも言えるカナレット《ヴェネツィア:大運河のレガッタ》が良かったです。あとミルズの肖像画見て、リチャード・ミルズってこんなヤツやったんや、と思いました。第5室(Ⅴスペイン絵画の発見)では、ベラスケスのボデゴン(厨房画)《マルタとマリアの家のキリスト》と、バルトロメ・エステバン・ムリーリョの描く子ども(《窓枠に身を乗り出した農民の少年》、《幼い洗礼者聖ヨハネと子羊》)の可愛さには驚きました。あとはフランシスコ・デ・スルバラン《アンティオキアの聖マルガリータ》が良かったです。ゴヤの《ウェリントン公爵》は上手いですが、とてもナポレオンを破った英雄には見えませんな。
 第6室(Ⅵ風景画とピクチャレスク)では、やっぱ本家クロード・ロランの《海港》と、ジョン・コンスタブル《コルオートン・ホールのレノルズ記念碑》の晩秋の雰囲気が良かったです。ターナーの絵は《ポリュフェモスを 嘲 るオデュッセウス》も悪くないですが、1枚しか飾らないのであれば、もっとほかに無かったんんでしょうか?
 実はロンドン・ナショナル・ギャラリーはテイト・ギャラリーなどと一緒に昔観に行ってます。でも1990年に行ったので、翌年できたセインズベリー・ウィングに行ったことがありません。またロンドンに行きたいですね。評価点は5点満点の5点。まぁ、バランス良く展示されているんじゃないでしょうかね。

SOIL & "PIMP"SESSIONS Live 2020 "New Day" に行ってきた。

 一昨日の晩、ビルボードライブ大阪の18:30の回に行ってきた。ビルボードライブ大阪でSOILを観るのは、2013年の「SOIL&"PIMP"SESSIONS (with Special Guest BONNIE PINK) ~10th Anniversary! LIVE CIRCLES~」以来、7年振り。SOILのライブ自体は梅田クワトロ5周年の「RHYMESTER × SOIL&"PIMP"SESSIONS」以来3年振りだ。9か月ぶりの大阪でのライブだそうだが、メンバーはタブゾンビ /Trumpet、丈青 / Piano、秋田ゴールドマン / Bass、みどりん / Drums、社長 / Agitator、栗原健 / Support Saxophone、のいつものメンバー。前回ココで観た時はBONNIE PINKが来てくれたし、今回も「Lonely Dance Club (w/ SOIL&”PIMP”SESSIONS)」の配信が始まったところだし、ゲストにReiが出ないかと期待したんだけど、それはなし。残念。
 なんとなく近日のライブ予定が控えている丈青を立てた展開。前回は満身創痍の時だったから、あまりにショックでそれからSOILのライブ観てなかったんだけど、一昨日のライブはかつての勢いを取り戻してきてたように感じました。でも「DEATH JAZZ」というより、ロックバンドのセッションみたくなってたなぁ。福井の仕事ばっかりしている社長は、SOILの方もちゃんとやってるのかしらん、と思って観に来たんだけど、おとなしくて(ハンドメガホンごしなら、クチんとこエリザベスカラーみたいなの付けとけばコロナ関係ねぇだろが)つまんなかった。最後の《Summer Goddess》のころにはみんなノリノリになってたけど、演奏が良かったわりにはなんかメンバーも客もエンジンのかかりが悪かったような気がしますな。
 評価点は5点満点の3点。ビルボードライブ大阪、メシは相変わらず美味かったけど、ラストオーダーは開演15分前だし、演奏中にビール飲んでるのに、マスクしろって注意されるし、終演後の混雑解消に協力しようとQRコード決済しようと思ったら、ビルボードライブ大阪のWifiに繋がないと処理できない仕組みで、このWifiになかなか繋がんないし(開演中はWifi切ってるとかで、MCの間なら空いてるかと思ったら、決済できないし)、散々だったので、その分で評価下げときます。どうせQR決済やるならなんたらペイに入ったらええやん。

