映画「海辺の映画館 キネマの玉手箱」を観て来た

 今日は8月1日ということで、久々にファーストデーの映画館に行って来ました。観て来たのは大林宣彦監督の遺作、「海辺の映画館 キネマの玉手箱」。ずっとコロナ禍で公開が延期になっていたんだけど、ようやく昨日から公開になったらしい。この映画は戦争って何? 戦争なんてくだらない、戦争なんかで死んじゃいけない、我々は平和を希求すべきだ、という大林監督の壮大な遺言の様な映画。オープニングは高橋幸宏が40年もの間、宇宙(時空?)を旅したあげく、今夜の戦争映画オールナイト上映で閉館するという瀬戸内シネマにやってくるところから。映画館でかかる映画は、戦争映画オールナイトのはずなのに、なぜか戦後チャンバラ映画よりもGHQの承認が得られやすかったという和製ミュージカルから始まり、戊辰戦争の無声映画~トーキー(無声とトーキーの間を行き来するので近藤勇の声が出たり、字幕になったり)、アクション(戦争映画は娯楽アクションとしても消費されたとのご主張)、と過去からのいろんな映画表現をぶち込んで、映画の歴史や、戦争の歴史が語られていく。観てたらなぜか「ヒューゴの不思議な発明」を思い出したわ。観客の若者が映画に入りやすいようにか、全然第2次大戦以降の最前線の戦線での戦闘シーンとかはなくて、戦争していないところでの兵士の振舞いの醜態を見せて、敵よりも味方に殺されることの方が多かったとか、先を見据えた指導者がいれば(途中で暗殺とかされなければ)くだらない戦争に突入しなかったのに、とかスクリーンに大林監督の主張がどんどん映像として流されていく。個人的には武器商人でもあった坂本龍馬や、西南戦争という終わらせ方しかできなかった西郷隆盛に肩入れし過ぎているのはいかがなものかとは思うけど、まぁ、戦争反対の主張には何ら異論はない。映画の底流に流れているのは中原中也の詩。場面ごとに挿入されてくる詩が予想しやすくて、画面に出てくると「キターっ」って感じ。
 どうもこの映画最初から最後まで引いた感じで観ちゃったのは、映画館で観客の若者が惹きこまれるヒロイン希子役の吉田玲がお人形っぽくてどうしても好きになれなかったからだろうなぁ。なんか生身の女の子の感じがしない。あれなら座敷童のコの方が良かった。今回TOHOシネマズ西宮OSで観たんだけど、上映前の映画紹介とラグビー番組でしか観たことがことがなかった山崎紘菜が出ててびっくりした。一応役者だったのね。沖縄のシーン良かったです。でも、女優陣では成海璃子と常盤貴子は良かったかなぁ、とは思うけど、あんまり引き込まれるヒロインはいなかったので、映画館でスクリーンの中に入りこんじゃった若者3人(厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦)みたいにはこの映画に入り込めなかったのね。そんな男優陣では笹野高史が何役もやって大活躍でしたな、面白かった。他の男優陣はみな自分の十八番(ナンちゃんが能を舞うとは思わなかったけど)を披露してるだけっぽくて(脚本があてがきなんだろうけど)なんだかな、という感じ。とはいえ、まぁ、こういう映画もあるんだなぁ、という勉強にはなりました。情報量は多大なので、3時間という映画の長さは全然気になりませんでした。あっという間の3時間でした。評価点は5点満点の3点で。

「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」を観て来た

2431C197-8110-4F98-965A-04ECE29CC672.jpeg786E6055-689C-4B0F-BB39-3A419DE023CA.jpeg0CC6DE55-1F69-4FE7-B105-5E69C030F3F2.jpeg 今日は兵庫県立美術館で「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」を観て来た。美術展に行くのは4月の西宮大谷記念美術館での「メスキータ展」以来。県美に行くのは2月のゴッホ展以来だ。本展は鑑賞日時を予約制にしている。同時期にここで開催予定だったテオ・ヤンセン展は中止されている。美術館もなかなかフラっと観たいときに観るってわけにいかない世の中にちょっとストレスを感じます。だって、今日大雨警報も出てるし、COVID19の感染者も増加傾向だし、鑑賞日時指定のチケットを購入済みでなければ遠慮したかったわ、今日の鑑賞。
 と、ぶつぶつ言っててもしょうがないので、傘さして県美へ行って来ました。デザインやテキスタイルみたいなのを展示している催しに行くのは昨年の「ラウル・デュフィ展」以来。ミナ・ペルホネンの展示は、4年前にマリメッコ展観た時からずっと観たかった催しだったので、やっと観れた―って感じです。
 まず階段を上がって3階の展示室へ入っていくところに50cm角のクッション330個を大壁面にぎっしりタイルのように貼り付けた《雲》が出迎えてくれて、その規模感に圧倒されます。
 第1の部屋は「実」。壁が目の覚めるような鮮やかな黄色に塗られた部屋で、資料やビデオを使ってミナ・ペルホネンの代表的なデザイン「タンバリン」について詳しく説明してくれます。あのクチクチっとしたタンバリン型の花一輪に6930mmの糸が使われているとは驚きです。そして専用の編み機で9分37秒かけて編み上げられます。いやぁ、手間暇かかってます。この部屋の作品では《pallo(2016)》とウサギのクッションが良かったです。
 第2の部屋は「森」。広くて高い天井の空間に390着の洋服が森のごとく四方の壁全面に天井に届く高さまで吊られています。またまた圧倒されました。みんな好きなデザインの服を探しながら観ています。この部屋は撮影可です。
 第3の部屋は「芽」。デザイン画がいっぱい(120点以上)展示されています。ここも撮影可です。《カーニバル》、《アリエル》、《ポム》、《シンフォニー》、《プレジャーハーブ》、《ミナモ》、《フラワーバスケット》、《アァルト》、《スウィング》、《トライアスロン》などが気に入りました。どっちかというと、私は皆川明より田中景子のデザインの方が好みみたいですね。作者名が分かって初めて分かりました。ここも撮影可です。
 第4の部屋は「風」。藤井光氏が制作した、ミナ・ペルホネンを着るひとの日常を描いた映像です。
 第5の部屋は「根」。皆川明氏の描いた新聞のコラムや連載小説の挿絵を展示しています。《思春期と鳥》、《おそろい》、《休日》、《雲になった一羽の鳥》、《気持ちの形》、《LIFE》、あと馬の顔に森が描かれている絵やダリみたいな絵、人の顔や、鳥がシンメトリックに描かれている絵、が気に入りました。ここも撮影可です。「はいくないきもの」は絵より上の句が難しくて絵に魅入れませんでした。新作の絵も良かったです。
 第6の部屋は「種」。皆川明や田中景子のアイデアの出発点に関するモノが展示されています。スケッチブックなどもあります。皆川明が啓示を受けたというコートも普通に掛けられてます。あと制作の様子や、工場での染めや編みの工程もビデオで見られます。ものづくりが好きなヒトにはたまらない展示ではなでしょうか?ただ、《シェルハウス》は屋内展示用だからかもしれませんが、ちょっと小さくありませんか?私は鴨居に頭が当たりそうです。階段もごっつい狭くて急だし。バンガローに毛が生えたってところでしょうか。デザインはかいますが、住環境としては現代人には手狭です。
 第7の部屋は「土」。実際にミナ・ペルホネンの洋服を着ている方々から、思い出の一着をお借りして、アクリル板に挟んで、表面にその思い出が書かれている、という展示。なるほどね~っていう感じの展示です。
 最後の部屋は「空」。ミナ・ペルホネンの歴史年表と主なイベントのビデオ、皆川明へのインタビュー映像が展示されています。
 全部回ると、すっかりミナ・ペルホネンのファンに、もともとファンのヒトはもっとファンになる仕掛けになっています。でも、最後のお土産屋さんに寄ると、そうだった、手間暇かかっているからミナ・ペルホネンの製品は高いんだった、と思い出して我に返る次第です。
 評価点は5点満点の4点。よくできた展示ではないでしょうか? しかし、上着やワンピースやスカートはあるけど、パンツはデニムぐらいしかイメージないですね。そこがちょっと不思議。

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映画「コンフィデンスマンJP プリンセス編」を観て来た。