竹内アンナ 1st ALBUM Release BAND Tour 『MATOUSIC』に行ってきた。

 今夜は umeda TRAD で竹内アンナの 1st ALBUM Release BAND Tour 『MATOUSIC』に行ってきた。 umeda TRAD に来るのは初めて。バナナホールの頃は何度か来てたけど、その後は umeda AKASO 時代に Fried Pride のライブに行って以来なのでなんと7年振りにこの地へ来た。コロナ禍とはいえ、無料案内所が点在する相変わらずのいかがわしいところ。ここ数日、COVID19の第三波到来とも言われているけど、平日の晩だけど若い人を中心に結構な人出。もっと驚いたのはumeda TRADに列をなす竹内アンナファンの客層。22歳の竹内アンナに比べて思ったより年齢が高い。どうみても60代くらいのサラリーマン風のひとまでいる(関係者か?)。玄人好みなのかしら。まぁ、結構な歌唱力とギターテクだもんね。英語の発音もLA生まれのせいか、ちょっと違うしね。竹内アンナのライブを観るのは 大阪文化芸術フェス presents OSAKA GENKi PARK 以来(今夜の衣装、OSAKA GENKi PARKと一緒だったな)。その時は、ベースとドラムを従えたトリオだったので、今回もそうかと思ったたら、なんと今回のツアー、当初のバンド構成から変更して竹内アンナのギターソロ。これもコロナ禍の影響か。それはそれで彼女のギターと歌が思う存分聴けるわけで、これもいい。ライブハウスの小さなステージに彼女1人。ギターソロのライブ観るのは2年前のラウル・ミドン以来。彼も芸達者だけど、毛色が違うね。竹内アンナはジョン・メイヤーの影響を受けたそうだけど、できればキザイア・ジョーンズみたいなギタリストになって欲しいな~、と今夜の演奏を聴いてて思いましたわ。ツアーの名前は3月に出たアルバム 『MATOUSIC』(纏うとMUSICの造語らしい)を冠してますが、10月に出たEP『at Four』からも「+imagination」やらいっぱい唄ってました。そいでもって強烈な演奏の合間のMCが関西弁でまったりしちゃうのは、アンジェラ・アキの徳島弁とか、藤井風やperfumeの広島弁とか、なんかギャップにやられますな。リズムボックスのフットスイッチ踏み間違えて演奏止めちゃって、「今、踏み間違えました。みんなそろそろ立ち上がりません?」とか言って最初から演奏やり直すところにもやられました。一人は大変だわ。「グッズのパーカー10枚購入予約取らないと今夜は帰ってくるな」と言われているそうですが、帰れたんでしょうか? 残念ながらないウチにはカセットテープを鳴らす機材も無いし、パーカーも間に合ってるのでワタシは何も買わずに帰りました。
明晩のYouTube「THE FIRST TAKE FES vol.2」にも出るらしいので、是非見たいですが。(あ、無理だ)
評価点は5点満点の5点。あの歌と演奏があんな小さい箱で3,700円見られるなんて、幸せ過ぎるでしょ。また彼女のライブ観に行きたいです。

映画「スパイの妻」を観て来た

 今日はファーストデーということで、TOHOシネマズ西宮OSで映画「スパイの妻」を観て来た。なんと黒沢清監督の映画を映画館で観るのは初めてだ。第77回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞したということで、ミーハーを発揮して観に行くことにしたのだ。受賞を理由に映画を観に行くのは「万引き家族」以来だわ。NHK 8K のドラマの方は観ていない。4k/8kなんていいTV持ってないのでね。
 最近何かと映画のロケ地になることの多い神戸だけど、今回は話の舞台が神戸。税関やグッケンハイム邸とか出てくる。この芝居、貿易商の夫婦を演じる高橋一生と蒼井優の抑えた演技が素晴らしい。もうこれでもかの演技合戦! ここに憲兵役の東出昌大がヒール役で参戦して三つ巴のバトルが繰り広げられる。このままステージに舞台を移して演劇としてもイケそうなくらい。ただ聡子と優作が2ルートに分かれてアメリカを目指すと決めたあたりから終盤で上映されるフィルムの中身は見えてましたね。文雄が優作を売らないと踏んだ聡子も、フィルムの中身をすり替えておけば津森は聡子を減刑すると踏んだ優作も似たもの夫婦ですね~。アメリカで夫婦は見事再会できているといいですが。
 評価点は5点満点の4点。演技合戦は見事でしたが、化かし合いの筋書きはちょっと可愛すぎたかなと。
 

映画「博士と狂人」を観て来た

 昨日はシネリーブル梅田で映画「博士と狂人」を観て来た。直前まで「スパイの妻」とどっち観ようか悩んでたんだが、天声人語(https://www.asahi.com/articles/DA3S14668288.html)を読んで、こっちに決めた。
 やっぱり、アブなオトナをやらせたらショーン・ペンの右に出る役者はいませんな、今回のDr.ウィリアム・チェスター・マイナーもはまり役でした。ジェームズ・マレー博士の方はメル・ギブソン。彼を映画館のスクリーンで観るのは久しぶりだ。こちらも円熟味のある演技でした。
 「オックスフォード英語大辞典」が異端な境遇の二人を中心にして生まれたなんて全然知りませんでした。でも、彼らも素晴らしいけど、マレーを支える妻エイダ(ジェニファー・イーリー)と、マイナーに夫を殺された未亡人イライザ(ナタリー・ドーマー)の関わり方も素晴らしくて、彼女たちがいなくてはこの映画、ここまで深いものになったかどうかわかりません。そしてマイナーに暖かく接する看守のマンシー(エディ・マーサン)もなかなかで、マイナーを収容する精神病院のブレイン院長(スティーヴン・ディレイン)に対峙する様やイライザを遇する様がカッコよかった。
 一方のマレーを支えるファーニヴァル(スティーヴ・クーガン)の慧眼も素晴らしく、最後チャーチルを担ぎ出すところは面白かった。しかし、辞書編纂とは大変な仕事ですな、自分が生きている内に完成をみられないとは。それだけやりがいもあるのでしょうけど。そんな長期的な仕事はやはり周りで支える人たちもしっかりしてないと難しいってことですな。
 評価点は5点満点の5点。事実がベースとはいえ原作も素晴らしいのでしょうね。メル・ギブソンが映画化権を20年も温めていただけのことはあります。彼の晩年の代表作になりますね。

「芦屋の時間 大コレクション展」を観て来た

4A1D6C42-A8C8-451B-B68C-E9CAFB0FBE7C.jpegD2250C5E-0DA5-4F09-B5A1-440F6E3D4D4B.jpeg5BCCADFD-A91A-4CF5-A09B-1FCC78094DE8.jpegF9BEBFC5-10E1-4BC0-A58E-8F819F2226AB.jpegABE54C79-99E6-4A9D-9989-7A8AA85011CF.jpeg25BBAF17-E407-4466-A42B-0850E430F8EE.jpeg73FA1C8D-9FA5-4D0E-8F9A-7E8CBE4031CF.jpegD30E3522-F412-440C-98DB-0D01DA669AFE.jpegBB0A7F24-4313-45F5-8984-456B47ABCAA4.jpeg今日は芦屋市立美術博物館で「芦屋の時間 大コレクション展」を観て来た。芦屋市政施行80周年を記念した大規模な所蔵品展だ。作品紹介のリーフレットもリーフレットというより冊子だ。展示作品も多い上に、通常は作品横にタイトルと一緒に掲示するキャプションが印刷されて配布されているためだ。いいね、この試み。館側は費用かかるんだろうけど。展示数も前期後期で175点、これで入館料500円なんだからお得だ。
 このミュージアムにも何度も来ているので、おなじみの作品も多い。館内入ってすぐのホールには、白髭富士子《白い板》や今井祝雄《白のイベントⅠ》《白のイベントⅡ》が出迎えてくれて、思わずニヤっとしてしまう。おなじみの作品全部挙げていたらキリがないので、例によって気に入った作品名だけ列挙する。松谷武判《流動K-2》《Neon-B》、松谷武判も芦屋と西宮市大谷記念美術館と所蔵する作品の傾向が結構違うのね。淀井敏夫《牛と女と地中海》、近藤南海子《レクイエム-’92-》、木下あずさ《触》、木村敏《女人像》、井上覺造《失われてゆく時》、山崎隆夫《行書富士図(白・黒)》、片岡真太郎《嵯峨野(京を中心とする日本の原風景シリーズ)》、小出泰弘《裸婦》、松井正《大阪の店》《京の店》、大西博文《習作2》、小出卓二《淀川夕景》、山本直治《疎水風景》、仲田好江《詩人(北園克衛像)》、津田青楓《篭の蔬果》、山内国夫《婦人像》、吉田喜蔵《カーニュ風景》、藤田嗣治《ばらと少女》(芦屋にFoujitaがあるとは知らなかった)、伊藤継郎《帽子をかぶった男》、黒田重太郎《網小屋》、小出楢重《ソファーの裸女》(小出姓が3人も出てる)、特に第1展示室では吉田一夫《月の梯》と原田五郎《ストーブ(星との対話)》の並びが一番好きでした。あとは白髭一雄《文》、田中竜児《路》、菅野聖子《マックスウェル光の電磁波説》、吉田稔郎《SEP.》、向井修二《おやばかちゃんりん》、吉原通雄《作品》(吉原姓が3人出てるのは芦屋ならでは)、名坂有子《UNTITLED》、木梨アイネ《青符定量記譜法によるオルゲルプンクトA》、堀内正和《作品-B-》。
 第2展示室では松原重三の写真、ハナヤ勘兵衛《ぺんぺん草》、村上公也《TURN BUCKLE 900-R》、鴨居玲《鳥》、元永定正《あいんしゅたいん》ですかね。
 評価点は5点満点の5点。堪能しました。コスパ良すぎ。
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映画「建築と時間と妹島和世」を観て来た。

 今夜はシネリーブル梅田で映画「建築と時間と妹島和世」を観て来た。妹島和世の大阪芸術大学アートサイエンス学科の新校舎を構想段階から竣工までの3年半を写真家のホンマタカシが撮影・監督した映画だ。「プリツカー賞」受賞歴もある日本を代表する建築家のひとり、妹島和世が設計した有機的なデザインの校舎についてのドキュメンタリーということでかなり期待して観に行ったんだけど、期待外れだった。私が何に期待していたかというと、妹島和世が校舎の模型を前に3次元形状の丘陵を模した一枚屋根の3層構造で構想が固まったので見積もりを学校側に提示したら、予算オーバーとのことで、2次元のラインを基準にした屋根4枚で同様の丘陵のイメージを形作ってコストダウンを図った、ってサラっとその模型を前に語ったり、四角い屋根でもイケるんじゃないかと作り出して構造解析してみたらビルみたいになっちゃったとか、ってやっぱりサラっというんだけど、白い模型が出てくるだけで、BIMソフトとか3次元CG画像とかCAEのデータとか一切出てこない。きっとホンマタカシが撮りたい絵しか撮らなかった結果だな~っということで、「3次元も使うけど、ワタシは模型」という妹島の模型を前にした語りと現場視察の映像と竣工後のワークショップの絵しか出てこない。建築現場のタイムプラス動画なんて眠たいだけだ。もっと妹島建築のキモとか見えないかと期待していた向きにはガッカリな内容。絵的には雨の滴る新校舎の映像は美しかった。ほんと、そんだけ。
 評価点は5点満点の2点未満。テレビの特番でももっといいのが撮れそうなもんだがな、ガッカリだ。