 ロマンス編も観ている私としては、今回のプリンセス編も当然観ます。COVID19の影響で公開が2か月半くらい遅れたそうで、こちらも首を長くして待ってました。この映画も当初のスケジュール通りに公開されているような状況なら、ジェシーも仕事が忙しくて自殺なんて考える暇もなかったと思うだけに、残念で仕方ありません。三浦春馬さんのご冥福をお祈りいたします。その衝撃もあって、今回は東京366人、大阪104人、愛知98人の感染者が発表された、今年あったハズの東京五輪用に用意された四連休の初日、マスク着用で不要不急の映画館へ公開初日での鑑賞に行って参りました。
 出だしの水上機のシーンがなんか合成CGっぽい絵で、フウ一族の子どもたちがセレブというには貫禄不足な感じで始まったので「え?」って感じだったんだけど、終盤になれば貫禄不足に見える配役にも納得。しかし、ビビアン・スーと「ミュージック・ティーチャー」古川とEXILE白濱が登場したシーンはファッションショーかと思った。
 コックリ(関水渚)が小汚いグズからプリンセスまで変化するところは芋虫が蝶になるようではあったけど、モナコ(織田梨沙)に比べるとキャラが弱い。純で真っすぐな設定だからそれでいいのか。
 ジェシーは赤いスーツが似合うよね~。でも、オネエサン2人を部屋に連れ込んだ時点で終盤の投げナイフのところは先が見えちゃいましたね。そいで、ロマンス編でリチャードがやった役回りにはスタア。オープニングでも活躍してました。大阪でのバックアップに鈴木さん。波子の使い方が絶妙でしたな。
 レギュラーメンバーの方は今回、ボクちゃんはボディガード役ってことで大活躍。五十嵐も出番がむっちゃあって、なんとデヴィ夫人とのロマンスとは~~、今回一番幸せなエンディングを迎えたんじゃないか>五十嵐。リチャードもロマンス編より仕事してた感じ。
 ロマンス編は中々心を開かないラン・リウを相手に、ジェシーとダー子の凌ぎ合い&ロマンスがやきもきさせて面白かったけど、ラン・リウにスタアを送り込んで、最初から赤星をカモにする筋書きだったから、巻き戻しのシーンも面白かった。でもプリンセス編はフウ一族のセレブ達(レイモンドも含む)にダー子が翻弄されて予定が狂いっぱなし。でもセレブとはいえ素人相手だから、仕掛けが単純。おまけに赤星が絡み始めたところからは、ダー子側も「いつものペース」を取り戻しちゃって(だから巻き戻しも赤星が絡み始めたところから)、結局詐欺らしかったのは執事トニー(柴田恭兵)にDNAと手紙で仕掛けたところだけだった気がする。そういう点ではGackt出演も含めての豪華なマレーシア・シンガポールロケの陰でコンゲームとしては全然だったかな。なんたって、最後は「噓から出た実」ってオチなんだもん。
 ということで評価点は5点満点の3点。もし三作目があるなら、豪華ゲストもいいけど、もっとコンゲームの質も上げて欲しいです。

映画『ANNA/アナ』を観て来た

 このブログって、映画館に映画観に行ったか、美術館や博物館に行ったか、コンサートや芝居を観に行った時の感想を主に書いているので、4月中旬から2か月ほどCOVID19の影響で自粛してたこともあり、どっこにも行きませんでした。いや、行けませんでした。だってやってないんだもん。
 この5月も末になってようやくあちこち開いてきて、先週は神戸どうぶつ王国、そして今日は3月29日以来の映画館に行って来ました。久々の映画館での映画はスカーっとしたのが観たくて、映画『ANNA/アナ』を観て来た。
 リュック・ベッソン監督がロシア出身のスーパーモデル、サッシャ・ルスをヒロインに迎えてのスパイ・アクション映画。リュック・ベッソン監督は「ニキータ」「レオン」「LUCY ルーシー」など、戦うヒロイン物を作らせたら抜群の安定感(マンネリ感も否めないけど)を有し、自分の作品でナタリー・ポートマンやミラ・ジョボビッチを見出した名伯楽でもある。だから、またかよ~~っと思いながらも観ちゃうのよね。
 昨夜、WOWOWで「ザ・ファブル」を観たばっかだし、アラン・フィグラルツ演出のアクションも楽しみにしていた。すごかったね、レストランで5分で40人もの屈強なオトコどもを血祭りに上げていく様はもう快感。ただのモデルではありませんな、サッシャ・ルス。
 そして脇役陣も名優揃いでいい味だしてる。ヘレン・ミレンがKGBでのヒロインの上司オルガ役をタバコをふかしながら怪演していて(アナも結構スパスパやってたけどね)、ジュディ・デンチの「M」にも勝るとも劣らない名演技だったと思う。アナの米露双方Knight役(アレックス役のルーク・エヴァンズ、ミラー役のキリアン・マーフィ(ティモシー・ダルトンかと思った))もカッコよかった。
 しかし、ファッションモデルのカメラマンはステレオタイプだし、出演者を絞っているせいでなんかCIAもKGBも組織がうすっぺらい感じがしないでもなかったけど、そんな細かいことを気にさせない勢いのある映画だった。「LUCY」より良かったと思う。評価点は5点満点の4点。

メスキータ展を観て来た。

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 版画を観るのは昨年の「世紀末ウィーンのグラフィック デザインそして生活の刷新にむけて」以来。その前は一昨年の「コレクションを核に 関西ゆかりのデモクラートの作家たち  泉茂・山中嘉一・吉田利次・吉原英雄」だし、1人の作家の作品展となると4年前の「ダリ版画展」以来か。 全然メスキータのことは知らなくて、ポスターに「エッシャーが命懸けで守った男。」ってあるから、エッシャーの時代にバッシングでもされている作家を痛烈な批判から守ったのかと思ったら、メスキータがハールレムの応用美術学校で先生していた時の教え子の1人がエッシャーで、オランダに住むポルトガル系ユダヤ人であったメスキータはアウシュビッツで75歳で亡くなるんだけど、彼の作品を戦時中ずっと命懸けで守り続け、戦後すぐに彼の個展を開いたのがエッシャーだったってことだったのね。偉いわ、エッシャーとメスキータの息子ヤープの友人のヒト達。おかげで今日、メスキータ展で彼の作品が見られます。
 本展のポスターになってる頬のこけたギョロ目の男は自画像かと思ったら、息子のヤープだったのね、まるで定規の目盛りのような筋を入れることで平板的になりがちな版画の構図に立体感を出そうとしているところが、メスキータの版画の特徴。裸婦の作品では筋(様々な太さの線)だけじゃなく丸めの彫刻刀とか使って明るい部分を作ったり、いろいろ工夫がみてとれる。本人の自画像は頭蓋骨と自身の横顔を対比させて配した《メメントモリ》で見られます。本展では同じ作品の初刷り(第1ステート)から何回か推敲や加筆をしながら作品をブラッシュアップさせていく様が見られるようになっている展示がいくつかあります。先の《メメントモリ》は第10ステートが良かったです。それ以外では《百合》。こちらも第1ステートと後半のステートで全然絵の印象が違うので面白いです。ほかに人物画で気に入ったのは《母と子》、《うつむく女》、《悲しみ》、《喜び》、《ベッティ・ロペス・デ・レアオ・ラグーナの肖像》、《ジャクリーン・ホンベルツの肖像》、《キュラソー島の男》、《トーガを着た男》、《歌う女》、《帽子の母》、《女のトルソ(ヘッティ)》、《横たわる裸婦》が良かった。
 動物の絵では影絵のような《ウオーターバック》、3-08《マーコールヤギ》、三角の角が目を惹く3-34《鹿》、《ブレスボック》、《ホウカンチョウ》、正面から見た迫力《コンゴウインコ》が良かった。
 植物の絵では、バティックの要領を取り入れた《セダム》、幾何学的な文様が美しい《パイナップル》、シンプルな《サボテン》、《アヤメ》の第9ステート、手彩色が美しい《椿》が良かった。
 ファンタジーの絵では《人物と動物のフリーズ》、《泣く人々》、《稲妻を見る二人》が良かった。《10点のリトグラフ集》は小説の挿絵のようだった。
 ウェンディンゲンのコーナーはもひとつだったかな。
 評価点は5点満点の4点。展示作品一覧を印刷しておいておいてほしいです~。

 所蔵品展の方も版画。ソニア・ドローネー=ターク《リズム-色彩》と中辻悦子《連鎖Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ》が良かった。
 お庭もきれいでした。
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映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』を観て来た。