OSAKA GENKi PARK 1日目に行ってきた

 今日は大阪万博記念公園に行ってきた。今年はガンバの試合もアメフトのXリーグも観に行ってないので、万博公園方面に来るのは今年初めて。本当は今日はSIRUPの「Playlist TOUR 2020」でZepp Nambaに行く予定だった日なのよね。しかしこれもコロナ禍で来年に延期になっちゃってポッカリ予定が空いちゃってたのよね。そしたら、FM802で「OSAKA GENKi PARK」ってイベントがあるって聞いて、いつもは野外フェスって夏場が多くて閉口してたんだけど、今は気候もいいしね、今年行くつもりだった韻シストpresents 『OSAKA GOOD VIBES 2020』も中止になっちゃし、2月の Ezra Collective 以来、全部延期か中止でライブに全然行けてないし、野外フェスでもなんでもいいや、ってんで早速チケット入手した次第。
 「OSAKA GENKi PARK」って多分かつての「御堂筋パレード」枠のイベントの代わりよね、時期的に。今日と明日は万博公園を借り切って、「OSAKA GENKi PARK」のチケット持ってない人は入れないそうで、台風14号の影響でヒト少ないかもなぁ、と思って来てみれば、入場者判別のリストバンド付けるための待ち行列がモノレールの万博公園駅出たところから駐車場をぐるっと回らされる格好で長い行列になってる~~。みんなフェスに飢えてたのね。なめてたわ。このイベント、リストバンドと一緒に黒田征太郎氏デザインの畳一畳はあるかというオシャレなレジャーシートも受け取ります。なんと万博公園、昨日までの雨でズブズブにぬかるんでますので、このシート無しでは芝生広場といえども座れません!ほんとシートがあってよかったよ。それから「OSAKA GENKi PARK」のアプリもダウンロードが必要で、会場来る前に問診データの登録をさせられます。でもこのアプリ、会場地図(会場が広くて往生したわ~~)やら自分が観たいアーティストの出番を教えてくれたり、前の方の席の予約が取れたりとなかなか便利です。おかげで私は sumika とビッケブランカのライブは前の方で観られましたわ。
 今日観れたのは、竹内アンナ(実は来月に延期になってる梅田Tradでのライブチケットもあるんだがな)、sumika、岡崎体育、ビッケブランカ、Ms.OOJA、KREVAの6組。しかし、西の端のChillin Vibes のステージから、東の端の東の広場のステージまではとんでもなく遠いぞ。Chillin Vibes で竹内アンナ見終わって、20分後の開始の sumika のステージに間に合わせるなんて、ぬかるんだ道を人ごみかき分けて走るしかない~~! いやぁ、もうステージ間の移動だけで疲れたわ。靴はドロドロ、泥ハネでジーンズまでドロドロ。長靴履いてきた人が正解。ライブの時は靴脱いで広いシートの上でくつろげるしね。
 さて、観た感想だけど、竹内アンナは新曲がFM802のヘビーローテーションにも選ばれて、現在赤丸急上昇中! Chillin Vibesの小さいステージで間近で観られてよかったわ。来月のライブも期待しております(延期になったりして~)。
 sumikaも久々のライブで舞い上がってたね、春から良く寝て視力が11.9に上がったそうだ。
 岡崎体育ってのは曲のセンスはあるけど、自分でも突っこむだけあって、やはり歌唱力に難ありだね~。ライブには向いてない気がするが。Nobelbrightの方観とけばよかったな。
 ビッケブランカのステージには、大商学園高校ダンス部のみなさん?が参加されて、なんともにぎやかなライブ。ダンサーに目がいっちゃって、ビッケブランカの方に集中できんかった。このステージにはさらに松本大と岡崎体育もゲスト出演。なんとも豪華なライブでしたわ。ソロでは1曲も演ってなかったよな。
 その後、はじめは山本彩のステージ観に行ったんだけど、下手なんで1曲で聴くのやめて、上手い人聴きに行くことにして、またもやChillin Vibesまで遠足~。Ms.OOJAのステージを観に行きました。今日一番良かったかな。「異邦人」がサイコーでした。新しいカバーアルバムも聴きますわ。
 最後はKREVA。ラッパーとしては宇多丸の方が好きなのよ。だってKREVAは理屈臭い。今日もそうだった。でも、SONOMIとの共演は良かったね。
 その後、BIGINやウルフルズも観たかったけど、もう足にきましたので、退却することにしました。どのアーティストも久々にお客の前でライブする喜びを訴えて、お客さんや、雨の中懸命に会場設営・運営してくれているスタッフに感謝してて、ホント演る方も観る方も幸せなライブでした。明日はもっと天気いいでしょうから、もっと幸福感たっぷりの一日になるんでしょうな。アタシは行けないけど。明日も milet やらマカロニえんぴつ、緑黄色社会、GLIM SPANKY、LOVE PSYCEDELICO、フジファブリック、あ~観たいのばっかり。しょうがない、12月にスペースシャワーTVで観ることにしよーっと。
 評価点は5点満点の4点。ぬかるみ分をマイナスしました。来年も10月にやらないかしらね。暑い時期はイヤなのよ。
 
 
 

西宮市大谷記念美術館の<展覧会とコレクション>2 ひろがる美術館ヒストリーを観て来た。

 今日は西宮市大谷記念美術館の<展覧会とコレクション>2 ひろがる美術館ヒストリーを観て来た。同館の収蔵品から1997年以降に企画・開催した現代美術作家の個展に焦点を当てた展示を行っている。なので、私が観に行った個展の作家の作品展示もあり、なんとなく懐かしくみることができた。出品作家は以下の16名(植松奎二・藤本由紀夫・松谷武判・渡辺信子・太田三郎・大久保英治・杉浦康益・塚脇淳・石原友明・パラモデル・川村悦子・正延正俊・元永定正・山口啓介・栗本夏樹・國府理)。そのうち私が観た個展は4つか5つだと思う。ところで、本展は今日が最終日。あぶなかったよ。
 気に入った作品は、植松奎二《揺れるかたち-自重》・《水平の場》(←頑張ってるでしょう的な)、藤本由紀夫《ECHO》(←これ上下対象の文字だから成り立つのよね)・《HORIZONTAL MUSIC》(←18個全部のゼンマイ巻きました)、松谷武判《繁殖15-1》(←3点展示してたけど、その中ではコレ。でも、展示してない他の作品の方に好きなのあるんだけど)、渡辺信子《Green and Green-Stripe》(←幅6mの大作。これ欲しいです~~、端に近づいて斜めに反対の端を見通した時の感じがたまりません!)、太田三郎《ヨウシュヤマゴボウ》・《セイヨウタンポポ》・《センダングサ》(←20点組の和紙で種子を挟んで切手状にプリントした作品群、そのうち気に入ったのは3点)、大久保英治《Tarbat Ness 1,30 July 1998》(←ランドアーティストって言葉、初めて知りました。なんか標本みたい)、杉浦康益《朽ちゆく山百合》(←陶の感じが枯れかかった花にちょうどいいように思えたので)、パラモデル《残存と消失の風景 #007》・《残存と消失の風景 #011》(←ライトオンしたラジコンカーを暗い倉庫で走らせて長時間露光で撮影するっていう着眼点がステキ)、川村悦子《ありふれた季節Ⅱ》(←ⅡよりⅢが見たかった)、元永定正《作品65-1》(←カンバス傾けて流した感じがいいわ)、山口啓介《4つの黒船》(←シブイ重厚感)、栗本夏樹《島の絵》(←これも欲しい~)、國府理《Parabolic Garden ROBO》(←2013年の個展で作家当人が作品を動かすところも観ていたので、返す返すも作家の早世がもったいない)。
 評価点は5点満点の4点。入場料500円で36作品、1時間強の観覧だったけど、楽しめました。「ひもとく」、「ひろがる」、ときたら次はなんでしょうね? 「ひっかかる」とか。 次回も楽しみにしてます。

離婚した。

結婚したのが1994年12月だから、25年と9ヶ月目のジ・エンド。銀婚式過ぎてから離婚するとは思わなかった。お疲れ様>オレ

映画「TENET」を観て来た。

 今日はTOHOシネマズなんばまで映画「TENET」を観に行ってきた。なんでなんばかというと、IMAXで観たかったから。TOHOシネマズ西宮OSだとMX4Dはあるけど、IMAXが無い。本作は以前からIMAX向けに撮ってるクリストファー・ノーラン監督だし、是非IMAXで観たかったのだ。大阪だと万博公園に日本最大級のIMAXレーザーの109シネマズ 大阪エキスポシティがあるけど、さすがに万博公園まで行くのは、ってのと、IMAXとかMX3Dは料金上乗せで高い。いつもTOHO~で観てるから、ちょうど6本行くと1本無料になるサービスが使えたので、それを使って観て来た。やっぱ画面がデカいね、IMAX。見ごたえあるわ。でも、大画面いっぱいにあの逆回しアクションが展開されると、焦点が絞れずにあちこちに目が行って大変だったわ。なんたって、画面に現れる情報量が多い。クライマックスのスタルスク12での戦闘シーンなんか、赤腕章の順行軍と青腕章の逆行軍、別働で動く主人公とニール、これらと対峙するセイターの一味、同じビルが順行軍の攻撃と逆行軍の攻撃で壊れるシーン、とかしっちゃかめっちゃかの状態が大画面のあちこちに展開する。もう頭パンクしそう。
 一方、大画面でなくても分かりにくいのが、順行と逆行の車が入り乱れるカーチェイスシーン、主人公が逆行モードに入ってから、順行モードの時の不思議が種明かしされていくんだけど、それでも分かりにくい。ニールのストラップとか見落としちゃいけない情報も最初のオペラハウスのシーンから散りばめられてるし、一瞬たりとも息が抜けない。おまけに同じ人物が1つのシーンに順行と逆行でダブって出てくるからセイターとニールと主人公の3人はどっちのヤツなのか注意してないといよいよこんがらかる。
 主人公役のジョン・デビッド・ワシントンってデンゼル・ワシントンの息子なのね、初めて知りました。今後の活躍に期待しますわ。自己犠牲に活きるニール役のロバート・パティンソンもカッコよかった。セイター役のケネス・ブラナーとそのDVに苦しめられる妻キャット役のエリザベス・デビッキは、007の映画をやりたがるクリストファー・ノーランによるいかにも007に出てきそうな悪役とキーとなる女性役で、クロスビー卿役のマイケル・ケインや研究者のバーバラも含め、この辺は007へのオマージュかしら。プリヤ役のディンプル・カパディアはMというよりはマトリックスのオラクルっぽいかな。しかし、どのキャラも薄っぺらい感じ。「インターステラー」とは大違い。雰囲気としては「インセプション」の方が近いかも。
 時間逆行のアクション映画というと、トム・クルーズの「オール・ユー・ニード・イズ・キル」なんか、単純で面白かったけど、この「TENET」は分かりにくい。もう2回ぐらい観ないとわかんないわ、コレは。なんたって、巻き戻しやジャンプじゃなく、順行と逆行の混在(挟撃作戦)だもんね。評価点は5点満点の4点。分かりにくさとキャラ付けの雑さが玉に瑕かしら。