 今月は1日に神戸市立博物館に行って以来、COVID19の影響でずっと行動を自粛していたんですが、さすがにつまらんなぁ、と思い、とうとう映画館に行ってしまいました。映画も閉鎖空間だからずっと遠慮してたんだけど、みんなが遠慮しているせいか、どの映画もガラガラなのね、知らなかった。これなら他のヒトと離れた席に座れば大丈夫なんじゃね?ってことで久しぶりに映画を観てきました~~。
 観て来たのは『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』。TBSのスクープ映像に解説を付けて、映画に仕上げたもの。はっきり言ってNHKスペシャルみたいなテレビの特番みたいな感じ。長さも2時間弱だし。気狂いのくだりが放送コードに引っかかってテレビで放映できないだけな感じ。討論会の映像も全編見せてくれるのかと思ったら、かなりカットされている感じ。だったら映画館じゃなくテレビ特番でいいじゃん。せっかく映画館でやるんだから、全編見せてくれたらいいのに。つまらんワ。あと、平野敬一郎とか小熊英二とかの解説って要る? 極めつけは東出昌大のナレーション。ほかにいくらでもいるでしょ、TBSのアナウンサーにやらせときゃいいじゃん、ナレーション。とはいえ、挿入されている解説映像はいいタイミングで討論会の内容を補足していて、見やすくなっていたと思う。
 しかし、霧散してしまった全共闘、自決で終わってしまった盾の会、どっちも既存の親米政権打倒を訴えた割には、記憶には残ったが実績は残せなかったな。この映画ではそんなヤツらのまだ余熱がアツい時代の夢の共演が見られる。インテリの討論は面白いね。頭良くないと討論も面白くなんないね。刹那的な解放区を求める全共闘に対し、関係性や継続性に重きを置く三島が自決というこれまた刹那的な結論を選択したのはなんとも残念(ま、本人は気に入ってるストーリーなんだろうけど)。盾の会を政党化させて国会という言論の場で開花させる手はなかったのかしら? 稀代のスターでマッチョな三島に政治的な視点で粘り強くモノを言える誰かがいなかったことが、三島の不幸か。三島が学生を可愛がる優しいお兄さん肌だったとは知らなかった。日米地位協定の撤廃まで頑張って欲しかったわ。
 評価点は5点満点の3点。せっかく映画館でやるんだから、もっと討論会映像をいっぱい見せて欲しかった。

 

特別展「建築と社会の年代記―竹中工務店400年の歩み―」を観て来た。

 今日は昨年リニューアルオープンして以降、初めて神戸市立博物館に行ってきた。観て来たのは特別展「建築と社会の年代記―竹中工務店400年の歩み―」。先月「インポッシブル・アーキテクチャー ―建築家たちの夢」を観たので(←COVID19の影響で開催期間途中なのに先月で終わってしまった)、建築つながりでこっちも観ておこうかと思ったのだ。この特別展は今日が最終日、神戸市立博物館も明日から休館だそうだ(「コートールド美術館展 魅惑の印象派」までには再開する予定みたいだけど)。
 さて、最終日だからなのか、COVID19の影響でいろんなところが休んでて、ここに来ざるをえなかったのか、結構混んでました。建築勉強している学生とか、竹中工務店のOBっぽいおじい様・おばあ様(御堂ビルディングの写真の前で、私たちが配属された頃は最新のビルだったけど、今じゃボロボロ....、みたいなことをご夫婦でのたまってましたな)が来てました。
 竹中工務店のご先祖が織田信長の普請奉行とは知りませんでした。信長の死後は宮大工の棟梁みたくなって、ずっと名古屋あたりを拠点にしていたみたいだけど(なので松坂屋と縁が深いみたい)、明治になってから神戸に進出し、今の会社組織としての竹中工務店になったらしい。本展の会場となった神戸市立博物館も竹中工務店の建築物。戦前は横浜正金銀行神戸支店だった。神戸に建てられた建造物は多いけど、戦災や震災で失われ、展示されるパネルで懐かしかった建物(神戸新聞会館など)も多かった。もちろん、復元されたものもあるのだけれど。
 展示物では大隅流祭式による儀式(上棟式)のビデオや大工道具に漆塗りと金箔で彩色した儀式道具、祝詞・祭文・誦文の書面の展示が興味深かった。それから、「三次元計測で作った正福寺本堂の組物模型」も計測風景や3Dモデルでの組み立て検証のビデオも含めて大変面白かったです。ほんと昔のヒトはすごいですね。
 竹中工務店の技術の説明のコーナーでは潜函工法って全然知りませんでした。最近の有明アリーナとかはNHKスペシャルとかで詳しくやってたので、知ってました。あとは毎日見ているだけに芦屋浜の高層住宅が印象深かったですね。ASTMのMが松下電工・松下興産の意味だったのは初めて知りました。大阪駅周辺の街の模型が展示してあって、竹中工務店の建築物にはプレートが付いてるんですが、大阪ステーションシティと阪急百貨店のビル、ヨドバシカメラのビル以外はほぼほぼ竹中工務店の建築物じゃん、ということで驚きました。これからも新梅田シティやあべのハルカスみたいなランドマーク的な建物どんどん建てていくんでしょうね。しかし、BIMって単語は見かけませんでしたね。
 評価点は5点満点の4点。パネルや映像だけでなく、もっと建築模型とか展示して欲しかったなぁ。

Ezra Collective のライブに行ってきた

 Ezra Collective のライブは2月27日(木)にビルボードライブ大阪で18:30の回を観て来ました。新型コロナウイルス(COVID19)に対する今週の政府の基本方針発表翌日の「要請」以来、いろいろな集客イベントが中止になり、集客施設が休業になる中、ビルボードライブ休業前のラス前(21:30の回もあるからね)のライブを観て来た。3月のイベントが軒並み中止や延期が発表になる中でこの冬最後のライブ鑑賞になったみたい。3月は3つの観劇やライブの予定があったんだけど、すでに1つが中止(舞台「ねじまき鳥クロニクル」)、1つが延期(SAKANAQUARIUM 2020 “834.194 光”)を決めていて、ホント、これ見たらしばらくはライブ観られないなぁ、とかちょっと感傷に浸りながらビール飲んで開演を待ってました。
 エズラ・コレクティヴ(Ezra Collective)は、フェミ・コレオソ(Femi Koleoso、ドラムス)、TJ・コレオソ(TJ Koleoso、ベース)、ジョー・アーモン・ジョーンズ(Joe Armon-Jones、キーボード)、ジェームズ・モリソン(James Mollison、サックス)、イフェ・オグンジョビ(Ife Ogunjobi、トランペット)の5人組。UKジャズについても詳しくないし、このバンドについてもあんまり予習して行かなかったし、フェミ・コレオソのMCもそこそこでどんどん切れ目なく演奏が続くので、セトリは全然把握できてません。演奏はソロ活動でも話題のジョー・アーモン・ジョーンズも良かったけど、なんといってもカッコ良かったのは、フェミ・コレオソのドラムス。ジャズのドラムじゃないね。完全にロックだわ。カリビアンやアフリカンのビートが効いてて、ノリノリ。ビルボードライブみたいなサケとメシ食わせる店でまったり演奏するバンドじゃないよ、Zepp Osaka Bayside あたりで総立ちで踊りまくる方が向いてる。まぁ、この夜も最後はフェミ・コレオソのMCに煽られて、観客総立ちで踊りまくることになったんだけど、あんまりビルボードライブ大阪では見かけない光景だわね。
 SOIL&"PIMP"SESSIONS が好きでライブとかも観に行ってたんだけど、最近つまんないなぁ、と思っててUKジャズも聴き始めたところで、エズラ・コレクティヴがちょうど来日するってんで、今回観に来た次第。いやぁ、観に来て良かったです。評価点は5点満点の5点で。また観に行きたいです。まぁ、まずはその前に早く新型コロナウイルス(COVID19)の問題が終息して、ライブや芝居とかが見られるようになりますように。

ゴッホ展(兵庫展)に行って来た。

 昨日、兵庫県立美術館へゴッホ展を観に行ってきた。ツイッター(ゴッホ展兵庫館内情報 @2020goghjoho)で混み具合まで案内してくれていたのに、どうやらこの三連休で一番混んでる時間帯に行ったらしく、チケット購入と入館の行列両方並んだら美術館に着いて絵を見るまでに1時間近くかかってしまった。神戸でこんなに並んだのは神戸市立博物館で「ボストン美術館浮世絵名品展 北斎」を観て以来だな。あの時は野外での行列だったけど、兵庫県立美術館はデカイので行列も館内。それだけは良かったかな。いつもは通り過ぎる館内の景色を行列している間、マジマジと良く見られました。
 さて、入館してもすごいヒト。でも、すごい人出だと、いろいろ他のヒトの鑑賞の感想が聞こえてくるので面白いですな。本展前半はハーグ美術館の協力があって、ハーグ派の画家と交流していた時代のゴッホの作品が多く見られます。もちろん、ハーグ派の画家(ヤン・ヘンドリック・ウェイセンブルフ、ヨゼフ・イスラエルス、アントン・マウフェ、マリス3兄弟(ヤコブ、マティス、ウィレム)の内ヤコブとマティス、アルベルト・ヌーハイス、ベルナルデュス・ブロンメルス、ジョルジュ・ヘンドリック・ブレイトナー、アントン・ファン。ラッパルト)の作品が多く展示されています。でも、灰色派とも言われるハーグ派の作品はあんまり好きではありません。彼らの影響を受けたこの時代のゴッホの作品も全然好きになれませんでした。この時代のゴッホの展示作品の中からあえて上げるなら《秋の夕暮れ》でしょうかね。
 本展後半はゴッホがパリに移住してからの作品と彼に影響を与えた画家(主に印象派、アドルフ・モンティセリ、カミーユ・ピサロ、クロード・モネなど)たちの作品が展示されています。ここではアルフレッド・シスレー《シュレーヌのセーヌ川》、モネ《花咲く林檎の樹》が印象に残ってます。パリ時代のゴッホの作品では《ブリュット=ファンの風車》と《花瓶の花》でしょうか。
 終盤はアルル、サン=レミの療養院時代のゴッホの作品の展示に移っていきます。ここでは《タンギー爺さんの肖像》、《アニエールのヴォワイエ・ダルジャンソン公園の入口》、《サン=レミの療養院の庭》、一番人気の《糸杉》、《夕暮れの松の木》、《オリーブを摘む人々》、《薔薇》が良かったです。
 評価点は5点満点の3点。高価(¥1,700)で待たされた割には、観たいゴッホが少なかったかな、と。音声ガイド(¥600)もあれだけ会場内にゴッホからテオへの手紙からの文面を掲示したらもう、不要でしょ。