映画「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を観て来た。

 昨日はTOHO西宮OSで映画「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を観て来た。もともと、TVシリーズの方は全話観ていたので、映画化も楽しみにしていたんだが、京都アニメーションの昨年7月の放火事件で、大幅延期になって、一昨日ようやく封切りを迎えたこの映画。当初1月公開と言われたものが4月になり(劇場に掲示してあるポスターでは4月24日封切りになってる)、やっと9月18日に封切りとなったのだけど、待ってたかいがあった。当日の入場者には、原作者・暁佳奈による書き下ろし短編⼩説冊⼦「ベネディクト・ブルーの菫」「オスカーの⼩さな天使」「ヴァイオレット・エヴァーガーデン If」の3種がランダムで配布されていて、私がもらったのは「ベネディクト・ブルーの菫」だった。
 映画の方は、TVシリーズ第10話のマグノリア家のあのアンの葬儀の後、アンの孫がアンの母クラーラがアンに宛てた手紙を見つけて、それを代筆したヴァイオレットの足どりをたどる旅から始まる。多分もホッジンズもヴァイオレットも他界したか、もう一線を退いて大分経ったという時代設定。はてさて、TVの名場面をこの孫娘がトレースする、TV総集編的映画ではなかろうな、と訝りはじめたところで、時代が遡りヴァイオレット・エヴァーガーデンの登場。よかったよかった。ストーリーはみんなが一番気になっていたところにきっちり決着を付けてくれて満足してます。もう、場内あちこちからすすり泣き(男のも聞こえたな)は聞こえるし、空席を挟んで隣の席の女の子なんか、膝小僧かかえて泣いてるし、ファンには一番嬉しい結果になったと思う。背景の映像もむっちゃキレイで、一緒に島まで行った気分になった。
 しかし、映画でのヴァイオレットの客のユリスの4通目の手紙が電話になったり、その模様が電信で島に伝えられたり、ライデンの街に電波塔が建てられたりと、手紙の出番がどんどん少なくなっていく雰囲気があちこちに出ていて、アンの孫の時世では自動手記人形サービスは廃れて、C.H郵便社も公有化されて、かつての社屋は博物館化されている。でも、エンディングで老夫妻になった二人をエンドロールにちらっと出してもよかったんじゃないかな~、あ、そうなると最後の指切りのシーンが出せないか。
 ともあれ、長い時間と距離を経て、「あいしてる」が伝わってよかったよ。評価点は5点満点の5点。TVシリーズ観てないとわかんないという条件付きだけど。