「コレクション―現代日本の美意識」を観て来た。

 「インポッシブル・アーキテクチャー ―建築家たちの夢」を見た後、引き続き国立国際美術館の「コレクション―現代日本の美意識」を観て来た。なんと、音声ガイドが500円で両方の展覧会の分が聴けるようになっているのだ。考えたな~。
 本展は「日本人と自然」を総合テーマとする、「日本博」の関連企画として開催され、戦後独自の展開を見せた日本の現代美術の中に見られる日本的表象の特質を探り、同時に、現代社会の状況を反映する多様なテーマ性と問題意識を、1.「文化の流儀と底流」、2.「人間と社会、深層への眼差し」、3.「イメージとしての世界観」の3章に分けて検証します。ってことらしい。
 私が気に入ったのは第1章。「具体」好きのワタシは全展示が気に入った。特に桑山忠明「無題」がミイラの行列みたいで面白かった。あとは井田照一「S.B.B.V.H Descended Level - Between Vetial and Hrizon -Circle in Rock - Dark blue」(黒い空間の中央が丸く凹んでる)、白髪富士子「無題」(白い和紙を長い舌のように破り取った後に貼り合わせてある)、が良かった。
 第2章では、柴田敏雄「岐阜県高山市」(強いコントラスト)、小沢剛「なすび画廊-松陰浩之展」、落合多武「猫彫刻」、今村源「2006-6 わけるヒトⅡ」、淀川テクニック「Just Hanging No.6」が良かった。
 第3章では、佐川晃司「半面性の樹塊 No.7」、中山玲佳「Safarism-Deer」、杉戸洋「two tree songs」、伊庭靖子「Untitled」(やさしいカップ)、が良かった。
 評価点は5点満点の4点。面白く観られました。2展続けてみたらしんどくなったけど。

「インポッシブル・アーキテクチャー ―建築家たちの夢」を観て来た

 今日はこの冬一番の寒空の下、国立国際美術館へ「インポッシブル・アーキテクチャー ―建築家たちの夢」を観に行ってきた。20世紀以降の国外、国内のアンビルトの建築に焦点をあて、それらを仮に「インポッシブル・アーキテクチャー」と称して資料や模型を展示している、というもの。ワタシの一番の目的はやっぱ、ザハ・ハディドの新国立競技場。模型や資料を見れば見るほど、この競技場、国税をじゃんじゃん投入してでも造って欲しかったと思う。きっとシドニーのオペラハウスに負けないランドマークになったと思うけど。もったいない。中国やアメリカには新進の新建築がどんどん建つ中、日本にもこういうのが欲しかったなぁとつくづく思います。今年の正月にサッカー天皇杯でデビューした競技場が悪いってんじゃないのよ、日本にもザハみたいなのが1つでもいいから欲しかっただけ。もしできてたら、彼女の遺作になったハズなのに。
 でも一番いいなぁ、と思ったのは藤本壮介建築設計事務所による「ベトン・ハラ・ウォーターフロントセンター」。これも素晴らしい(でもこれ、去年どっかの建築学部の学生の卒業制作で似たようなコンセプトの幼稚園の模型をみたな、イメージを借りたのかしら?)。日本でどっかに作ってくれないかしら? ぁあ、今度の大阪万博に造ってほしいわ。
 安藤忠雄の「中之島プロジェクトⅡ-アーバンエッグ」も面白かった。中之島公会堂の内部にでっかいタマゴを入れるなんざ、楽しすぎる。
 磯崎新の豪華客船のような新都庁計画もカッコよかった。会田誠の「東京都庁はこうだった方が良かったのでは?の図」と「シン日本橋」はご愛嬌としても。
 レム・コールハースの量塊(マッス)は書庫、空洞(ヴォイド)は閲覧室というコンセプトのフランス国立図書館の模型も面白かった。
 荒川修作+マドリン・ギンズの天命反転の橋は面白いけど、「養老天命反転地」みたいにどうもアトラクション的なのよね。ニューヨークのHigh Lineの一部にこういうの作ったらウケるんじゃないかしら?
 ダニエル・リベスキンドのなんか倒錯したデザインも印象的でしたし、エットレ・ソットサスの「祝祭としての惑星」というコンセプトも面白かった。
 村田豊の展示がけっこう多くて、東京ドームのようなエアドームの施設をソビエトに大規模に建築しようとした計画の資料やポンピドー・センターのコンペ案とか出ていた。私はポンピドー・センターには32年前に行ったきりだけど、現物のデザインは好きですわん。ポンピドー・センターといえば、コンスタンのニュー・バビロンのセクターの眺望を見ていたら、こっちの方がポンピドー・センターっぽいなぁと思いました。
 長倉威彦が映像化したマイケル・ウェブ(ArchiGram)
のドライブ・イン・ハウジングも面白かった。音声ガイドによれば、コンセプトの一部は映画「マイノリティリポート」で自家用車がそのまま居住空間に入り込むところに取り入れられている、とのこと。あの映画、近未来的なアイテムがふんだんに入ってて好き。
 メタボリズムっていうからメタボリックシンドロームの方をイメージしたら、新陳代謝(メタボリズム)をイメージして、都市や生活も社会の変化や人口の成長に合わせて有機的に新陳代謝すべきっていう建築活動があったのね、知らんかった。そのメンバー、菊竹清訓については今回初めて知りました。上にいくほど大きくなる国立京都国際会館のコンペ案を見ていたら、東京ビッグサイトを思い出しました。同じくメンバーの黒川紀章(ワタシ、彼のデザインのボストンバッグを愛用していますのよ)の農村都市計画は全然日本の農村ぽくなくて、コルホーズとかソフホーズの近代化案?とか思ってしまいました。東京計画1961-Helix計画の方はピエール=ジャン・ジルーの「見えない都市#パート1」の映像と一緒に見ていると、なんか映画「機動警察パトレイバー 2 the Movie」の18号埋立地を思い出してしまいました。
 でも、新陳代謝するメガストラクチャってコンセプトはいいですね。今の日本じゃシュリンクする一方かもしれないけど。
 本展、なんかソヴィエトやロシアの影がちらちらするのは、最初がロシア・アヴァンギャルドのカジミール・マレーヴィチで始まったからかもしれません。ドイツのバウハウスは結構ハマったんですが、こっちはあんまり見てませんでした。でも、ウラジーミル・タトリンの「第3インターナショナル記念塔」がモスクワかレニングラードに出来てた日には、ナチスドイツが真っ先に空爆したかもしれませんな。ヤーコフ・チェルニホフの『建築ファンタジー 101のカラー・コンポジション、101の建築小図』も観ていて楽しかったです。
 あと、実際に見てみたかったのは川喜田煉七郎のウクライナのハリコフ劇場かな。模型も素晴らしかったです。
 評価点は5点満点の5点。堪能しました。

『キレイ―神様と待ち合わせした女―』を観て来た。

 大人計画のミュージカルの名作、今回4回目の再演だそうですが、初めて観ました。大人計画の舞台は一昨年の夏の「ニンゲン御破算」以来。劇団☆新感線ほどは観に行ってないのよね、大人計画。観に行ったのはフェスティバルホール、1月28日(火)18:30の回。この芝居長いのね、知らんかったわ、平日の晩、会社帰りに休憩入れて4時間とか、観るにはちょっと長すぎます。もし5回目の再演があるなら、いくつか歌削ってコンパクトにするとかないですかね~、とか思いながらカーテンコールもそこそこにして帰りました。
 しっかし、芝居は面白かったです。まずはキャスティングが豪華。ケガレ役に生田絵梨花(2014年の3回目再演の多部未華子も見てみたかったな)、対するミソギ役が麻生久美子、少年・ハリコナが神木隆之介で青年・ハリコナが小池徹平、カスミ役は鈴木杏だし、ダイズ丸に橋本じゅん、もうこれだけで観に来たかいがありました(全然大人計画入ってない)。もちろん、迎える大人計画側もカネコキネコに皆川猿時、その商売敵に荒川良々、マジシャンに阿部サダヲ、と脇を固めているものの、なんか大人計画色が薄まっている感じ。でも、ケガレ×ミソギ、少年×青年ハリコナにその時勢いのある若手俳優を迎えたらいくらでも再演できそうな芝居ですなぁ、これ。
 生田絵梨花はケガレなのに、穢れなき真っすぐな演技で良かったです。逆に汚れちまったミソギが陰のある麻生久美子ってのがニクイ。そしてその二人を凌駕する存在感がカスミ役の鈴木杏。若手女性3人に中では一番良かったですかね。ハリコナ役の2人はどっちも良かった。特に小池徹平は盤石の演技ですな。伊藤ヨタロウの音楽はどれも良かったです。
 また5年くらいしたら再演を見てみたいです。でもその時にはもう、大人計画で主要なキャストにいるのは阿部サダヲだけだったりして。
 評価点は5点満点の4点。やっぱちょっと短くしてもらえません?