舞台「三谷幸喜のショーガール~告白しちゃいなよ、you(Social Distancing version)」を観てきた。

 一昨日の「大地」に続き、今夜はサンケイホールブリーゼで「三谷幸喜のショーガール~告白しちゃいなよ、you(Social Distancing version)」を観てきた。
「三谷幸喜のショーガール~告白しちゃいなよ、you(Social Distancing version)」「三谷幸喜のショーガール~告白しちゃいなよ、you(Social Distancing version)」  「「「 「 「大地」は帰省をとりやめてからチケット手に入れたんだけど、「ショーガール」は元々今日の夕方にはこちらに戻って来てコロナ禍以降最初に観る舞台として予定していた。結果的には「大地」が先になったんだけど、まぁ先に「大地」観といて良かった。川平慈英が「大地」の映画スターのブロツキー(山本耕史)の歩き方をパロったりしてたから、楽しめた。「ショーガール」は今夜と明日、「大地」終演後に演るんだけど、「大地」と「ショーガール」を通しで観るヒトってどのくらいいるんだろう?今夜だったら夕方5時から夜10時45分ぐらいまでずっとブリーゼの中だもんね〜、ロビーじゃ飲食できないし、ちょっと大変よね。ただ、夜の8時30分から「ショーガール」みたいなショウが街中で毎晩演ってると、海外からの旅行者が戻って来た時に需要がありそうな気がする。来年あたり大阪のどっかにこんなレビューを毎晩演る小屋できないかしら?
 さて、今日も大阪コロナ追跡システムとCocoaと半券の裏に連絡先書いてチェック済みのリストバンド(一昨日の「大地」より1手間増えてる!)を巻いて体温チェックと手の消毒をしてようやく入場。この観客数に大ホール並みのスタッフ置いて採算合わないだろうな〜。
 なんと舞台は「大地」のセットそのままです。最上段に左手からピアノ(萩野清子)、ベース(一本茂樹)、ドラムス(萱谷亮一)が陣取ってる状態で川平慈英とシルビア・グラブが登場してスタート。2幕構成の前場はあのセットをホテルの一室に見立てて、中央の机でシルビア演じる脚本家と配管からの騒音の原因調査に呼ばれた川平慈英演じる配管工の二人ミュージカル。後場は川平慈英の演じる騒音の原因を作った上の部屋のヒトの小芝居の後、告白をテーマにした曲構成のレビューがスタート。いやぁ、素晴らしかった。シルビアの歌う「calling you」とか鳥肌立ちました。衣装替えの時間繋ぎの萩野清子の輪投げも3つとも決まって(着替え間に合わなかったみたいだったけどね)、よくやりますな、皆さん。
 しかし、マスクはもちろん、フェイスガードもするし、手袋もするし、二人が近づくと警報がなったり(そんな状況なのに1曲めが「cheek to cheek」なんて選曲にもワサビが効いてる)、歌う途中でも手の消毒したり、二人の間に衝立立てたり、飛沫防止だってんでビニール傘さしたり、とことん、今のショーがやり難い現状を逆手にとって笑わせてましたね〜、感心しました。最後は衝立破って二人が並んで腰に手を回して立ったところでは、これまでならなんてことないポーズなのにちょっと感動しちゃいました。
 評価点は5点満点の5点で。「No Stage, No Life.」の意気や良し、です。

舞台『大地(Social Distancing Version)』を観て来た

 昨夜はサンケイホールブリーゼで三谷幸喜作・演出の新作舞台『大地(Social Distancing Version)』を観て来た。コロナ禍で芝居が見られなくなって、芝居やミュージカルを観るのは2月の『キレイ―神様と待ち合わせした女―』以来だ。この半年、舞台で役者が演技するのを見られなかったわけだ。三谷幸喜の芝居となると、なんと2014年の「国民の映画」の再演以来となる。一時期は三谷幸喜の芝居にハマっていたんだけど、すっかり食傷気味になって、ずっと遠ざけていたのだ。今回も別に三谷幸喜の芝居だからというよりもコロナ禍の時世になって初めてのメジャーな公演がこの「大地」だったというわけで、単に舞台に飢えていただけです。
 三谷幸喜によると、この新作のプロットは昨年から考えていたそうで(当たり前だが)、このコロナ禍の状況を踏まえて作られた芝居ではないのだそうだけど、それにしてはオープニングの三谷本人による築地小劇場からの~のアナウンスからして、満足に芝居ができなかったこの半年の俳優・演出・舞台を支える人々の気合いの乗ったストーリーになっている。物語の舞台は、「とある共産主義国家の収容所。独裁政権が遂行した文化革命の中、反政府主義のレッテルを貼られた俳優たちが集められ、政府の監視下で広大な大地を耕し、家畜の世話をしていました。」という設定で、セットの転換は無し。ずっと収容所の第3チームの宿所(板張りの通路で碁盤の目のように仕切られた中に9マスの空間、内上中段の6マスにはチームメンバーのベッドが1つずつ置かれており、それぞれのベッドの主は基本、そのベッドの上や傍らで演技する、これもソーシャルディスタンスか)でストーリーは進んでいく。
 ストーリーはその宿所に「無駄な筋肉(by藤井隆)」を強調する映画スターのブロツキー(山本耕史)が加わるところからスタート。コロナ禍で筋トレばっかりしていて一層筋肉が付いたのだそうな。女形の役者ツベルチェクを演じる竜星涼って初めて知りました。もう俳優歴10年にもなる役者さんなんですね、覚えときます。パントマイムの第一人者で湿布欲しさに仲間を売るプルーハ(浅野和之)は、さすがの演技でしたね、強風に立ち向かう演技はが〜まるちょばにも負けてません。ピンカス(藤井隆)は大物役者の揃う中、唯一の大道芸人。こちらもストーリーにいいアクセントになってました。演劇を学ぶ大学生ミミンコ(濱田龍臣)は演技はまだまだですが、皆に可愛がられています。芝居のナレーションも務めてます。他には”座長”と呼ばれる大御所俳優のバチェク(辻萬長)。役者兼演出家のツルハ(相馬一之)というそうそうたる俳優陣がメンバーで、そのチームの指導員で芝居好きのホデク(栗原英雄)と、チームの連絡役を務めるのが、主演のシャバでは三流役者兼大道具だったチャペック(大泉洋)。さらにホデクの上司である政府役員のドランスキー(小澤雄太)がいます。男性の宿所なのでオトコばっかりです。
 この芝居、2幕構成(休憩15分)のおよそ2時間50分の芝居ですが、長さは全然感じませんでした。(コロナ禍の最中なので休憩無し2時間以内に納めてくるかと思いましたが、そういう配慮はなかったようですね。)
 1幕は女形のツベルチェクがドランスキーの慰み者にされるところがヤマ場。慰み者の報酬である「ゆで卵」に反抗してメンバーが身振り手振りと会話だけで豪華な晩餐を演じて見せたところはさすが~としか言えません。ただ、そこにもいちいちミミンコのコメントが入るのがちょっと鬱陶しかったかな、お前(ミミンコ)が感じてることなんざ、観客みんな感じてるって。その晩餐にチャペックが入れないあたりから終盤への布石はできていたのかなぁとは思いましたね。
 2幕はなんと、女性収容所にいるミミンコのダンサー志望の彼女・ズデンガ(まりゑ)とミミンコを引き合わせる、というイベントからスタート。ここで唯一の女性が登場。ズデンガも入れてホデクの書いた脚本の芝居を再構成していい劇中劇を作ってめでたしめでたし、というハナシになるのかしら、と思いながら観てましたが、私の予想は甘かったですね、お芝居は苦~い方向に進んでいきます。でも、宿所でのドランスキー引き留め工作の数々は面白かったですね。バチェクの小芝居サイコーでした(「お前の目をよく見せてくれ」って言われたドランスキーがバチェクの正面に回ったところで、舞台上の他の役者陣から正面はダメ、正面はダメ、横に並んで、ってツッコミ入ったのは当世流のギャグですかね?)。ブロツキーの将校はホントに映画スターかよ?という面白さだったし。ただ、惜しむらくは、谷の向こうに行くことになった時のチャペックの振舞いがちょっとわざとらしかったかなぁ。チャペックが演技下手の想定だからって大泉洋まで下手になったらあかんのでは?
 ということで、大笑いもさせてもらいましたし、「セットも照明も無くても役者さえいれば芝居はできる」「いや観客がいなければ芝居はなりたたない」という三谷流演劇論も拝聴つかまつりましたが、評価点は5点満点の4点です。