 

東京大学音楽部管弦楽団第105回定期演奏会の関西公演を観て来た

 今年最初のコンサートはなんとアマオケのコンサート。東京大学音楽部管弦楽団第105回定期演奏会の関西公演を観て来ました。大学生の楽団のコンサート観るのは自分が大学生の時以来。チケフレにチケット売りまくると自分も買わされまくるというヤツ。もちろん、東京大学のは初めてですわん。会場は兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール。今日の14時開演。指揮は終身正指揮者の三石精一。
演目は、ワーグナー / 「さまよえるオランダ人」序曲 、シューベルト / 交響曲第7番 ロ短調「未完成」の後、15分の休憩を挟んで、マーラー / 交響曲第1番 ニ長調「巨人」、というプログラム。この楽団、全国いろんなところでコンサートを演っているみたいですね~。全然知りませんでした。でもこの楽団のホームページへ観に行って過去の公演情報を探ろうとしても2014年以降の情報が載っていません、なんてことでしょう。ホームページの手入れもしれくださいね。
 このプログラム、結構好みの曲の組み合わせなので楽しみにしてました。しかーし、「さまよえるオランダ人」序曲はなんかバタついてましたね、なかなか安心して聴けませんでした。一転してシューベルト「未完成」交響曲は落ち着きすぎていてちょっと眠かったです。
 休憩を挟んでのマーラーの「巨人」。こちらはゴリアテを十分に感じられました。コントラバス勢が良かったですね。ホルン勢は3曲とも通して不満足です。ところで、チューバの奏者席の横に2台のチューバが置いてあったので、てっきりチューバ奏者が2名いるのかと思ったら、2台のチューバを演奏箇所に合わせて1人の奏者がよいしょっと楽器を持ち替えるは初めて観ました。2台にどのくらいの差があるのか、近くで聴いてみたかったですが、今回私の席は4階席だったので、2台の違いまではわかりませんでした。評価点は5点満点の3点です。アマオケとしては上手いです。

映画「パラサイト 半地下の家族」を観て来た。

 昨年の「万引き家族」に続き、カンヌ国際映画祭<最高賞>パルムドール受賞作品というミーハーな理由で、映画「パラサイト 半地下の家族」を観て来ました。韓国映画がパルムドール獲るのは初めてだそうですな。「グエムル 漢江の怪物」「スノーピアサー」の監督ポン・ジュノと名優ソン・ガンホのタッグなのでそこそこ面白いはずだとは思って観に行きました。ちなみにソン・ガンホを初めて観たのは「シュリ」とか「JSA」の頃なので、やっぱずいぶんとシケたオッサンになりましたな、ぁ、そういう役なのか、今回は。しかしカンヌの審査員は「万引き家族」といい今回といい、こういう作品が好きなんでしょうかね? まぁ、「万引き家族」よりは面白かったですが。
 しかし、出だしは強烈ですな、キム家の半地下の住居。水圧の関係か便器が部屋で一番高いところにある、というところがもうたまりません。そして働き盛りの一家4人が総出でピザの箱折りの内職なんて泣けてきます。しかし、便所コオロギのいる部屋で食べ物入れる箱作って、頼んだピザからコオロギが出てきたりしたら、もう箱が不格好どころの騒ぎではないですな。そんな彼らもなぜか職場に赴く一張羅は持っているみたいで、裕福でヒトに騙されたことなんかないんだろうな、ってくらい素直でシンプルなパク家の奥さんヨジョンに取り入ってスルスルと裕福なパク家に入り込んでいくところが前半の面白いところですが、途中セリフにもありましたけど、かの国は大学出のガクのある者も仕事にあぶれているご時世のようで、キム家はみな賢いことは賢いんでしょうな。だから前半は、今たまたま環境に差があるけど、お互いにそんなに差は無いのかな? とも思って観ていたんですが、大雨の後、パク家から一家が半地下の自宅に戻るまでの、雨水の流れとともに坂や階段を下り続ける道のりが、両家の埋めがたい差を可視化してあまりある感じで、観ていてつらかったです。
 しかし、下には下がいるというか、同じようなことを考える者は他にもいる、ってところから物語は急展開。イ・ジョンウン演じるパク家の「元」家政婦ムングァン夫妻を出してきたあたりからが韓国映画らしさ全開って感じで、エグイけど面白かった。北朝鮮アナの物まねには大笑いしてしまった。パク家の長男ダソンの奇行が上手い伏線になっててラストシーンにつながっていくあたりもよく仕掛けられてるし(まぁ、おかげでギテクの行き先はすぐに察しがついちゃったけど)、臭いの話が映画の中盤あたりからちょっとずつちょっとずつコップの水を満たしていくようにギテクの心中に溜まっていって、パーティーの席で一気に溢れちゃった気分も良く分かるようになってる。しかし、ギジョン姉が死んじゃったのは残念だったな。チェンスク母さんの強さで護れなかったんだろうか?逆にギウがあのまま死んでもよかった気がするが、そうなるとモールスが解読できないか。
 評価点は5点満点の4点。ミニョクはダヘのどこが良かったんだろう?

映画「フォードvsフェラーリ」を観て来た。

 成人の日の3連休最終日は西宮ガーデンズで映画「フォードvsフェラーリ」を観て来た。「パラサイト」とどっちにしようか迷ったんだけど、カミさんの意見を採用してこっちにした。ワタシはバイク乗りなので、4輪は2輪ほど興味はないんだけど、4輪もF1のモナコGPとル・マン24時間耐久だけはTVで観てるクチ。(ちなみにMotoGPはMoto3、Moto2も含め全戦G+で観てる)
 さて、映画を観た感想は、やっぱクリスチャン・ベールかっこいい! だ。彼を観るのは「ダークナイト ライジング」以来。ケン・マイルズ役の彼がハンドル握るシーン見ただけでも見に来てよかったよ。レースシーンは、ブレーキング競争とか満足の行くシーンが多かったしね。マット・デイモンは「オデッセイ」か「ジェイソン・ボーン」以来だけど、こっちもキャロル・シェルビー役を上手く演じていたと思う。ヘンリー・フォード2世に「礼にはおよびません」って言いきったところなんか、嬉しくなっちゃったもんね。ヘンリー・フォード2世がシェルビーの運転でGT40に乗せられるシーンがあるけど、これはフィクション。冒頭のフォードがフェラーリを買収に行くシーンもらしくて面白かったけど、ヘンリー・フォード2世と、リー・アイアコッカとのからみの方がワクワクした。
 アメリカ版「下町ロケット」みたいな評価もきこえてきたけど、「下町ロケット」ほどモノづくりのシーンは無い。開発者兼ドライバーのマイルズが試乗しながら、それらしいことを言っているのと、工場で夜なべしているシーンくらい。だって、GT40がイギリスからいきなり空輸されてくるところから始まるんだもん、そのGT40いったい誰がそこまでに仕上げたんだよってこと。
 カトリーナ・バルフが演じる、マイルス夫人やノア・ジューブ演じる息子ピーターもいいアクセントになっていたと思う。しかし、フィクションとはいえ、レオ・ビーブ副社長は割を食ったね、敵役がいた方がハナシが盛り上がるとはいえ、可哀そう。
 評価点は5点満点の4点。レースシーンも良かったし、男たちは皆カッコよかったけど、もう一声欲しいところ。

「in number, new world / 四海の数」を観て来た

 今日は準地元の芦屋市立美術博物館へ「in number, new world / 四海の数」を観に行って来ました。先週の山下摩起で味をしめて、今回も学芸員によるギャラリートークの時間に合わせて行って来ました。西宮市大谷記念美術館の学芸員も45分の予定を80分と頑張ってましたが、今日の学芸員も60分の予定で75分と頑張ってくれました。なんかギャラリートークを狙って観に行くのを楽しみにしてしまいそうです。
 四海とは中国の言葉でいろいろ意味はあるようですが、本展では「世界」を指すようです。芦屋市立美術博物館が取り組む「art trip」シリーズの第3弾として「数」をテーマに4人のいろいろな世代のアーティストに展示をお願いしたようですが、そこは芦屋、「具体」は外さない。今井祝雄、久門剛史、津田道子、中村裕太の4人に芦屋市立美術博物館所蔵の「具体」の作品を料理してもらおう、という企画みたいです。「具体」は昨年兵庫県立美術館で山村コレクション展を見たばかりですが、何度見てもいいです。ところで、この4人を良く知りません。中村裕太氏だけは2018年3月の『一日だけの展覧会「芦屋の近代 現代のとりくみ-当館コレクションより」』でお目にかかりました。この時はタイル博士ってふれこみでした。
 会場入ると最初の1階のホールがありますが、ここに贅沢にスペースをとって、今井祝雄の作品が展示されています。ホールを斜めに横切る形で25年におよぶデイリーポートレートの今月9日までのポラロイド(2014年途中からはチェキ)で撮ったセルフポートレートが1年ずつクリアケースに納められて並んでいます。私正直言って、毎日毎日よく頑張ったでしょう的作品ってあんまり賛成できない性質なのですが、それでも同じ構図で25年間一日も欠かさず、長髪が禿げ上がるまでずっと撮り続けたことに意味を見出そうとする様には頭が下がります。毎日郵便で1枚づつ、この美術館にポートレートが今も届いているのだそうです。思わず「継続は力なり」という言葉を思い出しました。でも、彼の作品で気に入ったのは《10時5分》という、自分の息子がTV中継に出た時の1分間を連続写真に取って重ね合わせてブラウン管の表面にスクリーンプリントした作品ですね。「時間」というものを作品にする力には感服します。デイリーポートレートの最後の日をどう撮るのか今から興味津々です(決して彼の死を望んでいるわけではありません)。しかし、1階ホールの彼の作品を田中敦子《’87H》や関根美夫《作品#29》や《作品#81》が見下ろすように2階の回廊に展示した意味はよくわかりませんでした。うまく料理できなかったから2階に押しやったように見えますが。
 次は第2展示室を暗室にして久門剛史の《crossfades》と《Artist》と田中敦子《作品》が展示されています。暗室の外まで鳴り響く風の音は久門剛史のプログラミングが施されていて、機械的に聞こえないように疑似乱数で操られているそう。《crossfades》の円周率といい、この疑似乱数といい、やっと「数」っぽい作品。ちなみに今井祝雄の展示における「数」は時間だったようですが。しかし、明るい部屋でも読みづらい《crossfades》の円周率を暗室で田中敦子《作品》の電球の明滅を繰り返すフィラメントの弱い光の下で見せる意味がわかりません。ところでチラシにある久門剛史《Pause》はどこに展示されていたんでしょうか?
 最後の第1展示室は2フロアに分かれていて、手前が津田道子《あなたは、翌日私に会いにそこに戻ってくるでしょう。》がフロアの中心に展示され、周囲に白髪一雄《捷行(じゅっこう)》(白黒一対で黒い方が《捷行》、白い方の《扶桑》は現在、東京オペラシティアートギャラリーの白髪一雄の大規模個展に貸し出し中らしい、観に行きたいワ)、村上三郎《作品(1961年)》、《作品(1962年)》、菅井汲《建築シリーズ(9点)》が壁に掛けられて、津田道子の作品を取り囲んでいる格好で展示されている。私はこのフロアが一番気に入った。津田道子の作品だが、木枠のフレームが9本天井から吊られていて、一部は空洞、一部は鏡が張られている。その周囲に3台のビデオカメラがセットされ、その映像を映すプロジェクタも3台セットされている。ビデオカメラと木枠は上手く配置されていて、映された自分らが別の枠内で映像として投射されていたり、鏡の反射を上手く使って不思議な世界を作っていたりする。この作品は木枠の数が7~13枚の間で可変で、展示会場のレイアウトに合わせて、それぞれレイアウトを設計している模様。投射される映像のうち、1台だけは1日前の映像を映しており(白髪一雄や村上三郎の作品が展示されているあたりを映している)、その辺が「翌日私に会いにそこに戻ってくる」なんでしょうな、詳しいところを訊きたいヒトは明日1/13(成人の日)14:00-16:00に津田道子当人のトークショーがあるので、そこに参加されるのがいいかと思います。
 最後のフロアが長谷川三郎《眼横鼻直》にインスピレーションを得てリサーチ型のアーティスト中村裕太が《かまぼこを抽象する》という作品を制作し、展示しています。甲南学園から入手した資料など展示して分析の過程をいろいろ出していますが、中村裕太本人の作品は長谷川の手書きの文章の1文字1文字を柿汁と墨で染めた紙に粘土でかたどって(半紙ぐらいの大きさに1文字ずつ)平たく貼り付けたものを原文に沿って展示室の壁に貼り付けたもの。考察に「長谷川はタイルにモルタルをのせくっと張りこむように文字を書(描)いた」とあるけれども、それを具体化したような作品に仕上がっていると思います。
 評価点は5点満点の4点。「数」というより、「時間」がテーマになっている作品が多かったように思います。テーマ名とのズレを感じましたので1点減点で。

 博物館展示の「昔の暮らし展」も懐かしいモノがいっぱいあって良かったです。「おまじない玩具」というグリコのおまけのようなおもちゃは初めて知りました。

シス・カンパニー公演 日本文学シアターVol.6 【坂口安吾】 『風博士』を観て来た

 今年最初の舞台は「風博士」。”縁起の良い”森ノ宮ピロティホールで1月8日18:30の回を観て来た。出演は中井貴一、段田安則、吉田羊、趣里、林遣都、松澤一之、渡辺えりなど。坂口安吾が文壇に認められるきっかけになった短編小説「風博士」を原作としながらも、北村想がイメージを広げて書き下ろした新作なのだそうです。原作読んだことありません。というか坂口安吾の作品を1つも読んだことありません。でも、原作と結構かけ離れた感じのお話みたいです。演出は寺十吾、音楽は坂本弘道。
 主演のフーさんを演じる中井貴一は、ピー屋(軍人相手の慰安所)の主人で皆の思いを飄々と受け止める役柄。ま、そうでなきゃ慰安婦や客のマネジメントなんてできないか。バイクの手入れをしながらスティーブ・マックイーンの「大脱走」を夢見てるなんて台詞が出てくるんだけど、「とある大陸」の戦地って設定(どうみても日中戦争末期の関東軍相手の慰安所の設定ですが)だけに台詞からうかがえる時代背景はめちゃめちゃ。その割には、風船爆弾に細菌兵器を搭載する案は昭和天皇が裁可しなかった部分には触れてるし。そうなると、フーさんがピー屋のオヤジになったのは、ほんの数か月前ってことになるし。まぁ、そんなことどうでもいい芝居なんですけど。
 私、渡辺えりはなんかのTVで観てからずっと苦手で舞台でも渡辺えりの出る芝居は避けていたんですが、今回初めて見ました。「食わず嫌い」ってこのことですね、上手いわ、渡辺えり。舞台の外では知りませんが、舞台の上の渡辺えりはこれからは進んで観るようにします。
 吉田羊の舞台は今回初めて。「うぐいす」は川島芳子よろしくカッコいい「鳩」を演じていました。「チャー、シュー、メーン」には笑いましたが。カッコイイ役やらせたらこんなもんなんでしょうが、なんか恋愛でボロボロになってしまう女みたいな役柄も見てみたいですな。
 段田安則を観るのは三谷幸喜の「ホロヴィッツとの対話」以来。相変わらずの安定した演技ですね。良かったです。架空の馬を引くくだりは必要だったんでしょうか?なんか吉本新喜劇的ですが。面白かったですが。
 趣里って女優は水谷豊の一人娘だそうで、初めて見ました。上手かったですね。これからは出演作をチェックしますわ。
 ところで、林遣都の演じる志願兵。ひとり斥候に出て唄って(この芝居、突如唄わされるってフーさんもぼやいてましたが)敵に撃たれてしまうシーンですが、ちょっと冗長だったというか、林遣都に担わせるには荷が重かったかな、という感じ。小池徹平ならもっと上手くできたかも。ちょっと残念。
 最近のアメリカ・イラク間の緊張状態を見ていると、林遣都の演じる志願兵の「誰がこの戦争を始めたんだ?」的な問いかけが現実味があって怖いくらいでしたが、終盤の傷病兵の最後の抵抗による敵兵の総攻撃を和歌をうたって耐えるシーンとか、最後にバイクで颯爽と逃走を図るシーンとかキツすぎず市井の人々の生き様も織り交ぜて上手くバランスが取れたハナシだったかなぁと思います。
 評価点は5点満点の4点で。