「動く!美術 ―動きはどう表現されてきたか―」を観て来た

 毎月第2日曜日は兵庫県立美術館の常設展が無料になるので、猛暑の中、避暑に行くことにした。美術館は涼しいからね~。
 表題の「動く!美術―動きはどう表現されてきたか―」は常設展示室1~3の展示。
 第1章 命の鼓動 ―動く人・動く動物― では労働や舞踊などヒトの動きをテーマにした展示。中西勝《日本アクロバット》、斎藤真成《漁夫》、金月炤子《モダンダンサー》、津高和一《MAN》《像》、イタタニミチコ《無題(「ハイポイント・コンタクト」より)》、東山嘉事《題名不詳<フムフム曼荼羅>》、マリノ・マリーニ《馬と騎手》の連作が良かった。
 第2章 うつろう自然 ―ゆらめく水 かがやく光 そよぐ風― は風景画が多い。金山平三《無題(港)》の水面のきらめきや、水族館に行きたくなる高松次郎《無題(#1090)》、大岩オスカール《雷雨》(雷雨というよりゲリラ豪雨にしかみえないが)、FRPで作った上面が波立つ黒い箱が面白かった福岡道雄《波・北風》、夢の中の景色のような高橋忠雄《森の詩》が良かった。
 第3章 奔る線 踊る色彩 はゲンビな作品が多かった。観たことある作品ばかりだった。
 第4章 天のしるし は 野村仁《‘Grus’ Score》シリーズの写真プリントと音楽も流しながらその楽譜のセットでの展示が良かった。「九州派」の菊畑 茂久馬《天動説-二》も展示されていた。今年5月22日に85歳で亡くなったそうだ。あとは銀行の表玄関に飾ってそうな鹿田淳史《宇宙の華》が良かった。
 常設展示室4は「表現主義の版画」。エゴン・シーレ《うずくまる女》《アルトゥール・レスラーの肖像》《悲しみ》《少女》の4作が観れて良かった。カンディンスキーの作品も観れてよかった。あとはエミール・ノルデ《汽船(大きく暗い)》《家族》が良かった。
 常設展示室5は「近現代の彫刻」。こちらもみたことあるヤツばっかりだった。
 常設展示室6は「洋画・日本画の名品―時代は動く、美術も動く―」では、阿部合成《見送る人々》、和田三造《朝鮮総督府壁画画稿(三幅対)》、亀高文子《志那の少女》、どうみても《ゲルニカ》を真似たでしょうという感じの山本敬輔《ヒロシマ》、もこもこした立体感がいい感じの喜谷繁暉《作品》、マンガチックな浜田知明《情報過多人間》が良かった。
 小磯良平記念室も観て来た。《T嬢の像》とか展示されてたが、久々に観て思ったのは、上手いじゃん、小磯良平!(失礼だな、今さらかよ)だ。《外人肖像》は初めて観た。《洋裁する女達》と《横臥裸婦》が良かった。
 金山平三記念室も観て来た。暑いからか、《秋の庭》や《秋たけなわ》《風景(諏訪湖)》など秋冬の絵にばかり目が行った。
 評価点は5点満点の4点。総じて楽しめました。