「生誕130年記念 山下摩起をめぐる画家たち」を観て来た

 令和2年最初の美術展鑑賞は地元の西宮市大谷記念美術館からスタート。「生誕130年記念 山下摩起をめぐる画家たち」を観て来た。山下摩起って画家は全然知らないのよね。1890年に有馬温泉の旅館「下大坊(上大坊なら知ってるが)」で生まれ、西宮に住まい1973年に83歳で亡くなったそう。
 本展は今年生誕130年を記念して西宮市大谷記念美術館で所蔵する山下摩起の作品14点を一挙展示したいんだけど、14点だけじゃ寂しいので、「~をめぐる画家(京都市立絵画専門学校の先輩や同窓、先生とか仲良しの画家)たち」の作品と個人所蔵の作品の提供をお願いして集めた山下摩起の作品18点と多くのスケッチや素描を合わせて本展にこぎつけたらしい。チラシの目録には42点となってるけど、さらに2点ほど追加展示になってた。今日は14時から学芸員によるギャラリートークが催されたので、それに参加した。
 1階の展示室はガラスケースが無いので、主に額装の作品を展示。「洋画家」山下摩起の作品や大型の屏風絵が展示されている。ここでは右隻のみ第20回再興院展に入選したという六曲一双屏風《雪》、麻布に白下地を作って日本画の題材なのに女性の表情などにキュビズムの影響が見られる《女三態之図》(一瞬、葛飾応為《三曲合奏図 》を思い出した)、日本の画材で洋画風に描いた《椿》がよかった。モディリアーニ風の《婦女図》は白目剥いた結髪の女って怖いのでパス。めぐる画家では屏風絵の富岡鉄斎《山水図(水石間図・仙境図)》、紙粘土で鳥を描いた下村良之介《沙(しゃ:10の-8乗の意味)》が良かった。
 2階は水墨画や日本画の作品とデッサンやら資料の展示。めぐる画家では大型の掛け軸の山元春挙《雪渓遊鹿図》、榊原紫峰《桃小禽》が良かった。山下摩起の作品では、同じケースに水墨画5点《雪竹》《白梅》、華麗なる一族が所蔵していたという《静居永蓉》、《雁》、《鯉》が並んでいたが、このケースでは雅号に摩起天とある《鯉》が良かった。仏画では躍動感のある《鍾馗》、顔が気に入った21番の《観世音菩薩》、赤い線が印象深い《不動明王》、焼きミョウバンを使って拓本っぽい画風にした作品からは《大威徳明王》、《凍月》、《さざんか》が良かった。草花の絵では可愛らしい《春花之図》、シンプルな《紅梅》、初公開の洋風の屏風絵《春花図》、晩年ながら左は密、右は疎、の作風は変わらない《草花図》が良かった。
 資料展示では雑誌「画室」や「新美」の巻頭カラー図版の山下摩起の作品が紹介されていた。これらの実物も観られたらどんなによかったかと思う。
 評価点は5点満点の4点。もっといっぱい見たかったです。

 常設展示の方は濱田観《白木蓮》と上村松園《蛍》が良かったです。

映画「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」を観て来た

 新年あけましておめでとうございます。令和2年もよろしくお願い申し上げます。年初一発目は映画「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」を観て来ました。
 ライアン・ジョンソン監督の「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」が面白かったので(世間一般では低評価なようですが)、今回の最終話も期待していたのですが、(世間一般では低評価だったためか)今作の監督は前々作「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」のJ・J・エイブラムスに変わっています。「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」はなんでもかんでも詰め込み過ぎで、私個人の評価は低かったのですが、今作も同様の傾向で、最初のタイトル後の流れる文字説明でまず、ストーリーの急展開を告げられ、映画が始まってみると、矢継ぎ早に出来事が起こってなにがなんだか状態。まぁ、落ち着いて見てみれば、カイロ・レンがウェイファインダーを手に入れて、シスの科学力?で蘇った皇帝パルパティーンのもとに向かっただけなんだけど、なんかせわしない。スパイから情報を入手し命からがら帰還したフィンとポー、修行に疲れたレイとの会話もかみ合ってるのか、かみ合っていないのか、レイとフィンは会話しなくてもある程度わかり合っているから、そんな会話なのか、なんか変な展開だし、テンポばかり速くて乗っていけない。そんな3人が砂漠の惑星パサーナに向かうあたりからは、テンポも落ち着いてきて、現地でランド・カルリジアン将軍に遭うあたりから、やっと面白くなってきた。この星でレイが名前を訊かれるところは映画の最後につながる伏線で、流砂にハマるところは過去の作品へのオマージュなんでしょうな。レイがレンの接近で単独行動を取るのは、ルークの頃と同じだなぁ、とか思いながら見てたけど、チューバッカがあっさり捕虜になっちゃうのは、なんじゃこりゃって感じ。ま、この星ではレンの乗るTIEファイターを破壊したり、チューバッカが連れてかれたかもしれない輸送機の離脱を止めようとしたり(頑張りすぎて破壊しちゃうんだけど)と、レイのフォースが拡大していくシーンが盛り込まれていて、惑星パサーナのシーンは面白かった。
 次に面白かったのは、惑星エンドアでデススターの残骸でのレイとレンの一騎打ちですかね。でも、なんかレイアの干渉のタイミングがちょっとな~って感じでしたわ。でも、レイア役の キャリー・フィッシャーが急死してしまって、今作どうするんだろう、と心配されていた中、J・J・エイブラム監督は上手くレイアの未発表シーンを使って物語を紡いでくれたなぁと思います。おまけにハン・ソロも出てきて「I Know.」って言うし。予想どおり、ルークの霊体が出てきて、オク=トーの海の中に沈めた戦闘機を浮上させたりするし、ランドにはン十年ぶりにミレニアムファルコンの操縦させるし、エンディングは惑星タトゥイーンだし、J・J・エイブラム監督が作ると、過去の作品からの引用が多くてファンサービスとしては一流なんだけど、私は前作の「~最後のジェダイ」路線の方が好きですわ。
 最後は、惑星エクソゴルで皇帝パルパティーンとレイ、遅れて到着のベン(ジェダイ側になったレン)も加わっての対決なんですが、これも既視感ありの展開。レイとベンは対を成すことで強力な力となる存在だそうで(万物は陰と陽に分類されるという陰陽の考えか?)、一方レジスタンス側からすると、ファースト・オーダーの奴らはやり過ぎた、歴代ジェダイ(いろんなジェダイの声が出てきて楽しかったですな、これもJJ流ファンサかしら)の皆さんからするとバランスが大事だということで、シスの皆さんが均衡を崩して影の部分が増大し過ぎてしまったので、これを修正する、ということみたいですな。ということは、パルパティーンが倒れ、「レイ・スカイウォーカー」が残った今、やがてレイに対抗する力が生まれてきてしまうのは必定ということでしょうかね。なので、スカイウォーカーを名乗らずに、エンディングでもただのレイ、で通して欲しかったです。
 昔EP1~6はアナキン(ダースベイダー)の話だったなぁ、と思ってました。久々のEP7は新展開のようでいて、これまでのおさらいかつ孫の代の紹介で、EP8はルークの話、そしてEP9が終わってみれば、実はEP1~9全てがパルパティーンの話ということになってて、スター・ウォーズってのはパルパティーン家とスカイウォーカー家の3代にわたる争いの話で、その争いはパルパティーンの孫にスカイウォーカーを名乗らせて決着させたってことなんでしょうか?
 ん~、J・J・エイブラム監督のEP7,9を観た結果、こんなんだったら、「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」で制作終わっといてくれた方が良かったなぁ、としみじみ思います。ということで、今作の評価点は5点満点の3点です。

2019年の振り返りをやりまする。

 今年からアクセス解析の仕組みが変わったので、各ページのアクセス数が分からなくなりました。ま、いいけど。
では、年末ですので恒例の、2019年(令和元年)のふりかえりをやるまする。ブログで付けた評価点を★で表記しています。

【映画】
1.アリー/スター誕生 ★★★★
2.七つの会議 ★★★★
3.運び屋 ★★★★★
4.グリーンブック ★★★★★
5.バースデー・ワンダーランド ★★★
6.コンフィデンスマンJP ロマンス編 ★★★
7.プロメア ★★★★
8.新聞記者 ★★★★
9.火口のふたり ★★★★
10.ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ★★★★
11.プライベート・ウォー ★★★★★
12.ジョーカー ★★★
13.ターミネーター:ニュー・フェイト ★★★★
14.ルパン三世 THE FIRST ★★★

 映画は試写会(2)を入れて14本でした。アニメは邦画3本(5,7,14)、実写の邦画は4本(2,6,8,9)でした。邦画はどれも面白かったですが、5点を付けるほどの作品は観れませんでした。邦画部門で1番を上げるなら「新聞記者」ですかね。
 一方、洋画は7本(1,3,4,10,11,12,13)、スターウォーズは年始の楽しみに取っておきます。昨年は大作ばっかりと愚痴ってましたが、今回アクション大作は(13)のみ。クリント・イーストウッド最新作の(3)と(4)とでロードムービーが2作。どちらも傑作でしたな。ビッグネームが揃った(10)もなかなか面白かったです。ベルリンで賞を獲ったという(12)は期待外れでした。ということで、洋画の一番でかつ、今年観た映画の一番は「プライベート・ウォー」にします。早くシリアに平和が訪れますように。


【舞台】
1.『サムシング・ロッテン! SOMETHING ROTTEN!』オリックス劇場 1月11日18:30の回 ★★★
2.『罪と罰』森ノ宮ピロティホール 2月11日13:00の回 ★★★★★
3.『偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)』フェスティバルホール 3月8日18:30の回 ★★★★
4.『ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ』オリックス劇場 3月30日13時の回 ★★★★
5.『かもめ』兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール 5月2日13時の回 ★★★★★
6.『ハムレット』森ノ宮ピロティホール 6月7日18:30の回 ★★★★
7.『お気に召すまま』兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール 9月4日18:30の回 ★★★★
8.『怪人と探偵』兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール 10月3日18:30回 ★★★★
9.『けむりの軍団』フェスティバルホール 10月8日18:30回 ★★★★

 今年は9公演。昨年より1つ減りましたが、今年もよく行きました。今年は劇団☆新感線39興行の いのうえ歌舞伎(3,9)の両方、年に2本新作を観るというミーハーをやってしまいました。昨年まで成功作の再演ばっかりみているなぁ、という傾向だったので、新作はさらにミュージカルものを3本(1,4,8)観に行きました。一方でシェイクスピアが2本(6,7)、ドストエフスキー(2)、チェーホフ(5)と古典が4本。やっぱり定番とか古典の方が安心して楽しめるかしらん、といったところでしょうかね。
 さて、今年の一番ですけど、今年のいのうえ歌舞伎2作はいずれも『乱鶯』をほどじゃない感じだし、ミュージカル3本はどれももう一歩という感じだったし、満島ひかりがロザリンドを演じた(7)もセットが満足できなかったし、岡田将生と黒木華の(6)はパワー不足だったし、では5点を付けた『罪と罰』と『かもめ』のどっちにするかということになりますが、ここは新国立劇場が「毎シーズンに一本、全キャストをオーディションで選考、上演する企画の第一弾として、チェーホフ不朽の名作『かもめ』を上演します。」という気合いで制作し、朝海ひかるの演技が良かった『かもめ』を今年の一番にします。


【コンサート】
1.大阪フィルハーモニー交響楽団 第526回定期演奏会 フェスティバルホール 3月23日 ★★★★
  指揮:レナード・スラットキン 
2.韻シストpresents 「OSAKA GOOD VIBES 2019」 大阪城音楽堂 4月29日 ★★★
3.リッキー・リー・ジョーンズ ジャパン・ツアー 2019 NHK大阪ホール 5月16日 ★★★★
4.佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2019 ミュージカル 「オン・ザ・タウン」
   兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール 7月15日 ★★★★
5.MISIA SOUL JAZZ SWEET & TENDER Zeppなんば大阪 9月18日 ★★★
6.大阪フィルハーモニー交響楽団 第531回定期演奏会 フェスティバルホール 9月28日 ★★★
  指揮:ハインツ・ホリガー
7.bird ” 20th Anniversary Best ” Live ! ビルボードライブ大阪 11月11日18:30の回 ★★★★★
8.矢野顕子 さとがえるコンサート 2019 サンケイホールブリーゼ 12月2日 ★★★★★
9.SIRUP「channel 01」 Zeppなんば大阪 12月12日 ★★★★★

 今年は9本観に行きました。去年より4本減。外タレがなんと1本(3)しかありません。去年より3つ減ってますから、外タレのコンサート減がそのまま全体の本数減に反映された格好ですね。でも最近、観たい外タレが東京公演しかやならいんですよね。アジアツアーは東京、ソウル、中国では複数会場って設定が多い気がします。複数やっても大阪来ないケースもあるし。なんだかな~~。来年は観たい外タレが大阪に来てくれるかしらん。それとも外タレも来るフェスに行くしかないのかしらん。フェスといえば韻シストの(2)は、来年こそはピーカンの青空の下、開催できることを期待しています。さて、今年の一番ですが、birdも矢野顕子も良かったですが、ここは若手のSIRUPにします。


【美術展など】
1.「兵庫県美ボーダレスアートトーク:曽野正之」 兵庫県立美術館のミュージアムホール 1月13日 ★★★★★
2.「兵庫県美ボーダレスアートトーク:やなぎみわ」 兵庫県立美術館のミュージアムホール 3月3日 ★★★★
3.「Oh! マツリゴト 昭和・平成のヒーロー&ピーポー」 兵庫県立美術館 3月3日 ★★★
4.フェルメール展 大阪市立美術館 5月4日 ★★★★
5.回顧展「クリスチャン・ボルタンスキー - Lifetime」 国立国際美術館 5月4日 ★★★★
6.収蔵品展「コレクション3:見えないもののイメージ」 国立国際美術館 5月4日 ★★★
7.空箱職人はるきるの個展 ギャラリー8(三宮) 5月12日 ★★★
8.「クリムト展 ウィーンと日本 1900」 東京都美術館 6月1日 ★★★★★
9.「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」 国立新美術館 6月1日 ★★★★★
10.「世紀末ウィーンのグラフィック デザインそして生活の刷新にむけて」 目黒区美術館 6月1日 ★★★★
11.ヒグチユウコ展 CIRCUS 神戸ゆかりの美術館 8月25日 ★★★★
12.「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」 伊丹市立美術館・伊丹市立工芸センター 9月8日 ★★★★★
13.「集めた!日本の前衛-山村德太郎の眼 山村コレクション展」 兵庫県立美術館 9月15日 ★★★★
14.「富野由悠季の世界」 兵庫県立美術館 兵庫県立美術館 10月22日 ★★★★
15.「塩田千春展:魂がふるえる」 森美術館 10月26日 ★★★★★
16.「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」 森アーツセンターギャラリー 10月26日 ★★★★★
17.「細野観光1969-2019」 六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー 10月26日 ★★★★
18.「ラウル・デュフィ展」 パナソニック汐留美術館 10月26日 ★★★
19.【GOOD DESIGN TALK】グッドデザイン連続講座「コミュニティを育むモビリティのデザイン」
   デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO) 11月23日 ★★★★
    森口将之氏(審査委員/モビリティジャーナリスト)、加藤博巳氏(アイシン精機株式会社イノベーションセンター部長)
20.【GOOD DESIGN TALK】グッドデザイン連続講座 「共振する力」で人を動かすデザイン
   デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO) 12月7日 ★★★★
    廣川玉枝氏(審査委員/デザイナー)、本多達也氏(富士通株式会社Ontennaプロジェクトリーダー)

 今年は講演4本(1,2,19,20)と美術展16本。いっぱい行きました。なんと昨年の予告通り、日本オーストリア友好150周年の記念イベントをクリアするため、東京遠征にも行ってきました。6月1日にウイーンというかクリムト3連発をやってのけました!いやぁ、すごいわ。これで味をしめたのか、なんと10月26日にも東京遠征しています。なので、東京で7本観ています。コンサートにも東京遠征が伝染したらどうしましょ!? 来年はいいのがあれば、兵庫・大阪・京都・東京以外の美術館にも行ってみたいです。
 さて、今年の一番ですが、これは決めづらい。東京まで観に行ったかいがあって、クリムト(8,9)も良かったし、塩田千春(15)もバスキア(16)も良かった。関西ではルート・ブリュック(12)ですね。ですが、ここは東京遠征を決めるきっかけとなった「クリムト展 ウィーンと日本 1900」にします。


 今年は1月のオーストラリア旅行、3月にリフォームして、7月にバイク買い替えてと、まるで10月の増税前に駆け込むように大型の出費が続きました。東京遠征2回もかますとか、9月末にはラグビーワールドカップも観戦するとか、ちょっと浮かれていたかもしれません。幸い、関西は大きな災害は無かったようですが、来年も無事とは限りません。来年は兜の帯も財布の紐もしっかりしめてかかろうと思います(でも、来年は東京オリンピック・パラリンピックがあるのよね~、困った)。みなさんもよいお年をお迎えください。